報道発表

日・パラグアイ外相会談

平成22年1月18日
(写真)日・パラグアイ外相会談 (写真)日・パラグアイ外相会談




1月18日19時より約40分間、岡田外務大臣は、外務省飯倉別館において、外務省賓客として来日中のラコニャタ・パラグアイ外務大臣との間で会談を行い、その後、午後19時40分より21時10分まで夕食をはさみつつ意見交換を行ったところ、概要以下のとおりです(先方:トヨトシ在京大使、レスカノ外務省貿易局長ほか、当方:渡部駐パラグアイ大使、佐藤中南米局長、佐渡島国際協力局長ほか同席)。

  1. 二国間関係全般
    冒頭、岡田大臣から、ラコニャタ外相の初めての訪日を歓迎するとともに、今般のアジア中南米協力フォーラム(FEALAC)外相会合では有意義な議論ができた旨評価するとともに、パラグアイでも一昨年61年ぶりの政権交代が実現したことに言及し、お互い政権は替わったが、昨年外交関係樹立90周年を迎えた伝統的な友好関係を是非維持・強化していきたい旨述べました。また、パラグアイにおける日本人移住者及び日系人の厚遇に謝意を表し、今後とも配慮をお願いしたい旨述べました。
    これに対し、ラコニャタ外相から、今般の訪日招待に対する謝意を表した上で、パラグアイにおける日系社会の重要性に言及するとともに、パラグアイにおいても新政権の下で社会政策を重視した進歩的な政策を進めており、外交政策の面でも、メルコスール(南米南部共同市場)、UNASUR(南米諸国連合)といった地域統合のみならず、FEALAC等の地域間フォーラムを重視するとともに、多極主義の考えの下、日本の新政権と同様、より自立した外交を重視しているとの発言がありました。
  2. 経済・経済協力
    岡田大臣から、我が国は、長年、パラグアイに対するODAの最大供与国として、パラグアイの発展に貢献してきたが、今後とも、貧困対策、持続的経済開発、ガバナンスを重点分野として支援していく考えである旨伝え、ラコニャタ外相から、農業分野をはじめ、日本との経済関係を一層促進していきたいとの考えが示されました。
    これを受け、岡田大臣から、農業分野を中心にパラグアイとの一層の経済関係の強化に期待を表明するとともに、我が国としては、パラグアイの小規模農家の貧困削減プログラムを進めているほか、クリーン開発メカニズム(CDM)の仕組みを活用した農村開発を目的とするプロジェクトを開発したことを紹介の上、今後、同プロジェクトが成果を挙げ、本格的な普及が進むことを期待する旨述べました。
  3. 国際場裡での協力
    (1)気候変動問題
    岡田大臣から、気候変動枠組条約第15回締約国会合(COP15)の結果に対するラコニャタ外相の意見を求めたのに対し、同外相より、パラグアイは途上国であり、また、気候変動に脆弱な内陸国であるとして、FEALAC外相会合でも述べたが、先進国は歴史的責任を負っており、もっとしっかりとした約束をすべきである旨述べました。これに対し、岡田大臣より、COP15の結果については不十分な面もあったかもしれないが、不十分であっても半歩でも一歩でも前進させるべきであり、その意味で、コペンハーゲン合意の賛同国を増やしていくことが重要である旨述べました。また、各国が自国の利益ばかりを追求するのではなく、次の世代のことを考える必要があるとして、本年のCOP16においてより具体的な結論が得られるかは、人類の将来にとって重要な分岐点となるものであり、是非この問題についても両国で協力していきたい旨述べました。
    これに対し、ラコニャタ外相より、気候変動問題は緊急な対応を要する深刻な問題であり、メキシコでのCOP16では失敗は許されず、日本とも緊密に協議していきたい旨の発言がありました。
    (2)国連安保理改革
    ラコニャタ外相より、日本との間では国連安保理改革についても緊密に協議していきたいとの発言があったのに対し、岡田大臣より、安保理は現在の状況を反映していないところ、我が国としては、安保理改革を実現し、その中で日本の常任理事国入りを目指す考えであり、この点は新政権になっても変わっていないとして、パラグアイの協力を要請しました。これに対し、ラコニャタ外相より、パラグアイは国際機関選挙で常に日本を支持しており、安保理改革についても例外ではない旨述べました。
    (3)核軍縮
    岡田大臣より、この後、ラコニャタ外相が広島を訪問する予定であることに言及し、オバマ米大統領のプラハにおける演説以降、核軍縮の機運が高まっているところ、本年はこれを実現していくチャンスであると考えている旨述べたところ、ラコニャタ外相よりも賛同の意が示されました。
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