記者会見

岩屋外務大臣会見記録

(令和6年10月2日(水曜日)15時00分 於:本省会見室)

(動画)岩屋外務大臣会見の様子

冒頭発言: 就任にあたって

【岩屋外務大臣】霞クラブの皆さん、こんにちは。
 この度、外務大臣を拝命いたしました岩屋毅(いわや・たけし)でございます。
 以後よろしくお願い申し上げます。
 冒頭、私(岩屋大臣)から御挨拶を申し上げたいと思います。約18年前に、外務副大臣を務めさせていただきました。また、その後、防衛大臣を務めるなどして、一貫して、私(岩屋大臣)は、外交・安全保障の分野に携わってまいりました。今般、誠に畏れ多いことでありますが、私(岩屋大臣)の同郷の尊敬する大先輩であります重光葵先生も、かつて務められた、この外務大臣という任務をいただくことになりまして、改めて身が引き締まる思いがしているところでございます。今後の御指導・御鞭撻を、まず心からお願いを申し上げたいと思います。
 まず、昨日、石破総理からは、これまでの日本外交の積み重ね、これを踏まえて、更に、この成果を発展・充実させていってもらいたいと、こういう御指示をいただいたところでございます。
 外交は、言うまでもなく、継続性と一貫性が肝要でございます。上川前大臣を始め、先人の功績をしっかりと引き継いで、この激動する国際情勢の中で、日本の平和を守り、国民の生命と財産を守り抜いていく、そして、世界の平和の構築に貢献していく。このことを第一にして、これから外交を展開してまいりたいと考えております。
 現在、日本は、戦後最も厳しい安全保障環境の中にあると申し上げて過言でないと思います。また、既存の国際秩序は、今、挑戦にさらされております。こうした国際情勢における、日本外交の基本的な方針について、改めて申し上げたいと思います。
 第一に、かつてない高みにある日米同盟については、今後とも、日本の外交・安全保障政策の基軸であり続けます。したがって、この日米同盟を更に深化させ、その抑止力と対処力を強化してまいりたいと考えております。
 第二に、「自由で開かれたインド太平洋」、FOIPの実現に向けまして、米国、韓国、豪州、インド、ASEAN、欧州などと共に、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に取り組んでまいります。また、岸田前総理と韓国の尹(ユン)大統領の信頼関係によって大きく改善をした日韓関係、また、昨年8月の歴史的な米国キャンプデービッドでの首脳会合から大きく進展しております日米韓の協力につきましても、更に、しっかり取り組んでまいりたいと思います。その上で、大事な隣国である中国とも、しっかり対話を強化してまいりたいと思います。
 第三に、国際社会の分断や対立が深刻化する今こそ、G7の連携を継続・強化していくことはもちろん、より一層、グローバル・サウスの国々とも、きめ細やかに連携し、国際社会の秩序の強化、あるいは、再構築をリードしていきたいと考えております。
 こうした外交を展開していくためには、人的体制、財政基盤、DXや働き方改革の推進を含めた、外交実施体制の抜本的な強化が不可欠だと考えております。職員の皆さんが、その能力をいかんなく発揮し、一丸となって、外交課題に取り組んでいくための環境を、しっかりと整えてまいりたいと考えております。
 今後も、APECの閣僚会議、あるいはG7外相会合などの国際会議が予定されています。また、御承知のように、多くの国と「2+2」の会合も持っているところでございます。こうした様々な外交機会を捉えまして、カウンターパートの方々との人間関係を構築し、日本の存在感、日本外交の存在感をしっかり示していきたいと思っております。
 外交の失策は、国を誤ることにつながりかねません。日本の外務大臣として、誠心誠意、「至誠通天」という言葉を胸に、しっかりと、この重責に取り組んでまいりたいと考えております。
 重ねて、皆様の今後の御指導・御鞭撻を、心からお願いを申し上げまして、冒頭の御挨拶に代えたいと思います。よろしくお願いします。

石破総理の総裁選期間中の発言(アジア版NATO、核共有)

【日経新聞 馬場記者】アジア版NATOと核共有についてお伺いいたします。
 石破総理は、総裁選期間中も、アジア版NATO構想を唱えられ、核共有の必要性についても言及をされています。アジア圏での防衛義務を負うのであれば、日本の集団的自衛権や憲法改正にも関わります。これをどう認識されているか、政権として、どのように対応されていくかお伺いします。
 また、この構想には、中国側からは「緊張を高める」などの反発の声も聞こえますけれども、この受け止めも併せてお伺いいたします。よろしくお願いします。

【岩屋外務大臣】よろしいですか。アジア版NATOについてのお尋ねでしたけれども、今、日本を取り巻く環境というのは、戦後一番厳しい状況にあるというふうに申し上げました。
 一番、まず、大事なことは、同志国・同盟国とのネットワークを、更に重層的・多層的に編み上げていくということが、まず、最初に取り組むべきことだと考えております。そのことによって、抑止力というのを高めていきたいと思っております。
 今、お尋ねのあったアジア版NATOについてですけれども、これは、もちろん将来の一つのアイディアとしてはあるというふうに思うのですけれども、やはり時間をかけて、中長期的に検討すべきだと考えております。
 政府としては、従来からお答えしているとおりに、現行憲法上、他国をもっぱら防衛するということを目的とする集団的自衛権の行使は認められないという考え方を堅持しております。
 また、インド太平洋地域においては、欧州とは、やはり少し様相が違って、各国の発展段階とか、政治体制・経済体制、そして、安全保障政策にも、様々なバリエーションがございますので、そういうことも、しっかり考慮していかなければいけないと思っています。
 したがって、そういうことを考えますと、今、直ちに、相互に防衛義務を負うような機構をアジアに設立するということは、なかなか難しいと考えておりまして、したがって、将来のビジョンの一つとして、中長期的に検討していくべきだと思っているところです。
 当面は、冒頭に申し上げたように、今のFOIPの枠組みですとか、様々な多国間の安全保障協力関係を、丁寧に、しっかりと積み上げていく努力をしていきたいというふうに思います。
 なお、したがって、このような構想・発想が、何か特定の国に向けられているというものではないと御理解いただきたいと思いますし、将来の理想は、インド太平洋、アジア全体、どの国も排除しない安全保障の協力関係ができるということが最も望ましいと、私(岩屋大臣)は考えております。

石破総理の総裁選期間中の発言(日米地位協定の改正)

【琉球新報 斎藤記者】地位協定に関してお伺いしたいと思います。大臣、どういう点が問題かと思われていらっしゃるのか、そして、どこら辺をどう改善したらいいのかと考えてらっしゃるのか、そして、現段階で、この改定に当たって決まっていることがあるのか、もしくは念頭にあるのか。そして、また、加えて、1日から、在日米軍、「リバティ制度」の見直しを行っていますけれども、その点に関して、十分実効性のあるものなのか、でなければ、更に、何か、追加して外務省の方から、改善を求めるところがあるのか、教えていただければと思います。

【岩屋外務大臣】地位協定については、もう御承知のように、政府はこれまで、手当てすべき事項の性格に応じて、効果的かつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じまして、一つ一つの具体的な問題に対応してきていると思います。直近で言いますと、環境問題ですね。補足協定を作って、立入りもできるようにしたというような実績もございます。そういうことは、これからも一つ一つ積み上げていかなければいけないと思っております。
 その上で、同協定の改定につきましては、あくまでも日米同盟の抑止力・対処力を強化する、そして、お互いの信頼関係をもっと高めて、同盟の強靱性・持続性を高めていくという観点から、取り組むべき課題はあるのだろうというふうに思います。そこについては、総理のお考えも踏まえて、政府として、どういうアプローチ、対応が一番望ましいかということを、しっかり検討していきたいと思っております。
 それから、「リバティ制度」ですね。
 本年7月に、在日米軍司令官が発表した「リバティ制度」の見直しについて、この10月1日から、見直しされた制度の運用が開始されたと承知しております。問題は、これがしっかりと、実効性を持って守ってもらえるかということだと、思います。
 見直された制度では、在日米軍の全軍種の軍人について、例えば、午前1時から午前5時の間、自宅やホテルを除く基地外での飲酒を禁止するとともに、基地外での酒類を提供する飲食店への入店を禁止しております。
 また、同時に、司令官の監督責任も強化していると承知しております。
 こういう米側のコミットメントについては、評価したいと思いますけれども、問題は、これが着実に実行されて、再発防止につながることだと思っておりますので、外務省としては、これらの措置が着実に実施されるように、引き続き、米側に、しっかりと働きかけていきたいと思っております。

石破総理の総裁選期間中の発言(アジア版NATO)

【共同通信 西山記者】アジア版NATOについて、フォローアップで伺います。先ほど、大臣、特定の国を対象としないとありましたが、このアジア版NATOというのは、中国を対象として、米国や韓国、オーストラリアなどと、相互防衛義務を負うものではないということでしょうか。また、石破首相は、米国へのシンクタンクへの寄稿で、アジア版NATOを創設した上で、核の共有や持ち込みについて具体的に検討すべき、との見解を示しました。今後、非核三原則を見直す考えがあるのでしょうか。外務省の見解、よろしくお願いします。

【岩屋外務大臣】アジア版NATOの考え方については、先刻申し上げたとおりでございますので、重複は避けたいと思いますが、まず、直ちに取り組むというよりも、中長期的な課題として、検討すべき課題だと思っております。
 このアジア版NATOという発想は、特定の国を念頭に置いたものではないということでございます。そこは、是非、誤解のないようにお願いをしたいと思います。
 やはり、東アジアの安定が世界の安定につながる。これだけ世界各地で、今、戦禍が拡大しているときに、やはり、この東アジアで緊張緩和をしっかり図る、平和を維持するということが、何より重要なことだと思っておりますので、そのためには、どういう取組が必要かという様々なアイディアの一つとして、アジア版NATOという考え方があるのだろうというふうに思っております。
 それから、もう一つが、核の問題ですか。総裁選の過程でですね、候補者の寄稿について、今、政府としてコメントすることは控えたいと思います。その上で申し上げると、政府として従来から申し上げていることは、非核三原則を政策上の方針として堅持しているということでありまして、これを見直すような考え方はないということでございます。
 その上で、一般論として申し上げれば、やはり、その時々の国際情勢等を踏まえて、様々な国民的な議論がある、それは、あってしかるべきなのだろうと思います。
 私どもとしては、今の日本を取り巻く安全保障環境を踏まえれば、核の抑止力を維持・強化していくことは重要だと思っておりまして、具体的に言えば、米国の拡大抑止の信頼性を維持・強化していくことは不可欠だというふうに思っております。

日中関係

【朝日新聞 里見記者】御就任おめでとうございます。日中関係についてお尋ねしたいんですけれども、石破首相は、著書の中で、日中関係について、「積極的な安全保障政策と同時に、積極的な外交を行うべきだ」というふうに記しておりまして、昨夜、先ほども大臣おっしゃったように、日中関係、対話を強化するという、そのお考えと重なる部分もあると思うんですが、一方で、御承知のとおり、中国の、昨今の冒険主義的な動きと相対する中で、どのようにアプローチしていくのか、また対中外交は、どのようにあるべきだというふうにお考えであるのか、併せて、外相級の相互訪問についてのお考えもお尋ねできたらと思います。

【岩屋外務大臣】日中両国間には、様々な懸案課題もありますが、一方で、様々な可能性もあると考えておりますし、日本と中国は、この地域、あるいは国際社会の平和と繁栄にとって、極めて重要な責任を共に有している国だと考えております。
 御案内のように、中国との間では、「戦略的互恵関係」を包括的に推進しようという考え方に、今、立ち戻っているわけでございますが、主張すべきはしっかりと主張していくと、そして、大国としての中国に、責任ある行動をしっかり求めていくという考え方の下に、協力すべきは、やはり協力していくという、こういう「建設的かつ安定的な関係」を構築していきたいと思っております。
 それから、私(岩屋大臣)も、できるだけ早く、王毅(おう・き)外交部長にはお目にかかりたいと思っておりまして、現時点ではまだ何も決まっていることはありませんが、是非、王毅外交部長とも率直な対話を積み重ねていきたいと思っております。
 いろいろ問題もあれば、課題もあれば、可能性もあるという両国関係ですけれども、是非、先刻申し上げた、建設的で安定的な、戦略的に互恵な関係を、しっかり中国とは築いていきたいと思っております。

China Daily 江記者】(以下は英語にて発言)
 王毅中国外交部長は最近、日本が中国を客観的かつ正確に理解し、前向きで合理的な対中政策を追求し、戦略的互恵関係を全面的に推進するというコミットメントを実践することへの期待を表明しています。 こうした期待に対して、日本の新政権はどのような具体的な動きをするのでしょうか。

【岩屋外務大臣】日中間では、先刻申し上げたように、両首脳間で、戦略的な互恵関係の包括的な推進、そして、建設的かつ安定的な関係の構築という大きな方向性を再確認しております。
 その中で、王毅外交部長も、今おっしゃったように、戦略的互恵関係を全面的に推進するというコミットメントを、実践することへの期待を表明してくれているということだと思います。まさに、そういう関係がしっかりと進行していくように、しっかりと対話を積み重ねていきたいと思っております。

日韓関係

【東亜日報 李記者】御就任おめでとうございます。石破政権の日韓関係について、お伺いしたいと思います。冒頭発言でおっしゃったとおりに、岸田元総理と尹大統領は、個人的な信頼関係に基づいて、日韓関係が改善したというふうな発言をしましたけれども、岸田政権では韓国について、国際性、国際社会の様々な課題に取り組むパートナーとして認識し、関係改善に取り取り組んでまいりましたけれども、新政権では、どういうふうな方針を持っているかについてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

【岩屋外務大臣】日韓関係は、極めて重要な二国間関係だと思っております。
 日韓が、緊密に連携していくことが、双方の利益になるだけでなく、東アジア地域の安定と繁栄につながっていくと、私(岩屋大臣)は、確信しております。
 日韓関係には、一時期、難しい課題もたくさんありましたけれども、今、御指摘のように、尹大統領と岸田首相の間で、日韓の関係は、劇的に修復されたと考えておりまして、これを更に、着実に、未来に向けて発展をさせていきたいと考えております。
 来年は、国交正常化60周年ということでもございますので、更に、両国の関係を堅固で、幅広いものにしていきたいと思っております。
 私(岩屋大臣)が、防衛大臣時代には、例のレーダー照射事案というものも起きましたけれども、それを乗り越えて、日韓の防衛当局間の交流・協力というものも、しっかり行えるようになってまいりました。日韓両国の様々なレベルの関係を、更に強化していきたいと思っておりますし、日米韓の連携も、地域の平和と安定にとって不可欠ですから、これもしっかり強化してまいりたいと思っております。

核兵器禁止条約オブザーバー参加

【中国新聞 宮野記者】御就任おめでとうございます。岸田前首相が、「核兵器のない世界」に向けた出口として重要性を評価されていた核兵器禁止条約についてお伺いします。大臣の条約への評価を教えてください。石破首相は、総裁選の間にあった中国新聞などへのインタビューで、「条約の締約国会議へのオブザーバー参加は、選択肢の一つである」と述べています。大臣も過去に、「政府は、オブザーバー参加すべきだ」という考えを示されています。今後、オブザーバー参加を検討されますでしょうか。併せて条約の署名批准に対する考えもお伺いします。

【岩屋外務大臣】核兵器禁止条約は、「核兵器のない世界」への出口とも言える重要な条約だと思っています。世界を、最終的に、そのような世界になるということを、私(岩屋大臣)も心から願っております。しかし、現実の安全保障ということも、しっかり見据えていかなければいけないと思っておりまして、御案内のとおり、同条約には核兵器国は一か国も参加していないという状況でありますし、その我々が望んでいる出口に至る道筋は、残念ながら、まだ立っていないというのが現状でもございます。
 先ほど、核抑止に関する話もさせていただきましたけれども、そういうことにも、しっかり取り組んでいかなければいけないという現状にあることは事実でございまして、我が国は、かねてから申し上げておりますように、核保有国と、非保有国の間の架け橋になって、核兵器廃絶に向けての機運を醸成していく、いかねばならないという役割を担っていると思いますので、その方向で、これからも、しっかり努力していきたいと思っております。
 今、御指摘のあったオブザーバー参加等につきましても、政府全体として、引き続き、どういう対応が望ましいのかということを、引き続き、しっかり検討していきたいと思っております。この段階では、それ以上のことは、なかなか申し上げにくいということを御理解いただければと思います。

中東情勢(イランのイスラエルへのミサイル攻撃)

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
 (以下は英語にて発言)
 大臣への御就任、おめでとうございます。
 質問は、西アジアに関してです。現在、西アジアでは、地域の安定と安全保障が損なわれており、そのことが東アジアにまで波及しています。
 日本は、イスラエルがパレスチナやレバノンでほぼ民間人を標的として拡大させている中東地域での戦争を終わらせるために、より積極的な政策を取るのでしょうか。

【岩屋外務大臣】中東情勢については、深刻に懸念しております。
 現地時間の10月1日、イランは、イスラエルに対して、弾道ミサイルを使用した大規模攻撃を行いました。今回の攻撃は、今の中東情勢を更に悪化させるものであって、深く懸念を表したいと思いますし、このようなエスカレーションを強く非難したいと考えております。
 中東地域の安定は、我が国にとっても、極めて重要でございまして、我々としては、全ての関係者に対して、事態の沈静化を強く求めていきたいと思います。
 そして、在外邦人の保護にも、万全を期していかなければなりません。必要な措置は全てとってまいりたいと、その決意を改めて表明しておきたいと思います。
 いずれにしても、中東での状況が、ますます悪化していくという事態を、何としても避けなければいけないと思っております。こういう紛争を通じて、戦闘を通じて、多数の民間人の死傷者が発生しておりますことも、深く憂慮しております。
 したがって、我が国としては、国際社会とも連携して、事態の更なる悪化をもたらさないように、即時停戦を求めたいと思います。また、全ての関係者に対して、民間人の犠牲を防ぐための、あらゆる措置を直ちに講じること、そして、国際人道法を含む国際法の遵守に加えて、更なるエスカレーションを回避するための自制を行うこと、外交的解決に真摯に取り組むことを強く求めていきたいと思っています。

ウクライナ情勢

【トリビューン・ニュース スシロ記者】大臣、おめでとうございます。
 先ほどおっしゃったように、中東のことなんですけれども、ウクライナとロシアの戦争について、日本は、この長期戦争に、平和をもたらすための新しい考えを持っているのでしょうか。それ一つなんですけれども、ちなみに、アジア版のNATOなんですが、インドネシアから応援すると思いますので、excellent ideaだと思います。よろしくお願いします。

【岩屋外務大臣】ウクライナの侵略は、まさに、その国際秩序の根幹を揺るがす暴挙だと考えております。今や、欧州と、インド太平洋の安全保障というのは、不可分だと考えておりまして、どこであっても、このような力による一方的な現状変更の試みは、許されないと考えております。
 したがって、我が国としては、国際社会全体の平和と安全のために、自らの問題として、ロシアの侵略をやめさせて、一日も早く、公正かつ永続的な平和をウクライナに実現すべく、今日までもこの問題に取り組んでまいりました。
 しかし、一向に、この戦闘が終結する兆しは見られないわけでございまして、我々としては、まず、ウクライナ支援と対露制裁を、引き続き、強力に推進していかねばならないと考えております。
 国際社会と連携しながら、一日も早く、ウクライナに公正かつ永続的な平和を実現をすべく、日本政府として、引き続き、全力で取り組んでいきたいと思っております。

捕鯨問題

【AFP通信社 小沢記者】捕鯨関係について伺います。シー・シェパードの創始者であるポール・ワトソン氏ですが、デンマーク領グリーンランドで拘束されて、日本への送還の是非が裁判にかけられています。日本政府として、デンマーク当局と、どのような交渉しているのか教えていただきたいのと、新しく就任された大臣として、改めて日本のお立場、見解を教えてください。

【岩屋外務大臣】今おっしゃったことについては、私(岩屋大臣)、まだ、事実関係をしっかり承知していない段階ですので、そのことについてのコメントは控えさせていただきたいと思います。

日中・日韓関係

【朝日新聞 里見記者】日中韓で、もう一問、お尋ねしたいんですけれども、まだ、政権発足間もないわけですが、既に自民党の一部議員から、「親中・親韓内閣」、中国・韓国に親しい内閣といった、そういった声も上がっていて、先ほど言及もありましたけれども、かつて防衛大臣の時代に、レーダー照射をめぐって、自民党内の反発を招いたということもありました。今後、中国や韓国と信頼関係を築いていく上で、こういった国内世論と、どのように向き合っていくおつもりか、お考えかを、お尋ねできたらと思います。

【岩屋外務大臣】一部議員というのはどなた? 後で教えてくれればいいです。
 「親中・親韓内閣」という御指摘が、一部にあるということでありましたけれども、私(岩屋大臣)は、日本外交は、嫌韓・嫌中などと言っていたのでは、日本外交は成り立たないと考えております。
 防衛大臣時代のレーダー照射についても、これは、あってはならないことではありましたが、こういった懸案を解決して、乗り越えて、未来に向かって建設的な日韓関係を築くことが、双方の利益になり、アジア全体の利益になるという確信を持って、この問題に、取り組ませていただいたところでございます。
 今日も申し上げたように、日韓の関係は、更に充実・強化してまいりたいと思っておりますし、中国とも、しっかり対話を重ねて、建設的、安定的な相互に互恵的な関係を築いていくということが、両国のためであり、アジアのためであり、世界のためになると確信を持って、外交を進めてまいりたいと思っております。

日中・日韓関係

【香港フェニックステレビ 李記者】中国についてお伺いしたいんですけれども、石破総理が、論文の中で、アジア版NATOを作るというのは、中国を抑止するためのものであるというふうに、はっきりと述べられています。大臣が、先ほど、「これは、すぐに取り込む問題ではない」というふうにおっしゃったんですけれども、昨日の石破総理の記者会見で、これから着実に諦めずに取り組んでいくと、これは、中国を抑止するというのは、どういった狙いがあるのでしょうか。ここを外務大臣として、その説明をお願いしたいのと、そして、対中外交については、戦略的互恵関係と建設的かつ安定的な関係をこれから構築していくとおっしゃられましたけれども、岸田政権の対中外交を継承していくということでしょうか。それとも、新しく何か対中外交、異なるカラー、石破内閣の外交カラー、もしあったとすれば、教えてください。

【岩屋外務大臣】まず、対中国というか、中国に対しては、対話と抑止の両方が必要だと思っております。
 東アジア地域に、一方的な現状変更の試みが見られるということも事実でございますから、こういうものについては、しっかり抑止できる仕組みを作っていかなければいけないと。しかし一方で、対話を粘り強く丁寧に重ねて、信頼関係を醸成していく。できるだけ緊張が高まらないようにしていく。この対話と抑止というのは、決して相矛盾することではないと思っておりまして、両立ができる、これから取組をしっかりしていきたいと考えております。

北朝鮮情勢(拉致問題)

【産経新聞 原川記者】ありがとうございます。北朝鮮による日本人拉致事件や拉致問題に関してお伺いしたいと思います。石破総理は、前の総裁選において、拉致問題の解決に向けて、東京と平壌に、日朝双方が連絡事務所を開始すると、そういう考えを示されたのですけれども、この考えというのは、もう石破政権の外交方針になっているというふうに理解して良いのでしょうか。また、その場合は、日本側の設ける連絡事務所の規模や日常業務内容、また、いつ頃までに開設する考えなのか、というのも併せてお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【岩屋外務大臣】拉致問題の解決は、やはり最重要課題の一つだと思っておりまして、それは、石破政権においても、しっかりと取り組んでいかなければならないと思っております。
 今、御指摘のあった、連絡事務所という話は、様々なアプローチのアイディアの一つとして、述べられたということであって、具体的にこれから石破政権ができて、どのようなアプローチしていくか、何が現実的で、最も効果的なのかということは、しっかりと政府全体で検討して進めてまいりたい思っておりますので、それが、今の段階で、既定路線になっていることではなくて、ありとあらゆる方法・手段を、真剣に模索していきたいと思っております。

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