記者会見
上川外務大臣会見記録
(令和6年7月23日(火曜日)12時45分 於:本省会見室)
冒頭発言
(1)ASEAN関連外相会議出席
【上川外務大臣】私(上川大臣)から5件ございます。まず、1件目であります。
7月25日から28日まで、私(上川大臣)は、ASEAN関連外相会議に出席するため、ラオスを訪問します。ASEAN諸国とは、「信頼」に基づく「共創」により、「平和と繁栄」を共に目指すパートナーとして、共通の今日的課題に対処するために取り組んでおり、今回の会議にも、こうした考えで臨みます。
特に、次の二点に焦点を当てたいと考えます。第一に、「繁栄のための取組」です。日本は、ASEANの中心性・一体性を支持し、連結性の強化に貢献してきました。昨年12月の特別首脳会議で採択されました実施計画の着実な進捗を確認し、解決策の「共創」を目指します。
第二に、「平和と安定のための取組」であります。先日、カンボジア訪問の際に発表した地雷パッケージのように、日・ASEANが、共に地域や世界の平和と安定のために貢献する将来を目指します。また、地域・国際情勢についても議論をし、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化し、人間の尊厳を守るとの考え方を更に広めたいと考えております。
2019年(令和元年)8月以来の対面開催となりますメコン諸国との会議では、日本がメコン地域と共に発展していくことを示します。
この機会に、二国間会談も調整中です。五つのASEAN関連会議と合わせ、重層的な外交を展開してまいります。
(2)新たな経済広域担当官の指名
【上川外務大臣】次に2件目です。
この度、ASEAN市場を念頭においた日本企業支援の一環として、ASEAN関連外相会議の機会を捉えて、在シンガポール大使館、在タイ大使館、在インドネシア大使館、在ベトナム大使館、在ホーチミン総領事館、及び在インド大使館の5か国6公館において、新たに経済広域担当官を指名することといたしました。
我が国は、従来から、ASEAN共同体の統合や連結性の強化を支援してきていますが、ASEANにおいては、域内貿易が活発に行われていることも踏まえ、日本企業が域内の貿易促進において果たす役割をしっかり後押しし、ASEAN市場を面で捉えて成長を促すことで、その活力を日本経済に取り組んでいくことが重要です。ASEAN地域においては、日本企業のニーズも踏まえ、主にこうした観点から、経済広域担当官による日本企業支援を進めていく考えです。
経済広域担当官につきましては、今後も対象地域を順次拡大し、年内にはグローバル・サウスを包括的にカバーする体制を構築する予定です。より多くの企業に、経済広域担当官による支援をご活用いただければと思います。
(3)日米「2+2」等の開催
【上川外務大臣】続きまして3点目です。
7月28日から29日まで、米国のブリンケン国務長官が来日し、28日には、私(上川大臣)は、ブリンケン長官との間で、日米外相会談を行う予定です。
また、オースティン米国防長官も同時期に来日し、7月28日に、日米安全保障協議委員会、日米「2+2」、及び拡大抑止に関する日米閣僚会合を開催する予定です。
日本をめぐる安全保障環境が厳しさを増す中、日米同盟の重要性は一層高まっており、本年4月、私(上川大臣)も同行した岸田総理大臣の米国公式訪問での安全保障分野における成果も踏まえ、両長官を日本にお迎えし、更に議論を深める貴重な機会となります。
私(上川大臣)は、就任以来、日米「2+2」への初めての参加となりますが、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた今後の協力、日米同盟の抑止力・対処力の強化や、地域における安全保障・防衛協力の方向性などにつきまして、両長官と率直な議論を行いたいと考えております。
(4)日米豪印外相会合の開催
【上川外務大臣】4件目であります。
7月29日、東京で、米国のブリンケン国務長官、豪州のウォン外務大臣、インドのジャイシャンカル外務大臣とともに、日米豪印外相会合を開催します。今回は、私(上川大臣)が、議長を務めます。日米での日本での日米豪印外相会合は、2020年(令和4年)10月以来、2回目になります。
日米豪印は、基本的価値を共有する4か国で連携し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、海洋、女性・平和・安全保障(WPS)、重要・新興技術、サイバー、人道支援・災害救援、偽情報といった幅広い分野で、具体的な協力を進めていく取組です。
昨年9月のニューヨークでの前回会合に続き、今回の会合におきましても、外相間で戦略的かつ率直な意見交換を行います。今回の会合を通じ、地域の国々に真に裨益する協力への4か国の力強いコミットメントを、東京から世界に示したいと思います。
(5)中央アジア5か国駐日大使による大臣表敬
【上川外務大臣】最後5件目であります。
本23日、私(上川大臣)は、国内で取り組むアウトリーチ型の外交活動の一環として、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、及びトルクメニスタンの在京大使による表敬を受ける予定です。
我が国は、2004年(平成16年)、他国に先駆け、「中央アジア+日本」対話を立ち上げました。本年、この対話は、20周年の節目を迎えましたが、中露やイラン・アフガニスタンに囲まれた中央アジアの地政学的重要性は、近年ますます高まっています。また、石油・天然ガス・ウラン等のエネルギー・鉱物資源を有し、高い成長と人口増を続ける市場を有しています。
こうした中、諸般の事情が許せば、来月、岸田総理がカザフスタンを訪問し、初めてとなる首脳会合を行います。同会合において、良い成果が挙げられるよう、私(上川大臣)としても、本日の表敬の機会を捉え、各国大使との間で、首脳会合に向けた連携を確認していきたいと考えております。
私(上川大臣)からは、以上5点です。
日中外相会談の調整状況
【NHK 五十嵐記者】日中関係の関係で伺います。今週ラオスで開かれるASEAN外相会合に合わせて、大臣と中国の王毅(おう・き)外相による、日中外相会談が開かれると一部で報じられていますが、これの調整状況について伺います。また、会談の意義について、どう考えているのか、大臣のお考えも併せて伺います。
【上川外務大臣】ASEANの、この関連の外相会議の際の、日中外相会談については、何ら決まっておりません。
その上で申し上げれば、中国との間におきましては、「戦略的互恵関係」を包括的に推進するとともに、「建設的かつ安定的な日中関係」の構築を、双方の努力で進めていくというのが、岸田政権の一貫した方針でありまして、引き続き、様々なレベルで意思疎通を行っていくところであります。
いずれにいたしましても、今般の外相会議の機会に、様々な参加国との間におきまして、会談を実施する方向で調整中でございます。
日米拡大抑止協議
【読売新聞 上村記者】冒頭、御発言のあった、日米の閣僚級の拡大抑止協議について、お伺いします。現下の中国、ロシア、北朝鮮の情勢を踏まえて、この拡大抑止協議を閣僚級で行うことの意義を改めてお聞かせください。
また、拡大抑止に関して、日米で共同文書を取りまとめる必要性についても、お考えをお聞かせください。
併せて、もう一点、関連でお伺いしますが、極東地域の核の脅威に関しては、INFの全廃条約のときに、中曽根総理がレーガン大統領との間で、非常に大きな役割を果たしたという経緯があります。この地域の核の均衡なり管理なりに、日本が果たす役割を、どのようにお考えかお聞かせください。
【上川外務大臣】先ほど御紹介いたしました、拡大抑止に関する日米閣僚会合におきましては、これは、本年4月の日米首脳会談を踏まえまして、閣僚間で拡大抑止に関する突っ込んだ議論を実施するものであります。
我が国周辺を含めまして、安全保障環境が一層厳しさを増す中におきまして、この米国の拡大抑止を、引き続き、強化するための二国間の協力につきまして、従来からの日米拡大抑止協議に加えて、閣僚間で議論するということは、極めて有意義であると考えております。
また、2点目の御質問でありますが、インド太平洋地域における、軍備管理という観点におきまして、我が国といたしましては、従来から、関係国をしっかりと巻き込んだ形での取組が重要であると考えておりまして、引き続き、唯一の同盟国であります米国との信頼関係を基礎としつつ、現実的かつ実践的な取組を進めていくとともに、関係国を巻き込む形で軍備管理・軍縮に係る取組を進めてまいりたいと考えております。
米大統領選をめぐる動き(安全保障への影響)
【時事通信 村上記者】米国の大統領選の関係でお伺いします。バイデン大統領が大統領選からの撤退を表明しました。バイデン大統領の撤退表明を受けて、政権のレイムダック化への懸念の声も上がっています。先ほど、発表の、大臣、発表になりました、日米「2+2」であったり、拡大抑止の議論、あとは、インド太平洋地域の安全保障への影響について、どういった影響が見込まれるかという、大臣のご認識をお伺いします。
【上川外務大臣】この日米同盟でありますが、これは、我が国の外交・安全保障政策の基軸であります。平素から、日米政府間のあらゆるレベルで、緊密な意思疎通を行ってきているところであります。
7月28日に開催いたします、次回の日米「2+2」においては、これは、本年4月の岸田総理の米国の公式訪問におきます安全保障・防衛協力分野における成果、これを踏まえつつ、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた今後の協力、日米同盟の抑止力・対処力の強化や、地域における安全保障・防衛協力の方向性などにつきまして、協議をする予定でございます。
この日米「2+2」の結果等も踏まえまして、今後とも、米政府との間におきまして、緊密な意思疎通を継続していく考えでございます。
その上で、この米国の内政動向につきましては、これは、インド太平洋地域の安全保障環境への影響を含めまして、常日頃から高い関心を持っておりまして、引き続き、しっかりと注視してまいりたいと考えております。
米軍人等による性犯罪事案の情報共有・再発防止策
【共同通信 西山記者】米軍関係者による犯罪の情報共有について伺います。政府は、沖縄では、米軍関係者による性犯罪事件は、捜査機関が非公表とした場合でも、例外なく県に伝達することに改めたと思います。沖縄以外での都道府県については、どのように共有するのでしょうか。沖縄との違いなどを踏まえて、御説明よろしくお願いします。また、昨日、在日米軍司令部が、再発防止策を発表した中で、日本政府と連携して、新しいフォーラムを創設するとありますが、具体的に何をするのでしょうか。沖縄県が開催を求めていた、CWTとの違いは何なのか、ご説明よろしくお願いします。
【上川外務大臣】まず、米軍人の犯罪情報の共有ということでのご質問でございますが、これは、7月5日に、林官房長官が発表いたしました、米軍人等による性犯罪事案に係る国内情報共有体制の新たな運用、これにつきましては、特に全国の約70%の在日米軍専用施設・区域が集中している沖縄において、米軍人等による犯罪予防の観点から、迅速に対応を検討する必要があることに留意して、運用を開始したものでございます。
沖縄県以外の都道府県につきましては、同運用の対象となる事案が発生した際に、被害者のプライバシーや捜査への影響等を踏まえた、情報の共有範囲に係る捜査当局の判断、これを踏まえつつ、関係都道府県と、個別に相談することとなると考えております。
また、再発防止策に係る御質問でございますが、米軍人等による性犯罪事案を受けまして、米側は、7月11日のエマニュエル大使及びターナー第三海兵軍司令官連名によります寄稿、19日の第三海兵遠征軍による報道発表に続く、22日のラップ在日米軍司令官による報道発表によりまして、まず、米軍施設出入りの際の飲酒運転検問の強化、第二に、米憲兵隊によるパトロール強化、第三に、研修・教育の強化、更に第四として、リバティ制度の見直しを含む、一連の再発防止策を発表をしました。
今般、これらに加えまして、米側から、「在日米軍、日本政府、沖縄県庁、及び地元住民との協力のための新しいフォーラムの創設」が盛り込まれたことは、再発防止に対する、米側の真剣な姿勢の表れだと受け止めております。昨日、玉城知事も「在日米軍が創設を提案したことは、事件の再発防止に真摯に取り組んでいることの表れ」とのコメントを発表したものと承知しております。
今般、米側から発表のありました新しいフォーラム、具体的なメンバーや議題等につきましては、現時点では決まっているところではございませんが、米軍人等による事件・事故の防止を含めた、日米の共通の目標を実現すべく、地元との建設的な議論が行われるよう、日本政府としても全面的に協力してまいる所存でございます。
こうした動きの中で、重要なことと考えておりますのは、今回の米側によります措置が、確実に実行され、そして、再発防止にしっかりと繋がることであると考えております。
今月末に予定しております、日米「2+2」の機会も含めまして、着実に実施されるよう、米側にも働きかけしてまいりたいと考えております。
北方領土問題(「洋上慰霊」、大臣の視察)
【北海道新聞 今井記者】北方領土の関係で伺います。今月上旬に、北海道の鈴木知事が、衆院沖北との懇談の際に、8月上旬から行われる北方領土周辺の会場で、船の上から、元島民が先祖を供養する「洋上慰霊」について、上川大臣も参加して、元島民から話を聞いてほしいと、こういった発言がありました。大臣は、外務大臣就任後、北方領土周辺地域に、まだ一度も訪れてはいないと思うんですけど、こういう知事から要望がありました、洋上慰霊の参加や、北方領土周辺地域訪問を行う考えはありますでしょうか。
【上川外務大臣】本年5月の、鈴木北海道知事、また、松本理事長を始めとする関係者の方々によります、総理要請が行われたところでありまして、私(上川大臣)も同席をさせていただきました。
この際、関係者の方々から、北方墓参の実施の見通しが立たない間は、「洋上慰霊」が円滑に実施できるよう支援してほしいと、こうした要請がございました。岸田総理から、「洋上慰霊」につきましても、政府として、しっかりと取り組んでいきたい旨の発言がございました。
外務省といたしましても、関係機関と密接に連携をしながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
その上で、私(上川大臣)の「洋上慰霊」への参加、また、北方領土隣接地域への出張についてのご質問でございますが、今後の外交日程なども踏まえまして、適切に検討してまいりたいと考えております。
日米拡大抑止協議、在沖縄米兵による事件
【朝日新聞 松山記者】2点お伺いします。先ほど読売新聞さんからも質問のあった、拡大抑止の閣僚級会合についてなんですけれども、週末、一部報道でもありました、年内策定を目指している共同文書について、こちらの調整状況を教えてください。また、今回の閣僚級会合で、何か共同声明などを発出されるご予定はあるかも教えてください。あと、2点目なんですけれども、米兵事件に絡んで、先ほどの再発防止策について、お話がありました。昨日発表のあった、フォーラムの設置までが外務省が把握されている米側の対応として全てという認識でいらっしゃるのか、また、この一連の再発防止策で、上川大臣として、これまで性犯罪の根絶を掲げてこられましたけれども、十分だと思われるか、ご見解をお願いいたします。
【上川外務大臣】まず、第1点目の御質問ということでございますが、日米の間におきましては、事務レベルでの日米拡大抑止協議の場を含めまして、同盟の抑止政策に関する様々な事項につきまして、日頃から、緊密かつ幅広く意見交換を行っているところであります。
我が国の安全保障に関わる事柄であるということ、また、米側との関係もございまして、これ以上の詳細については、お答えすることについて、お控えさせていただきたいと思っております。
それから、今般の沖縄の事案のことでございますが、米兵によります性犯罪が相次いでいるということにつきましては、極めて深刻に受け止めているところであります。被害に遭われた方々のことを思うと、胸が痛む思いでいっぱいでございます。
私(上川大臣)は、「女性・平和・安全保障」いわゆるWPSも推進しているところでございますが、こうした事態が続くということについては、個人的には耐、えがたく感じているところであります。
今、様々なレベルで、様々な取組を積極的に調整しながら行ってきていると認識しているところでありますが、特に、米側に対しましては、在日米軍の綱紀粛正と、再発防止のための具体的かつ実効的な措置を講じるよう求めてきているところであります。こうしたまとめに対して、しっかりと対応を随時発表していただいているところでありますが、何といっても、この措置が、実際に効果を上げていくということが、極めて大事であるということは、先ほど申し上げたとおりであります。そうした視点から、あらゆる措置につきまして、また、改善の試みにつきましては、対話のフォーラムも含めまして、しっかりとこれを構築をし、そして、こうした事案が2度と起こらない状況を、環境を作っていくために、最大限の努力してまいりたいと考えております。
イスラエルによるイエメンへの攻撃
【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
イスラエルによる民間施設、特にイエメンのホデイダにある発電所に対する攻撃について、日本の立場はどのようなものでしょうか。日本はこれを支持するのでしょうか。
【上川外務大臣】イスラエル政府の発表によりますと、現地時間の7月19日、テルアビブを標的といたしました、イエメンのホーシー派によるドローンによる攻撃が行われ、複数の死傷者が発生したと承知しております。これを受け、現地時間翌日の20日でありますが、イスラエル軍は、軍事目的で使用されているとして、イエメンのボデイダ港等を空爆したと承知しております。
日本政府としては、今般のホーシー派による攻撃を非難いたします。また、現在の中東情勢を深く懸念しておりまして、事態の更なるエスカレーション、これが無いよう求めております。
引き続き、中東情勢の、この緊張緩和、また、情勢の安定化に向けまして、外交努力を粘り強く積極的に行ってまいりたいと考えております。
「佐渡島の金山」の世界遺産登録
【東亜日報 李記者】佐渡金山についてお伺いしたいと思います。今週末26日から、ユネスコの世界遺産委員会で、佐渡金山の世界遺産登録に向けて、会議がちょっとありますが、これに関連して、日韓両政府間の協議が、今ちょっと行われているとされています。イコモスは、「全体の歴史を現場レベルで包括的に説明・展示し、戦略(を策定せよ)」と注文しましたが、これに対する日本の立場を教えてください。また、会議の前にも、日韓両政府間の協議がまとめるかどうか教えてください。
【上川外務大臣】御指摘のイコモスによる勧告についてでありますが、政府といたしましては、これを真摯に受け止め、地元自治体とも緊密に連携をしつつ、現在行われている世界遺産委員会における「佐渡島(さど)の金山」の登録実現に向けまして、何が最も効果的かという観点から、総合的に検討を行い、政府一丸となって対応していく考えでおります。
我が国は、「佐渡島の金山」の世界遺産登録実現に向けまして、韓国との間におきまして、誠実に議論を行ってきているところでございます。
韓国との対話につきましては、外交上のやり取りでございまして、詳細につきましては差し控えさせていただきますが、引き続き、誠実かつ丁寧な議論を行ってまいりたいと考えております。
日中戦略対話、中国側の上川外務大臣表敬
【時事通信 村上記者】日中関係についてお伺いします。来日中の、中国の馬朝旭(ば・ちょうきょく)外交部副部長は、岡野外務次官と昨日、4年半ぶりとなる日中戦略対話を開催し、本日午前中にも、上川大臣を表敬訪問しました。馬朝旭副部長との間で、日中関係について、どのような議論が交わされたのでしょうか。また、ALPS処理水や邦人拘束などの、日中間の諸懸案について、議論もされたのかについて、併せてお伺いします。
【上川外務大臣】22日、東京におきまして、岡野外務次官と馬朝旭中国外交部副部長との間におきまして、日中戦略対話を開催いたしました。
双方は、2020年(令和2年)1月以来となります。同対話の開催を歓迎するとともに、「戦略的互恵関係」の包括的な推進及び「建設的かつ安定的な日中関係」の構築を、双方の努力で推進していくということを改めて確認をし、これに基づき、中長期的な観点に立ちまして、日中二国間関係、及び地域・国際情勢等につきまして、忌憚のない意見交換を行ったところでございます。
また、本日23日でありますが、私(上川大臣)は、馬副部長による表敬を受けたところでございます。
表敬におきましては、私(上川大臣)から、副部長の訪日と、昨日の22日に、約4年ぶりに日中戦略対話が開催されたということを歓迎するとともに、「戦略的互恵関係」の包括的な推進と「建設的かつ安定的な関係」の構築に向けて、様々なテーマについて意見交換を行い、今後も幅広い分野で、重層的対話が深められることを期待する、そうした発言を述べたところであります。