記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成25年4月5日(金曜日)8時31分 於:院内閣議室前)

冒頭発言

(1)我が国の対北朝鮮措置について

【岸田外務大臣】閣議で、北朝鮮籍船舶の入港禁止措置及び輸出入禁止措置の2年間延長を決定いたしました。また、安保理決議第2094号履行のための諸措置、さらには、資産凍結対象の追加等の措置を講じることといたしました。
 北朝鮮は、ミサイル発射や核実験を強行し、その後も緊張を高める言動を繰り返しております。拉致問題に関する具体的進展は一切見られず、この現状は極めて遺憾であります。北朝鮮に対し、諸懸案の解決に向けた前向きで具体的な行動を速やかにとるよう改めて求めます。

(2)平成25年度版外交青書について

【外務大臣】閣議で、平成25年版外交青書の要旨を配布いたしました。国民の皆様が、国際情勢と日本外交の動きを知る一助となり、国民全体で推進する外交への手がかりとなることを期待いたします。

(3)福島県訪問について

【外務大臣】本日夜から福島県を訪問いたしまして、福島第一原発を視察し、廃炉作業の現状や今後の課題などを自らの目で把握してきたいと考えております。また、佐藤知事と会談し、復興の現状や今後の国際協力について意見交換をいたします。
 関係者との協力関係を深め、福島県の復興と事故対応への支援などに努めていきたいと考えております。

(4)第6回NPDI外相会合及びG8外相会合への出席について

【外務大臣】諸般の事情が許せば、8日から12日まで、ハーグで第6回軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)外相会合、ロンドンでG8外相会合に出席したいと考えております。
 NPDIでは、NPT運用検討会議第2回準備委員会への貢献を念頭に、北朝鮮の核問題など多様化する核リスクへの取組などを議論する予定でおります。
 G8では、北朝鮮やシリア等の地域情勢、テロ対策等国境を越える課題への取組強化を議論する予定にしております。

北朝鮮情勢

【フジテレビ 長谷川記者】先ほどお話しのあった北朝鮮に関してですけれども、弾道ミサイルを日本海側に移動させはじめているなどの動きがあるようですが、発射の可能性についてどう見ていらっしゃるのかというのと、それに関して、数日から数週間以内に発射の可能性がという分析もあるようですが、状況は差し迫っているというようにお考えでしょうか。

【外務大臣】まず、北朝鮮については、挑発的な言動を次々と繰り返しています。また、さまざまな報道があること、これも承知しております。まず、こうした挑発的な言動を繰り返すことに対しては、極めて遺憾であると考えております。
 そして、こうした情勢につきましては、大きな関心を持ち、情報収集・分析に全力を挙げております。内容についてはインテリジェンスに関わることですので、明らかにすることは控えさせていただきたいと存じますが、情報収集に全力を上げるとともに、さまざまな事態に対応できるよう万全の体制を整えていかなければならないと認識をしています。

第6回NPDI外相会合及びG8外相会合への出席

【中国新聞 藤村記者】今回の外遊に、被爆地出身の大臣として臨む心境をお願いします。

【外務大臣】ハーグでのNPDIの外相会談、これは非核保有国による軍縮・核不拡散の取組ですが、その会議に広島出身の外務大臣として出席するということについては、私(外務大臣)自身の思いをしっかりとこうした国際会議の場でも申し上げていかなければならない、こうした強い責任を感じているところです。
 是非、今後の議論につながるような会議において活動していきたいと思っております。

【中国新聞 藤村記者】G8は。

【外務大臣】G8につきましても、言うまでもなく、この不透明な国際情勢の中でG8の外相会談の存在意義は依然大きなものがあると考えています。
 北朝鮮、イランをはじめとする地域情勢についてしっかりとした意思疎通を図り、各国の外相との間で今後の緊密な関係を築いていきたいと考えています。

米軍再編問題

【共同通信 渡辺記者】策定が進んでおります嘉手納以南の基地返還計画の中で普天間基地の返還時期を2022年度、またはその後と明記するという情報がありました。そうなる見通しになっているのでしょうか。

【外務大臣】嘉手納以南の土地の返還計画については、御案内のとおり日米首脳会談での意見の一致を見て、今、その関係者が全力をあげて計画の具体化、そして、まとめに努力をしております。そして、今、協議につきましては、大詰めを迎えていると認識をしております。ただ、今、依然、協議は進行しておりますので、具体的な内容については、まだ申し上げるわけにはいかないと存じます。
 是非、この協議、一日も早く結論を出し、そして、発表をしていきたいと考えています。
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