記者会見
河野外務大臣臨時会見記録
(平成30年10月22日(月曜日)18時20分 於:本省中央玄関ホール)
冒頭発言
【河野外務大臣】今年は小渕・金大中パートナーシップ宣言20周年ということもありまして,日韓両国未来志向で両国関係を築いていくための様々なアクションを取ろうということで,両国に有識者会議,タスクフォースを立ち上げるなど,様々努力をして参りました。しかし,残念ながら先日の海上自衛隊の旗の話,あるいは今日の韓国国会議員団が竹島に上陸をするなど,とても未来志向とは思えないことが様々持ち上がってきております。今日のことにつきましては,抗議をすると同時に再発防止を強く申し入れましたが,少しこの未来志向でやっていこうよという精神とかけ離れたことが起きているのは極めて残念ですし,政府としても少し対応をどうするかということを考えていかなければいけない事態になってしまったと言わざるを得ません。今回の日本側の有識者会合の提案の中には政府間が様々問題に直面をしている時でも国民同士の交流は大事だし,様々な文化交流とか,あるいは地方自治体同士の交流とか,こうしたものは影響されるべきでないという提案がございまして,私もそれはそのとおりだと思っておりますので,両国の国民の皆さんの間の交流はこれまでどおり,あるいはこれまで以上に続けて頂き,文化交流あるいは自治体間の交流というものはしっかりと継続をして頂きたいというふうに思っております。本当に小渕,金大中といった勇気ある政治家が両国にしっかりともう一度橋を架け直すという必要があろうかと思っておりますので,今日の出来事に関しては,非常に残念に思っております。
質疑応答
【記者】韓国の上陸した国会議員の一人がですね,フェイスブックに写真を載せておりまして,訪問の目的について,日本を糾弾して,正しい歴史認識を広めるための訪問だと主張しておりますけれども,こうした主張についてどのようにお考えでしょうか。
【河野外務大臣】国会議員一人一人の行動について日本政府としてコメントするつもりはありませんが,少なくとも日韓両国政府の間でこの小渕パートナーシップ宣言20周年という節目を契機に未来志向で両国関係を築いていこうと,そうこの数か月間,お互いそういう努力をしようと言ってきたわけでありますから,残念ながらそれに,なかなかその精神にのっとっていないというのは極めて残念と言わざるを得ないと思います。
【記者】先ほどの,対応を何かしら考えなければならないという話ありましたけれども,具体的に今想定されている対応というのは何かありますか。
【河野外務大臣】今対応を検討しているところであります。
【記者】今月末にですね,日本側の有識者をソウルに派遣される予定ですけれども,タスクフォースの派遣の中止とかはありますか。
【河野外務大臣】ありません。
【記者】康京和(カン・ギョンファ)氏に大臣から直接抗議の意を伝えられるという予定とか,既に伝えられているといったことはありますか。
【河野外務大臣】抗議云々ということは,もうしっかり今日のことについては行いましたが,少しどういうことをやらなければいけないかという対応については検討したいと思います。