記者会見
上川外務大臣臨時会見記録
(令和6年9月5日(木曜日)16時52分 於:オーストラリア(クイーンズクリフ))
冒頭発言
(大臣)本日の日豪「2+2」の成果については、別途発表いたしますので、この場におきましては、今般の訪豪に関します、私の所感を中心に申し述べたいと思います。 今回の日豪「2+2」では、米国に次ぐ安全保障協力関係にあります、豪州との間におきまして、具体的協力を更に深化、拡大することを確認することができました。私は7月には米国及フィリピンと、先月にはインドとの間におきまして、同じく「2+2」を実施いたしました。こうした取組はひとえに国際環境が非常に複雑化する中におきまして、重層的な同盟国・同志国との連携の推進が必要との考えに基づくものであります。
本日の日豪「2+2」では米国を加えた日豪米協力や、また地域の他の同志国との連携の推進など、まさに「同志国連携の中核」と呼ぶにふさわしい日豪連携のあり方につきまして、戦略的な観点から突っ込んだ議論を行うことができました。 このように今回の訪問は、オーストラリアという特別な戦略的パートナーの重要性を改めて確認できたことで、重層的な同盟国・同志国連携を一層実効的かつ具体的なものに仕上げる、そしてそういうことを通して連携の強化を図っていく、こうした訪問であったというふうに考えております。
また本日の協議でありますが、日豪が地域の平和と安定に向けまして、幅広いパートナーへの関与におきましても、連携して取り組むということを確認したところであります。私自身、これまで「法の支配」という理念を大切にしながら、東南アジア諸国への訪問、また太平洋島サミット(PALM)及びTICADプロセスなどを通しまして、グローバル・サウスと呼ばれる国々を含む幅広いパートナーとの間におきまして、具体的な協力を推進してまいりました。こうした取り組みから得た経験や知見を豪側とも共有しながら、日豪が今後、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けまして、先導的役割を果たしていくための具体的な方向性について議論を深め、また様々な点につきまして、その具体的な方向性という形で、一致をすることができたと思っております。
今回の訪問の大きな成果として、確かな手応えを感じながら取り組んでまいりました。今後は今回の協議を通しまして、日豪で確認をいたしました数多くの取組、これを実行に移しつつ、両国間の安全保障協力を新たな次元に引き上げる取り組みを不断に続けてまいりたいと考えております。
なお、この後でありますが、ウォン外相とのワーキング・ディナーを行います。両外相間で二国間関係、また中東、ウクライナ、こうした国際情勢につきましても一層認識を共有し、そして両国間の連携を図ってまいりたいと考えております。
質疑
(記者)冒頭と少し重なるんですが、今回のオーストラリア訪問も大事な日豪「2+2」をこなされて、この後の外相会談が控えてますが、率直に訪問意義はどのようにお考えでしょうか。
また政務の関係で伺います。自民党総裁選挙の告示が1週間後に迫っていますが、推薦人の確保状況について伺います。また、大事な時期に日本空けていて焦りは感じていますか。さらにオーストラリア滞在中も議員への電話かけをされたのかもあわせて伺います。
(大臣)今申し上げたとおり、我が国を取り巻く安全保障環境は大変厳しさを増している中、まさに同盟国・同志国との重層的な安全保障協力強化、こういうことは待ったなしであると認識をしております。先ほど申し上げたところでありますが。これにつきましては、私自身、外務大臣として、一貫してこういう姿勢で取り組んでまいりました。
その上でオーストラリアでありますが、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)実現のために緊密に連携を深める「特別な戦略的パートナー」であります。オーストラリアとの協力強化は、日本の安全保障にとりましても極めて重要であるということを、こうして回を重ねる度に、改めて実感し、また施策の推進のために最大限の努力をしてまいる、そうした考えであります。
この点、「2+2」で得た成果でありますが、これは日豪の協力を更なる高みに引き上げていく重要な基盤となるものというふうに認識をしておりまして、私は高く評価をしているところであります。
この後の外相会談におきましても、今回ウォン外相との間で、二国間関係、さらに国際的な問題、中東やウクライナ情勢等も含め、幅広い観点から議論を深めてまいりたいと思ってるところであります。
私は今、一意専心の思いで外務大臣としての務めを果たしているところでありまして、この後もウォン外相とのワーキング・ディナーということで、それに集中して行っているところであります。
この間、私も日本の中でありましたけれど、様々な方々を訪問させていただき、自分の思いを伝えてきたところでありますが、今はもう離れておりますので、出立した時から切り替えてしっかりと専心していると、こういう状況であります。
(記者)重ねて総裁選の関連で恐縮なんですけれども、大臣は自民党総裁選への立候補の意欲を示されてから、本日の日豪「2+2」をはじめ、日インドの「2+2」、TICAD閣僚会合など重要な外交日程もこなされてこられました。
今後9月の下旬には、国連総会がニューヨークで控えてありまして、そのときにG7外相会合ですとか、G20外相会合といった重要な外交日程も見込まれる中ではありますけれども、総裁選へのご準備と、大臣としての公務への集中とどのようにバランスを取りながら、臨まれるお考えがあるのか伺います。
(大臣)今のご質問でございますが、私自身は外務大臣として職務に専心している中ということでありますので、今回の会談も含めまして、集中して向き合っているという状況をご理解いただきたいと思います。
ご指摘いただいた通り、この間2ヶ月の間に「2+2」は4か国と重ねてまいりました。またTICAD閣僚会合でありますが、その折には33か国の外相とバイ会談を重ねさせていただきました。どの国も、真剣勝負で向き合ってきているところでありますので、私も日本の外務大臣として、このことをしっかり背負って動かせていただいてまいりました。外交につきましては、その意味で、手を抜くことなく、しっかりと取り組んでいきたいというふうに思って、今まで駆け抜けてきたところであります。これからの日程については調整ということでありますので、今決まっているところではございません。そのことを一つ申し上げたい。
(記者)総裁選の関連なんですけれども、今回の公務が終わった後のことについてお伺いします。総裁選の告示日まで日がだいぶ短くなってまいりました。大臣に帰国された後、この公務で帰国された後ですね、帰国便も含めてその後の活動というのはどのようにお考えかということをお伺いいたします。正式な出馬表明の時期やその形態についても聞かせていただければと思います。
(大臣)帰国後でありますが、公務が終わって、総裁選に向けて活動していることについてもしっかりと取り組んでまいりたいと思います。推薦人の確保が一番の課題でございまして、最終的に20名という、お1人お1人に、しっかりとそのことについて確認をしていく、その大切さ、これは私自身、極めて実感をしております。
このことを大切にしながら、直接お会いして、推薦になっていただけるかどうかいうことを改めて確認をしていく作業がございますので、その意味では、期間が短いから手を抜くということはなく、こちらも大切に一寸ずつ積み上げて参りたいと思っております。