記者会見
岩屋外務大臣会見記録
(令和6年10月25日(金曜日)11時20分 於:本省会見室)
冒頭発言:最近の外交の取組及びレバノンへの緊急無償資金協力
【岩屋外務大臣】冒頭、私(岩屋大臣)から、いくつか御報告がございます。
前回の会見から、約2週間が経過をいたしましたが、その間、私(岩屋大臣)は、外務大臣就任の際に述べた三つの柱に沿って、外交に取り組んでまいりました。
第1の柱であります日米同盟の深化という観点からは、昨日、米国連邦上院議員の表敬を受けたほか、先週にはキャンベル米国国務副長官、パパロ米インド太平洋軍司令官、ジョスト在日米軍司令官と意見交換を行いました。
第2の柱であります「自由で開かれたインド太平洋」の実現の観点からは、ベトナム、フィリピン、カンボジアといった、ASEAN諸国の外相との間で、電話会談を行いました。第3の柱でありますグローバル・サウスとの連携との観点からは、ASEAN諸国との関係を強化してまいりたいと考えております。今後もできる限り電話会談を、まず、続けたいと思っております。
また、レバノンにおける人道状況の悪化を踏まえまして、10月21日、日本政府は、新たに1,000万米ドルの緊急無償資金協力の実施を決定したところでございます。
引き続き、ガザを含む中東情勢やウクライナ情勢、非常に緊迫した状況が続いております。私(岩屋大臣)は、G7のドイツ、フランス、英国、EUや、中東地域では、エジプト、イラン、パレスチナの外相と電話会談を行いまして、日本の立場や考えを伝えたところでございます。昨日は、ムスタファ・パレスチナ首相兼外相と率直な意見交換を行ったところでございます。今後も融和と協調に向けた外交を力強く進めていく考えでございます。
冒頭、私(岩屋大臣)からは、以上です。
北朝鮮兵士のロシア派遣
【共同通信 西山記者】北朝鮮情勢について伺います。オースティン米国防長官は、23日、ロシアのウクライナ侵攻を支援するため、北朝鮮が派遣した兵士がロシアにいる証拠があるというふうに述べました。日本政府としての認識、今後の対応を、よろしくお願いします。
【岩屋外務大臣】御指摘のオースティン国防長官による発言に関しまして、日本政府としても、北朝鮮による兵士のロシアへの派遣について、ロシアによるウクライナ侵略に加担する可能性を含め、深刻な懸念をもって注視しております。
私どもも、米国及び韓国とも協力して、関連情報の収集・分析を進めた結果、今般、北朝鮮が兵士をロシア東部へ派遣し、軍事訓練に関与していると信じるに足る情報が確認されたところでございます。
そもそも、ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙でございます。本件を含めて、最近の露朝軍事協力の進展の動きは、ウクライナ情勢の更なる悪化を招くのみならず、我が国を取り巻く地域の安全保障に与える影響の観点からも、深刻に憂慮すべきものだと考えております。
引き続き、関連情報の収集・分析を行うとともに、関連する安保理決議の完全な履行や、ウクライナにおける一日も早い公正かつ永続的な平和の実現に向けて、国際社会と緊密に連携していきたいと考えております。
秋葉国家安全保障局長の訪米及び日米韓3か国協議
【日経新聞 馬場記者】日米韓高官協議についてお伺いします。本日25日に、秋葉国家安全保障局長が、米韓の安全保障担当の高官とワシントンで会談の予定との報道がありますが、事実関係と、米大統領選を前に開催する意義をお伺いします。
【岩屋外務大臣】今、御指摘があった日米韓の高官協議についてですけれども、10月24日から26日まで、秋葉国家安全保障局長が米国を訪問して、サリバン国家安全保障担当大統領補佐官及び申源湜(シン・ウォンシク)国家安保室長との間で、日米韓3か国協議を行う予定であると承知しております。
これ以上の詳細については、国家安全保障局にお問い合わせいただければと思います。
衆議院議員選挙
【NHK 米津記者】政治や党の話で大変恐縮ではございますけれども、政権の安定が外交にも影響することや、岩屋大臣が、石破総理大臣の生みの親とも言われていることを踏まえて、衆議院選挙の関係で御質問いたします。
自民党が政治とカネの問題で非公認とした候補者が代表を務める政党支部に、2,000万円を支給したなどと報じられたことについて、石破総理大臣は、昨日、「非公認の候補者に金を出しておらず、自民党の公約や政策を分かってもらいたいと政党支部に出したものであり、選挙に使うことは全くない」という考えを示しました。野党からは公認と同じだというような批判も出ていますが、支給に対する大臣の御認識、また、政権として、どのように衆議院選挙において有権者の理解を得ていくべきとお考えか、お尋ねいたします。
併せて、石破総理大臣が勝敗ラインに掲げた「自公過半数」について、維持できるか微妙な情勢だという一部報道も出ておりますけれども、岩屋大臣、どのように御認識されているか、腰を据えた外交を展開していくために、どのように訴えていきたいかということもお聞かせください。
【岩屋外務大臣】お尋ねについては、自民党の政治活動に関することでございますので、政府という立場でコメントするのは、できるだけ控えたいと思っておりますが、私(岩屋大臣)も、自民党の一候補者という立場で申し上げれば、石破総理は、自民党総裁として、自民党の公約・政策を国民の皆様に分かっていただくために、政党支部に支給しているものであって、候補者に支給しているものではないと述べられていると承知しております。
私(岩屋大臣)も党の支部長の一人でございますけれども、支部において、そういう活動は必要だと思っておりますし、それに対して党が支給する、手当をする、活動資金を手当するということには、問題がないと思っております。
ではありますが、そのことがより明確になるような、しっかりとした説明が必要だと、引き続き、必要だと考えているところでございます。
それから、選挙は、与党にとって、自民党にとって、非常に厳しい状況が続いていると思います。しかし、その国民の皆さんの厳しい声をしっかりと受け止めた上で、ぜひ御信任をいただいて、石破政権に、仕事を前に進めるお力を与えていただきたいと思っております。
石破総理、石破政権は五つの「守る」ということを掲げています。日本の未来を「守る」ということを掲げているんですけれども、第一に来るのは「平和を守る」ということでございまして、外交の果たすべき役割は極めて大きいと思っておりますし、私(岩屋大臣)としても、ぜひ御信任をいただいて、外交の力で平和を守り抜く、この仕事をしっかりやらせていただきたいと思っているところでございます。