記者会見

小林外務報道官会見記録

(令和6年5月8日(水曜日)15時48分 於:本省会見室)

日中韓サミット

【毎日新聞 小田中記者】日中韓サミットについてお伺いします。一部というよりか、大方の報道等で、日中韓サミットについて、26、27日を軸に、ソウルで開催する方向で調整していると、各種報道があります。現在の3か国での調整状況について、まずお伺いします。
 あと、もう一点、これに関連してですが、もし開催されれば、4年半ぶりの開催になりますが、開催間隔が空いている中で、中国の国際的な立場であったりとか、あるいは、その日中韓サミット自体の有意義についても変化があると思います。今日的な、その日中韓サミットの意義について、日本政府として、どのように考えているのかをお伺いします。

【小林外務報道官】まず、日中韓サミットの開催日程ですが、現時点では何ら決まっていない状況です。他方で、昨年の11月に、日中韓外相会合が行われた際に、なるべく早期で、適切な時期に、サミットを開催すると、その方向に向けて作業を加速させるということで一致しています。
 外交上のやり取りについて詳細を述べることは差し控えますが、我が国として、引き続き、議長国の韓国の取組を支持しながら、サミットの早期開催に向けて、3か国で調整を行っていきたいと思っています。
 それから、4年半ぶりに行われるサミットの意義について、御質問がありました。
 元々、日中韓サミットは、2008年に初回会合をして以来、金融危機への対応ですとか、環境・気候変動、防災、人的交流など、その時々の様々な課題について、3か国で率直に意見交換を行う場として機能してきました。
 前回の開催後、新型コロナウイルスを始めとした地域や国際的な環境が大きく変化してきている中で、地域の平和と繁栄に大きな責任を有する、日中韓の三首脳が一堂に会して、今日的な課題に照らしながら、日中韓の協力の方向性や、具体的な協力の在り方、それから、地域の諸課題等について議論することは、日中韓3か国のみならず、地域全体にとって重要であると考えています。

中仏首脳会談と五輪休戦

【共同通信 林記者】フランスのマクロン大統領と、中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席の会談が行われました。双方、公正な貿易等々では、溝があった一方で、夏のパリ五輪を契機とした五輪休戦については一致したという状況になっています。会談全体への受け止めと、日本は、前回の夏季五輪の開催国でもありますけれども、その五輪の休戦という、この動きについては、どのように受け止められていますでしょうか。よろしくお願いします。

【小林外務報道官】まず、5月5日から7日にかけ、習近平・国家主席が、フランスを訪問し、仏中首脳会談は仏中EU首脳会談が実施されました。その中で、共同記者発表等において、昨年11月の国連総会において賛成多数で採択された「オリンピック停戦」決議に関連した言及があったと承知しています。
 まず、仏中首脳会談全般の受け止めということですが、御指摘になられた点も含め、第三国間の関係に関して、一つ一つ論評することは避けたいと思います。日仏両国は、価値や原則を共有する特別なパートナーでございまして、中国との関係を含めました様々な課題に対し、平素から緊密に意思疎通を行っています。
 つい先般も、5月2日に、総理がマクロン大統領と首脳昼食会を実施しまして、その際にも、中国を含むインド太平洋情勢について、意見交換をしたところです。
 今後も、様々な機会を捉え、認識のすり合わせしてまいりますけれども、中国に関しては、大国としての責任を果たしていくよう、フランスも含めまして、様々な諸国と働きかけをしていくという方針です。
 それから、もう一つご指摘のありました、オリンピック休戦決議そのものについてですが、いわゆるオリンピック休戦決議に関しては、繰り返しになりますが、昨年11月に、国連総会で賛成多数で採択されています。我が国も、共同提案国として、これを支持しておりまして、パリのオリンピック・パラリンピック競技大会が、平和の祭典として開催されることを期待しています。

プーチン・ロシア大統領の就任式

【毎日記者 小田中記者】ロシアの関係で、7日に、プーチン大統領の通算5期目の就任式ありましたが、昨日、官房長官会見で、日本側に対して、直前に招待があったんだけれども、式典の方には、参加を見合わせたというお話ありました。この参加しなかった理由についてお伺いします。欧米諸国の中では、大統領選自体の正当性について、疑義を示している意見もあるわけですが、日本政府として、大統領選の正当性について、どのような見解を持っているのか、この見解、もしありましたらお伺いできますでしょうか。

【小林外務報道官】まず、就任式への出席を見送った件に関してですが、5月7日に行われた就任式に関しては、我が方の対応ぶりは、ロシアによるウクライナ侵略、それから、各国の動向等を総合的に考慮した上で決定したものです。この大統領就任式の欠席が、日本の対露外交の基本方針に影響を及ぼすものではありません。
 それから、大統領選挙に関する評価ですが、まず、これは、官房長官記者会見等でも当時述べていますけれども、ロシア国内において実施された大統領選挙について評価することは差し控えます。その上で、これまでの大臣談話、それから官房長官会見でも申しておりますけれども、ロシアが違法に「併合」したウクライナ国内の地域でのいわゆる「選挙」につきましては、ウクライナの主権と領土一体性を侵害するものであって、断じて認められない、ということを申し上げているとおりです。
 我が国としては、今後とも、この選挙、就任を受けた、今後のロシアをめぐる情勢については、引き続き、関心をもって注視してまいりたいと思っております。

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