記者会見

上川外務大臣会見記録

(令和6年9月10日(火曜日)14時46分 於:本省会見室)

(動画)上川外務大臣会見の様子

冒頭発言

日・ウクライナ外相電話会談

【上川外務大臣】私(上川大臣)から、1件ございます。
 本10日14時から30分間、新たに就任したウクライナのシビハ外相との間で、電話会談を行いました。今般の電話会談は、就任後、早期にやり取りをしたいとの先方からの要請を受けて実現したものでありまして、就任後、間を置かずに、こうしてウクライナの新しいカウンターパートとしっかりやり取りができたことは、非常に良かったと考えております。
 前任のクレーバ前外相とは、本年1月の私(上川大臣)のキーウ訪問時に、ロシア側の攻撃を受け、キーウに空襲警報が発令されたことから、急遽共同記者会見を、このウクライナ外務省の地下シェルターにおきまして実施したことなど、カウンターパートとして、様々な経験を共にいたしました。本日の電話会談では、クレーバ前外相への謝意を伝えていただきたいと、シビハ外相にお願いをしたところでございます。
 シビハ外相とは、私(上川大臣)のキーウ訪問に際しまして、ゼレンスキー大統領を表敬した折に、お会いしたことがございますが、本日の電話会談におきましては、ウクライナに対する日本の揺るぎない連帯の決意を表明し、そして厳しい対露制裁と、そして、強力なウクライナ支援を実施するという、この日本の方針は不変であることをお伝えさせていただきました。
 また、ロシアによる大変激しい攻撃が続いていることに対しましては、心を痛めているという旨を、シビハ外相にお伝えいたしました。本日の会談を通じまして、ウクライナとともにあるという思いを改めて強くしたところでございます。
 シビハ外相からは、我が国のこれまでの人道、復旧・復興分野などのウクライナの支援に対し、改めて深い謝意が示されました。ロシアの侵略を止め、ウクライナに公正かつ永続的な平和を一日も早く実現するため、また、侵略の被害に苦しむウクライナの人々のため、引き続き、ウクライナの人々に寄り添った対応を行っていく所存でございます。
 私(上川大臣)からは、以上です。

在沖縄米兵による事件(国内情報共有体制)

【共同通信 西山記者】沖縄での米兵による事件について伺います。沖縄県の本島北部で、6月下旬、20代女性に性的暴行をしたとして、県警が9月5日、不同意性交致傷の疑いで、米海兵隊の男を書類送検しました。事件の受け止めと、県への情報共有について、今回の対応の評価を伺います。
 また、在日米軍司令部が創設を表明したフォーラムについて、現在の調整状況を教えてください。

【上川外務大臣】このお尋ねの事案でございますが、捜査当局におきまして捜査中と承知しております。
 その上で、従来から説明してきているところでございますが、今般、米軍人等による性犯罪で、捜査当局による積極的な広報がなされない事件について、捜査当局による事件処理が終了した後、可能な範囲での沖縄への情報提供を行う運用を開始いたしました。
 お尋ねの事案につきましても、捜査当局による捜査及び事件処理の結果も踏まえ、適切に対応していく所存でございます。
 お尋ねの新しいフォーラムについてでございますが、これは日米双方、及び地元の利益にかなう具体的な協力を生み出していけるような場とするということでありますので、現在、米側及び地元と調整を行っている状況でございます。
 今後の具体的な段取りにつきましては調整中ということでございますが、建設的で有意義なフォーラムとなるよう、開催に向けて、日本政府としても全面的に協力してまいります。

在沖縄米兵による事件(リバティー制度)

【琉球新報 斎藤記者】先ほどの質問に関連して、1点お伺いします。フォーラムとは別に、米国が、今年の7月に「リバティー制度」を統一化しているんですけれども、それに関して外務省の方には通知・知らせがあったのか、もしくはその内容に関して、もし御承知であれば教えていただきたいということと、もう一点は、その知らせがなかった場合ですが、大臣としてはどういう対応をなされるのか、また、外務省としては、米側に対して何らかの要求をしていくのか、お聞かせ願いたいと思います。

【上川外務大臣】今、御質問の「リバティー制度」ということでありますけれども、7月に在日米軍司令官が発表した、この制度の見直しについてでございます。引き続き、米側の方におきまして、これの見直しを行っていると承知しております。
 いずれにいたしましても、重要なことは、この「リバティー制度」の見直しを含めまして、今般、米側が発表した一連の再発防止策、これが確実に実行され、再発防止につながるということでありまして、引き続き、米側に対しましても、働きかけをしてまいりたいと考えております。

対露外交

【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 濱本記者】岸田政権の対露外交について伺います。自民党は、初代総裁総理の鳩山一郎氏による日ソ共同宣言の調印と、ソ連との国交回復に始まり、近年では、安倍晋三元総理による北方領土問題を含めた、日露関係改善と平和条約締結に向けた尽力により、日露関係を、敵対関係とは言えないところにまで近づけました。ところが、岸田政権となって以降、ロシアのウクライナ侵攻を、「いわれなき侵略」と一方的に非難し、ウクライナ政府が行ってきたロシア系住民に対する民族浄化とも言うべき組織的な人権侵害に対ししびれを切らしたロシアが、軍事介入に至った経緯を全く無視し、日本はロシアから敵対視されるまでに至り、自民党がこれまで積み上げてきた外交努力が無に帰された感があります。極東において、中国、北朝鮮だけでなくロシアとも軍事的緊張が高まり、対露外交を悪化させた岸田・上川外交を、大臣御自身はどのように総括されるでしょうか。よろしくお願いします。

【上川外務大臣】日露関係でありますが、厳しい状況にありますが、現下の情勢は、ロシアによりますウクライナ侵略によりまして発生しているものでありまして、今、御指摘いただきましたけれども、全く当たらないと考えております。
 ロシアによるウクライナ侵略でありますが、これは国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であると考えております。引き続き、我が国は、一日も早く、ウクライナに公正かつ永続的な平和を実現するべく、G7を始めとする国際社会と連携し、厳しい対露制裁を講じるとともに、強力なウクライナ支援にしっかりと取り組んできておりますし、これからもその方針でございます。
 同時に、例えば漁業などの経済活動でありますが、また海洋におけます安全に係る問題、こういった分野につきましては、日露が隣国として対処する必要のある事項でございまして、我が国外交の全体におきましては、何が我が国の国益に資するかという観点から、適切に対応してまいるところであります。その上で、北方領土問題に関しましては、領土問題を解決して、そして平和条約を締結するという方針、これは堅持してまいります。

自民党総裁選

【NHK 五十嵐記者】明後日告示される自民党の総裁選の関連で伺います。昨日、大臣を支持する陣営の会合が開かれ、推薦人20人が集まれば、明日立候補を表明する記者会見を開くことを決めました。現時点では、既に推薦人20人は揃ったということなのか、事実関係について伺います。また、立候補表明の会見では、どういった政策を柱に掲げる予定かもあわせて伺います。

【上川外務大臣】今のご質問の前に、1点だけ申し上げたいと思いますが、実は今週、外務大臣就任からちょうど1年を迎えます。この極めて厳しい国際情勢の中にありまして、外務大臣として、一意専心、全力で走り抜いてきた、あっという間の1年でございました。
 今、御質問ということでございますが、推薦人につきましては、最終的な確認と詰めを行っている状況でございまして、明日の出馬会見には何としても臨んでいきたいと考えております。
 私(上川大臣)が立候補すること自体が、この新しい自民党、新しいこの日本をつくる一歩になると考えております。そして、初の女性総理として、今までにない「新しい景色」を、国民の皆さんと一緒に作りませんかと、こうしたことを明日、語りかけていきたいと考えております。

【読売新聞 上村記者】私からも総裁選に関してお伺いします。候補者による出馬表明も相次いで、だいぶ人数も多くなってきて、今、告示前ではありますが、事実上の論戦模様となっております。出馬を目指される大臣御自身として、現在の議論の状況というのをどのようにご覧になっているか所感をお聞かせください。

【上川外務大臣】他の立候補された候補が、様々に活発な論戦を繰り広げていることについては、もちろん、注目しているところでございます。
 これから、論戦につきましては、本格的な論戦が始まると思っておりますので、私(上川大臣)といたしましても、何とかその論戦に加わることができるように、明日の出馬会見ができるように、最大の努力をし、この中で大いなる議論をしてまいりたいと考えております。

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