記者会見

岩屋外務大臣会見記録

(令和7年4月15日(火曜日)17時00分 於:本省会見室)

(動画)岩屋外務大臣会見の様子

冒頭発言

ジャーベルUAE産業・先端技術大臣兼日本担当特使の訪日

【岩屋外務大臣】いよいよ大阪・関西万博が始まりました。私(岩屋大臣)自身も、11日に、万博に参加するために訪日をされたルクセンブルクの外務大臣との会談を皮切りに、昨日14日には、ホンジュラス及びコロンビアの外務大臣と会談を行いました。
 そして、この後、本日夕刻には、アラブ首長国連邦(UAE)のジャーベル産業・先端技術大臣、兼ねて日本担当特使と、第2回目の包括的・戦略的パートナーシップ・イニシアティブ閣僚級会合を実施する予定であります。
 この会合では、政治、経済、再生可能エネルギーを含むエネルギー分野、宇宙、先端技術、教育などの幅広い分野での二国間協力を確認して、大阪・関西万博も通じて、両国間系を一層強化していくことを確認をする予定です。
 冒頭、私(岩屋大臣)からは以上です。

アーミテージ元米国務副長官の逝去

【時事通信 千葉記者】米国のアーミテージ元国務副長官がお亡くなりになられました。大臣も、1月にお会いされていたかと思いますが、受け止めを教えてください。

【岩屋外務大臣】今、言われたように、1月にお目にかかったばかりですので、大変驚きました。アーミテージ元国務副長官の御逝去の報に接しまして、深い悲しみに包まれております。先ほど、私(岩屋大臣)からも弔辞を発出させていただいたところです。
 アーミテージ元長官は、対日政策に深い知見をお持ちであって、長きにわたって日米同盟の強化に尽力していただきました。また、米国において、党派を超えた対日理解の促進にも、多大な御貢献をいただきました。
 これまで、私(岩屋大臣)も、何度もアーミテージ元副長官とお目にかかっておりますが、様々な意見交換を、その都度させていただいてきたところでございます。突然の御逝去の方に報に大変驚いています。1月にお目にかかったときは、車椅子という状態ではありましたが、大変お元気でいらしたので、それだけに、残念でなりません。
 国務副長官を始めとする様々な政府の要職や、その後の活動を通じまして、アーミテージ元副長官が、日本と緊密に連携して、対日外交の推進に取り組んでいただいたことは、今日の強固な日米同盟に大きく寄与していただいている、貢献していただいていると考えております。
 御生前の御活躍に、改めて深甚なる敬意を表しますとともに、謹んで哀悼の意を表し、また、御遺族の皆様に対して、心からお悔やみを申し上げたいと思います。

万博外交

【読売新聞 上村記者】冒頭発言に関してなんですけれども、先週のこの場でも出たのですが、実際万博が開会して、それに関連した外交日程が入ってきて、今のところ、この万博外交の手応えというのをどのようにお感じかということ、併せて、首脳や外相間の会談の御予定で、今、見通しは、どのようになっているかお聞かせ願います。

【岩屋外務大臣】さきの12日の開会式の前後には、複数の国から、閣僚クラスを派遣していただいております。冒頭申し上げたとおりに、このうち、ルクセンブルクのベッテル副首相兼外務大臣、ホンジュラスのレイナ外務大臣、そして、コロンビアのサラビア外務大臣とは、それぞれ有意義な会談を行うことができました。冒頭申し上げたように、このあと、UAEのジャーベル大臣とも会談予定でございますが、まだ万博外交という意味では、始まったばかりでございますので、これから180日の長きにわたって続いていきますが、できるだけこの機会を通じて、たくさんのカウンターパートの方々にもお目にかかりたいというふうに考えております。
 また、石破総理も、万博最初のナショナルデーに出席するため訪日中のトルクメニスタンのベルディムハメドフ大統領と、本日、充実した会談を行ったと承知しております。
 今後も、ナショナルデーが、ほぼ毎日予定されておりますので、各国から要人が訪日する見込みでございます。明日は、トンガのトゥポウトア・ウルカララ皇太子殿下、兼ねて外相兼国防相と、また明後日には、グレナダのアンドール外務大臣と会談を予定しております。
 それ以降の予定は、今、調整中でございますが、今後も、訪日される各国のカウンターパートと積極的に会談を行って、各国との協力・連携の関係を強化していきたいと考えております。

海上自衛隊艦艇のカンボジア(リアム海軍基地)への寄港

【NHK 米津記者】中谷防衛大臣が、今月19日から海上自衛隊の艦艇がカンボジアにあるリアム海軍基地に寄港すると発表しました。この基地をめぐっては、中国の支援を受けた拡張工事が完了して、中国による軍事利用が懸念される、そのような声もあります。今回、日本の艦艇が寄港するということの意義、受け止めと、地域情勢における意味合い、意義というのが、どのようなものなのかお伺いしたいと思います。

【岩屋外務大臣】海上自衛隊の艦艇が、4月19日から22日までの間、カンボジア王国のリアム海軍基地への寄港を予定しております。
 カンボジアは、日本にとって「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を実現していくための重要なパートナーです。この考え方に、ASEAN諸国の中では最初にカンボジアが支持を表明してくれたということもあります。今回の寄港は、日本とカンボジアの間の信頼関係の下で、FOIPを実現していく一環として、実施されるものだと承知しています。
 そして、カンボジアは、御指摘のリアム海軍基地を全ての国に開かれたものにしたいということを繰り返し述べてきていると承知しています。今回の海上自衛隊艦艇の寄港が、カンボジア側も述べておられるように、この基地が、世界に向けて開かれた基地になると、その一助となるということを期待しているところでございます。

米国の関税措置

【共同通信 阪口記者】米国のトランプ政権による関税措置について伺います。石破総理、10日に英国のスターマー首相と、昨日はシンガポールのウォン首相とそれぞれ電話会談されて、いずれもトランプ政権の関税措置についてが話題になったとされていまけれども、米国の関税措置に対して、多国間で連携して対応することの重要性をどのようにお考えになっているのか。赤沢大臣の訪米も近いので、ちょっとその辺を伺えればと思います。今後も共通の課題を抱える国々と連携を図る考えなのかも併せてお尋ねできれと思います。よろしくお願いします。

【岩屋外務大臣】「連携」という言葉をどう考えるかということにもよると思います。
 一連の米国政府による、関税措置、貿易制限措置と言ってもいいと思いますが、これは、日米両国の経済関係のみならず、ひいては世界経済、それから多角的貿易体制全体等に大きな影響を及ぼすものだと思います。
 我が国としては、総理の指示を踏まえまして、一連の関税措置の内容を精査して、その影響を十分に分析して、引き続き、関係府省が緊密に連携・協力して、米国政府に対して、措置の見直しを強く求めるなどの取組を進めてまいります。
 近々、交渉担当の赤沢大臣も渡米されることになると承知しております。
 その際、今言われた同志国、友好国と意思疎通を行うことは、極めて重要だと考えております。そうした考えから、石破総理も、先週、スターマー英国首相、また、ウォン・シンガポール共和国首相との間で、それぞれ電話会談を行われたものと思います。米国の今般の関税措置が、世界経済や貿易体制に、どういう影響を与えるかということを踏まえて、幅広い観点から議論を行われたと承知しております。
 引き続き、何が日本の国益に資するのか、あらゆる選択肢の中で、何が最も効果的なのかということを考えながら、この課題に取り組んでいきたいと考えております。

普天間飛行場の建設

【テレビ朝日 飯田記者】普天間飛行場代替施設建設についてお伺いします。2020年に、米国のシンクタンクCSISが、代替施設の建設に疑問を投げかける報告書を発表した際、駐米日本大使館等日本政府側から接触があり、「必要なだけ時間を費やし、基地建設のためにどんな高額でも支払う」 「基地を建設するためには、いくらでも資金を投入するつもりだ」などと、反論があったことが明らかになりました。シンクタンク側への接触の経緯等、事実関係について伺います。

【岩屋外務大臣】御指摘の報道は承知を押しております。米国のシンクタンク、様々ございますが、シンクタンクの関係者とは、平素から様々なやり取りを行っておりますが、政府として、報道の逐一についてお答えすることは差し控えたいと思います。
 このシンクタンクの方は、「辺野古への移設は難しいのではないか」ということを当初言われていたんだと思いますが、それはそうではありませんよ、という説明を、我が方からしたということだろうと思っております。
 普天間飛行場というのは、言うまでもなく、世界で一番危険だと言われている、市街地のど真ん中にある基地でございますから、したがって、一日も早く、この全面返還を実現をすべきだという考え方から、現在の辺野古移設の工事を進めているわけでございまして、基地負担の軽減を図るためにも、引き続き、米国と緊密に連携して作業を進めてまいりたいと考えております。

アーミテージ元米国務副長官の逝去

【読売新聞 上村記者】アーミテージさんの関係で、ちょっと追加でお伺いしたいんですが、1月に会われた際に、車椅子ながらお元気そうだったという先ほどお話でしたけれども、もう少し、どのようなやり取りであったとか、雰囲気だったとかというのを可能な限りお聞かせ願えればと思います。結構まとまった時間、お会いになってたように記憶しておりますので。お願いします。

【岩屋外務大臣】外交上のやり取りとまでは言いませんが、詳しく中身をお話しすることは控えたいと思いますけれども、私(岩屋大臣)も何度も何度もお会いしてきましたし、防衛大臣のときも、お目にかかって、いろいろな話をさせていただいていましたし、したがって、昔話もいたしましたし、米国で新政権、トランプ第二次政権と言っていいんでしょうか、誕生をしたばかりでもございましたので、というか直前でもありましたので、これからの日米同盟、日米関係について、いろいろご示唆もいただきながら、幅広くお話をさせていただいたということでございます。

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