記者会見
上川外務大臣臨時会見記録
(令和6年8月25日(日曜日)13時44分 於:ホテルニューオータニ東京)
冒頭発言
(大臣)今、TICADの閣僚会議を開催している状況でありますので、この点について、まず冒頭、発言をさせていただきたいと思います。2日間にわたるTICAD閣僚会合も閉会式を残すところとなりました。アフリカの47か国と関連国際機関の代表者が参加をされまして、大変熱い集中的な議論を行ったところであります。エネルギー溢れるアフリカの姿を本当に若い世代、女性、そして次々にイノベーションが生まれているということで、こういったことに着目をしながら、アフリカの未来を共に創っていくと、co-createしていくと、これについてはとてもエキサイティングな議論であったと、私自身も非常にワクワクしている状況であります。
加えまして32に及びますバイ会談を開催するということでありまして、まさにマラソン会談を実施している状況であります。この一つ一つの会談におきまして、二国間関係にとどまらず、国際情勢やグローバルな課題についてもしっかりと議論ができたというふうに思っております。日本からの世界観、アフリカからの世界観、こういう中でそれぞれの情勢をどう見ているのかということについても、大変示唆に富むというか、視点をいただくことができたと思っております。
特に中東情勢であります。中東情勢が刻一刻と変化をしておりまして、私自身日本として関与を緩めてはならないという、こういう緊張感のもとで取り組んでいるところであります。TICADでは、エジプト、南アをはじめとする大変影響のあるアフリカの国々が参加をしていらっしゃいます。日本の姿勢、更には連携のあり方についての議論をバイ会談においても進めてまいりました。今し方もヒズボラによります報復攻撃が始まったと、こうした報を受けておりまして、更なる事態のエスカレーションを防ぐために、エジプトの外相と、ただいま意見交換をしたところであります。時々刻々の変化ということでありますので、最新の情報を交換しながら、しかるべく対応していこうと、先ほどもそうしたやりとりをしたところであります。
また、もちろん、ウクライナの情勢や東アジア情勢につきましても、必要な働きかけを含めまして議論を深め、更なる協力をしていこうと、こうした意味ではアフリカから東アジアの情勢についても御理解をいただくという非常に貴重なバイ会談を重ねさせていただいております。
今回の閣僚会合の成果でありますが、来年8月に横浜で開催されます、昨日のレセプションでロゴマークが発表されましたけれども、その横浜のTICAD9に向けまして大きな一里塚ということでありますので、それに向けて新たな一歩をこの閣僚会議で踏み出すことができたというふうに認識しております。私自身、アフリカの方々から、強力なるエネルギーをいただくことができまして、大変チャージされている感覚を持っているところであります。これが、おそらく多くの若い皆さん、アフリカにも多くの二十代、三十代の若者達が、また、女性達がスタートアップも含めて活躍をしていらっしゃいます。JICAのプロジェクトで草の根無償の活動もしていらっしゃいます。そして、魅了されて生き生きと話していらっしゃる姿を見ますと、エネルギーを日本の若者達が感じているということ自体、これは大きな希望であります。そういう意味で、アフリカと未来を共に創っていくという気持ちで、今回の会合を終えて参りたいと思っております。
質疑
(記者)自民党の総裁選についておききします。現在の推薦人確保の状況と、立候補表明の時期について、どのようにお考えか伺います。
(大臣)話は変わるわけでありますが、出馬の時期、立候補の時期については、今、計画をこの日ということで設定しているところではございません。私こうして皆さんの前で色んな形で御質問をされるわけでありますが、皆さんの方からも、日本においての初の女性総理になって欲しいということ、それは内政、外交ともに経験を有している、また、安定感のある上川陽子しかいないと、こういう声を多くいただいているところであります。今、米国ではカマラ・ハリス副大統領が、立候補しているわけでございますが、ああした健闘ぶりを日本でも見せて欲しいと、こういう声も頂戴しているところでございます。その意味では、そうした大きなエネルギー、あるいは声というものにしっかりと応えることができるように、私としては精一杯の努力をし、そして、日本にとって、まさに日本は変わると、こういう意味での大きな時期にあるということを心に刻んで、更なる活動に精力的に取り組んでいきたいと思っているところであります。
今、20人云々という話がございましたけれども、その数字、20名というものをはるかに超える支持をいただいているところでありまして、今、推薦人をどなたにということの最後の詰めをしている状況でございます。その意味では、そうした努力を重ねてまいりたいと思います。更に、私自身が、この機会の中で、国民の皆様お一人お一人に、これからの時代、未来に向けてどのように進んでいくのかという、こうしたことの声を聞かせていただき、また、私自身がそういう思いで今回決断をしたことについてのお話をするという、まさに対話を続けていくということが極めて重要であると思っておりますので、丁寧に、また、思いを込めて、外交の中で感じてきたこと、そして外交と内政は一つになっているということを通して、若者達の今の活躍ぶりが、また、日本のなかの魅力溢れる国作りのために活かしていきたいと、こんなふうに思っております。時代が大きく変わっているということを、海外の皆様との会合を通して、この一年強く感じてきたところでありますので、率直にありのままにそうした話をしながら、また、皆さんの声もいただきながら、この大事な時期を乗り越えていきたいというふうに思っております。これは、日本にとっての極めて大事な、ある意味では国際社会におきましても極めて重要な、分裂・対立から協調の時代ということに対する、日本への期待に応えていくことにつながるし、そのことが日本の成長と発展にもつながっていくものと確信をしております。
(記者)今、日本が変わるという主旨の話をされましたけれども、足下の話で、総裁選の立候補をされる方達からは、次の国政選挙において裏金事件をめぐって党から処分を受けた議員は公認されるべきではないのではないかという主旨の声も相次いでいます。上川大臣として、その点について、総裁候補として、これから立候補表明などに移っていくわけですけれども、次の国政選挙における裏金事件の処分対象者に対する対応は、どういうふうに考えておられるか。また、一連の裏金事件で党から処分を受けたという形にはなっていますが、今後、自民党として変わった姿を見せていくために、どういうふうにアピールをしていくお考えか伺います。
(大臣)個別のテーマについての御質問でありますが、私としては、今回、日本の政治を変えなければならないと思うことの大きな要素として、何といっても国民の皆様からの信頼ということを獲得していかなければいけない、信頼あってこそはじめて政治も動くし、また、未来に向かった大きなエネルギーが働くと思っております。それ故に、政治に係る問題については、しっかりとその方針の中で進めて参りたいというふうに思っているところであります。一番大事なことは、私ども政治家は、透明性の高い、そして説明責任を果たし、国民の皆様から理解と支持をいただくと、この基本的な考え方に基づいていきたいというふうに思っております。これは基本ということであります。ですから、そういう姿勢で私自身は臨みたいというふうに思っております。様々な御議論があるなかでありますけれども、一つずつの項目につきましても、今、外交のまっただ中にいるところでありますが、これからしっかりと真摯にお応えしていきたいというふうに思っております。