
アフガニスタン情勢に関する国連安保理議長声明の発出について
平成17年8月24日
- 8月23日(火曜日)、国連安保理において、アフガニスタン情勢に関する公開討論および非公式協議が行われ、NY時間13時30分頃(日本時間24日(水曜日)0時30分頃)、下院および県議会選挙、治安情勢、近隣諸国との関係、武装解除の完了と残された課題への取り組み、ボン・プロセス終了後の国際社会の関与等を内容とする議長声明が発出された。
- わが国は、安保理におけるアフガニスタン問題のリード国としての立場から、今月の安保理議長国として、今次議長声明の発出に際し、当事国であるアフガニスタン政府とも調整しつつ、主導的役割を果たした。
- わが国は、8月1日から31日までの1ヶ月間、安保理において議長国を務めている。また、本年1月より安保理におけるアフガニスタン問題に関するコア・グループの議長を務めている。
(参考)
(1)議長声明の要旨
- 選挙準備の進展を歓迎し、アフガン参加者に対し、選挙キャンペーンが平和的に進められることを確保するため建設的に取り組むよう奨励し、国際社会に対し追加的財政支援を要請。
- タリバン、アルカイダ等の攻撃増加を懸念し、国連治安支援部隊(ISAF)及び不朽の自由作戦(OEF)に支援されたアフガニスタン政府の取り組みを支持。
- 近隣諸国とアフガニスタン政府との継続的協力および対話強化の重要性を強調。
- 武装解除の完了を歓迎し、アフガニスタンが治安、非合法武装グループ解除(DIAG)、麻薬問題等、残された課題に取り組むことを支援するため、国際社会が高い水準のコミットを維持すべきことを強く主張。
- 国際社会およびアフガニスタン政府がボン・プロセス後の国際社会の関与のための新たな枠組みにつき合意する希望を有することを歓迎し、国連がボン後の期間において引き続き重要な役割を果たせるよう国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)のマンデートを見直す用意があることを表明し、アフガニスタン政府の要請を受けISAFのマンデートを更新することを検討する用意があることを表明。
(2)アフガニスタンの政治プロセス
2001年12月のボン合意に基づき、移行政権の発足(2002年6月)、新憲法の採択・発布(2004年1月)を経て、2004年10月9日、大統領選挙が実施され、現職のカルザイ大統領が選出された。本年3月には、アフガニスタン暫定選挙委員会と国連機関(UNAMA及び国連開発計画(UNDP))とで組織される合同選挙運営機構(JEMB)が下院選挙および県議会選挙を本年9月18日に実施する旨発表した。新憲法の規定に基づき、議会選挙後の国会開会をもって同国の政治プロセス(ボン・プロセス)が完結する見通しとなった。
(3)安保理における議長国
安保理仮手続規則において、各メンバー国がその国名の英語のアルファベット順に従って順次1ヶ月ずつ議長職を務めることとされている。わが国が安保理議長を務めるのは、98年4月以来である。