
イラク(ムサンナー県)における草の根・人間の安全保障無償資金協力について
平成18年7月1日
- 昨年、我が国が草の根・人間の安全保障無償資金協力による支援を決定したサマーワ市孤児院機材整備計画(the Project for Provision of Equipment to the Orphanage in Al-Samawah)により調達した機材が孤児院に届けられたとともに、孤児院の建設が完了したことを受け、7月1日(土曜日)、サマーワ市においてプロジェクト完了式が行われた。式典には、イラク側よりムサンナー県の関係者、我が国よりサマーワ外務省事務所及び陸上自衛隊の関係者が出席した。
- イラクでは、前政権下での戦争や戦時の社会的騒乱、あるいは政治的・宗教的な理由による弾圧等により、多くの孤児が発生した。サマーワ市においては、地縁・血縁関係を通じた扶助も得られずストリートチルドレンとなった孤児は約260名に達していると言われている。しかし、地方政府による孤児の救済措置は十分とられていないため、民間の慈善団体に福祉事業を依存せざるを得ない状況にある。
このような状況の下、現地NGOのアル・アマル文化・慈善基金は、我が国のNGO「ライオンズ・クラブ埼玉地区」及び「橋田メモリアル・モハマド基金」からの資金提供を受けて、サマーワ市内に収容人数80名の孤児院を設立すべく工事を行うこととした。これとともに、アル・アマル文化・慈善基金は、本孤児院の運営のために必要な機材の整備費用を我が国政府に要請し、我が国はこれに応えて、草の根・人間の安全保障無償資金協力によりベッド、本棚、机、椅子、冷蔵庫、発電機等の機材整備に必要な経費(約1,771万円)を供与したものである。
本件の実施により、サマーワ市の孤児が精神的・物質的に救済されるとともに、サマーワ市の情勢の安定化を通じ、サマーワ市の生活改善、地域社会の厚生と安定が図られることが期待される。
- 今回の完了式において、イラク側出席者から、日本のNGOと日本政府からの支援に対し、感謝の意が表された。