記者会見

上川外務大臣会見記録

(令和6年9月20日(金曜日)11時29分 於:本省会見室)

(動画)上川外務大臣会見の様子

冒頭発言

(1)深圳日本人学校児童死亡事案

【上川外務大臣】私(上川大臣)から、2件ございます。
 中国深圳(しんせん)における事件につきましては、いまだ深い悲しみを感じております。亡くなられたお子様に哀悼の誠を捧げるとともに、ご遺族の皆様に改めて心からお悔やみを申し上げます。ご心痛を考えると胸が潰れる思いです。
 昨日には、金杉(かなすぎ)駐中国大使を現地に派遣し、必要な支援を続けています。また、中国側に対し、事実関係の明確な説明及び子供たちの安全確保を、大使レベルを含む、様々なルートを通じて、強く求めています。
 日本政府として、中国各地の日本人学校の安全、何より子供たちの安全確保を最優先に、できることは全て行ってまいります。
 これまでにも、教職員等を対象とした安全対策研修や、学校施設の強化等の取組を行ってきました。また、本年6月に、蘇州において、スクールバスが襲撃された事件を踏まえ、世界各地の日本人学校・補習授業校に対し、安全対策の最低限を早急に行うことを要請し、各在外公館からも、改めて、安全対策の徹底をお願いしました。
 さらに、令和7年度概算要求において、中国のスクールバスの警備費として、約3.5億円の要求を行っています。
 今回の事件を受け、中国にある八つの在外公館から、在留邦人の皆様に注意を促す領事メールを、事件当日及び翌日の2回発出し、昨日には、外務本省から、スポット情報を発出いたしました。また、在中国大使館において、中国日本商会、北京日本人会、北京日本人学校との間で、緊急会合を開催し、本事件の概要を説明をし、改めて注意喚起を行いました。中国の総領事館、上海、広州、瀋陽、大連、重慶、青島、香港の計7総領事館・領事事務所においても、同様の会合を速やかに開催してまいります。
 今回の事件を受け、学校の保護者の皆様及び子供たちの間で、動揺が広がっていくことを大変深刻に受け止めています。日本政府として、精神面でのサポートを全力で行っていく考えです。
 また、今回の事件は、児童が徒歩で通学している途中に発生しました。今後、様々な通学方法を含む、現地の状況等をしっかりと把握し、それぞれの場合に沿った安全確保についても、重点的に再点検し、必要な措置を講じてまいります。
 その上で、更に追加的な措置につきましては、現在事務方に検討させているところであります。文部科学省等とも連携しつつ、日本国内における安全対策の取組なども参考にしながら、何ができるか、速やかに検討してまいります。日本政府として、今回の事件を大変深刻に受け止めており、できることは、全てやっていく考えです。この観点から、外務省政務による中国訪問について、鋭意検討しているところでございます。

(2)上川大臣の米国訪問

【上川外務大臣】2件目です。
 私(上川大臣)は、9月23日、ニューヨークで行われている国連総会ハイレベル・ウィークに参加します。
 国連総会は、多くの国から、首脳・外相が参加し、様々な問題を話し合う、極めて重要な外交の場であります。東アジア情勢、ウクライナや中東情勢などは、国際情勢が厳しさを増し、流動的な状況にある中、長年、平和構築に取り組んできた日本外交の強みを最大限に生かし、国連を含む多国間主義への信頼回復や、同志国との連携強化に取り組みます。現地滞在中は、日本外交の優先課題に沿って、最大の効果を上げられるように、各国の外相と戦略的に議論を行います。日本外交に空白を作ってはなりません。
 岸田総理が参加される未来サミットの成果も踏まえ、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化に取り組みます。
 外交の要諦は、人と人との信頼関係であり、そのためには対面での率直な議論が不可欠です。今年の国連総会では、この1年間で積み上げてきた個人的な信頼関係をベースに、各国のカウンターパートと対面で集中的に議論を行い、緊密な意思疎通や連携強化を図ってまいります。
 現地訪問中は、安保理改革に関するG4外相会合、G7外相会合等の会合に出席し、各国外相とも会談を行う予定です。戦後80年の我が国の平和外交の実績に裏付けられた、我が国に対する信頼と期待に応えられるように、国連を中核とした多国間主義に対する我が国のコミットメントをしっかりと示します。また、地域・国際情勢について、国際社会との緊密な連携を強化してまいります。
 また、私(上川大臣)が、これまで力強く推進してきたWPSにつきましては、関連会合にて大臣メッセージを発信し、WPS安保理決議採択時25周年となる来年、我が国は国連のWPSフォーカルポイント・ネットワークで、リーダーシップを発揮し、安全保障分野での女性の積極的な参画を力強く推進してまいります。
 私(上川大臣)からは、以上です。

深圳日本人学校児童死亡事案

【共同通信 西山記者】深圳の事件について伺います。被疑者の動機は入っていますか。それとあと、今後の日中関係の影響をどう捉えるか、あと、先ほど「中国に政務を派遣する」とおっしゃいましたが、どのレベルの方がいつ頃行かれるのか。よろしくお願いします。

【上川外務大臣】まず、第一番目のご質問でございますが、中国側に対しましては、今次の事案につきまして、事実関係の説明を求めるとともに、子供たちの安全確保につきまして、万全を期するよう駐中国大使から外交部の副部長に対する申入れなどを含めまして、あらゆるチャネルで申入れをしているところであります。
 これに対し、中国側からでありますが、この中国国内の日本を含む、外国国民の安全を守るため最大限の努力をしたいと。そして、今回の事案につきましては、個別の事案であるという旨の説明を受けたところであります。
 引き続き、中国側に対しましては、しっかりとした事実関係、これについて、一日も早く説明をすること、また、子どもたちの安全確保、これについての徹底を強く求めております。
 今回の事件でありますが、児童が徒歩で通学している途中に発生したところであります。今後、様々な通学ルート、通学の方法がございますので、こうした現地の状況をしっかりと把握をする。そして、それぞれの場合に沿った安全確保につきましても、重点的な再点検を行いまして、必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
 その上で、更に追加的な措置についてでありますが、現在、事務方に検討させているところであります。先ほど申し上げたとおりでありますので、各省庁、とりわけ文部科学省などとも連携をしながら、国内の安全対策の取組も参考にしながら、何ができるか、速やかに検討してまいりたいと考えております。
 第2点でございますが、政務ということでありますが、今検討しているところであります。速やかに報告ができるようにしてまいりたいと思っております。

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