記者会見

茂木外務大臣会見記録

(令和2年2月14日(金曜日)11時06分 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)新型コロナウイルス感染症への対応

【茂木外務大臣】新型コロナウイルス感染症に関連しまして,第5便のチャーター機,今度の日曜日16日に派遣をしまして,月曜17日に帰国させる方向で調整が進んでおります。これまでにチャーター機4機によりまして合計763名,帰国を希望する湖北省の大半の邦人及びその家族の帰国が実現したところであります。
 今回の第5便をもって,チャーター機による帰国オペレーションにとりあえずの一区切りをつけたいと,そのように考えておりまして,現時点で湖北省に在留され,帰国を希望される方,全ての邦人の方々に御利用いただくべく最大限の努力・調整をしているところであります。

(2)茂木大臣のミュンヘン安全保障会議出席

【茂木外務大臣】今晩から,私(大臣)はドイツのミュンヘンに出張し,世界中から安全保障関係者が集います「ミュンヘン安全保障会議」に出席をいたします。18年ぶりになると思います。同会議では,「アジアにおける安全保障関係への対処」,これをテーマとするパネルディスカッションに参加をし,「自由で開かれたインド太平洋」を含む我が国の外交・安全保障政策について発信したいと考えています。また,ミュンヘン滞在中,ロシア,韓国,イラン,中国との外相会談や,日米韓外相会合を行う予定です。
 この中で,日露外相会談では,平和条約交渉を中心に,昨年末のモスクワでの日露外相会談以降の事務レベルでの協議等を踏まえて,更に議論を深める機会にできればと思っております。先ほど18年ぶりと言いましたが,今考えてみたら17年ぶりでした。

茂木大臣のミュンヘン安全保障会議出席(日中外相会談)

【NHK 山本記者】冒頭お話がありましたミュンヘンでのバイ会談なんですけれども,中国の王毅(おう・き)外相も来られるようですけれども,会談等の調整状況等,会談が実現した場合にどのようなことを話し合いたいと思われているでしょうか。

【茂木外務大臣】先ほど申し上げたように,ミュンヘン滞在中,ロシア,韓国,イラン,中国との外相会談,行う予定であるということでありまして,王毅外相とも会談を行いたいと,日程もほぼ固まってきているところであります。そこの中で,一つはやはり今の新型コロナウイルスに関する対策であったりとか,また日本としての支援等々の話ができればと思っております。さらには習近平(しゅう・きんぺい)国家主席の春の国賓としての来日,予定どおり進めたいと思っておりまして,その準備についても協議できればと思っております。

新型コロナウイルス(チャーター機第5便)

【読売新聞 阿部記者】チャーター機第5便なんですけれども,現時点で何名ぐらいの方が搭乗を希望されているか,規模感についてお聞かせください。

【茂木外務大臣】搭乗希望者の人数,日々,何回も申し上げておりますが,変動しておりまして,現在最終調整中でありますが,これまで4便,だいたい200名前後の方が乗って帰国をされたんですが,その数から比べるとだいぶ少なくなる,それを見込んでおります。ただ,チャーター機については同じ機種を使いたいと思っております。

ロシアの憲法改正案

【北海道新聞 則定記者】話題変わるんですけど,ロシアの憲法改正についてお伺いしたいと思います。プーチン大統領が昨日領土の割譲禁止を明記した条文案の検討を指示する考えを示しました。まだ実際に条文化されるかどうか見通せない状況ではありますけれども,56年宣言を基礎とした現在の日露交渉への影響をどのように見てらっしゃるのか,現状認識をお聞かせください。

【茂木外務大臣】まずですね,日露交渉につきましては,粛々といいますか,これまで両首脳間で,お互いに受け入れられる解決策を見出すべく交渉担当者の交渉を加速させる,こういう合意にしたがってラヴロフ外務大臣との間で今回も改めて交渉を進めたいと思っております。そして領土問題を解決して,平和条約を締結する,こういった方針に,我が方として変わりはないところであります。またロシアの外交,さらには内政の状況につきましては,常々注意深く見ておりますが,その一つひとつについて政府としてコメントをすると,このことは控えたい,そんなふうに考えております。

新型コロナウイルス(ウエステルダム号)

【共同通信 高尾記者】新型コロナウイルスの関連でお伺いします。香港発のクルーズ船ウエステルダム号がカンボジアに到着して,乗客の下船が始まりました。乗客乗員約2,300人のうち日本人が合わせて5人いるということですけども,現在の健康状態や今後の帰国に向けた段取りなど,現在調整把握している内容について教えてください。

【茂木外務大臣】現在シアヌークビル港に停泊中のウエステルダム号に乗船している日本人乗客が4名,そして乗員が1名の計5名の方々でありまして,すでに在カンボジア日本大使館の館員が現地入りをしまして,現地のJICA専門家と連携をして,情報収集,邦人の支援を行っているところであります。これら館員が乗船しております日本の方々と連絡を取っておりまして,いずれも5人の方,健康状態については問題ないと,そのように今聞いております。

新型コロナウイルス(チャーター機第5便)

【朝日新聞 太田記者】チャーター機派遣の話に戻るんですけれども,細かい話で恐縮ですが,先ほど大臣から時間帯の言及がありませんでしたが,これまでと同じように16日の夜に出て,17日の午前中に戻ってくるというような予定でよろしいんでしょうか。

【茂木外務大臣】確実にそうなるかは分かりませんが,おそらく出発は夜になると思います。

新型コロナウイルス(ダイヤモンド・プリンセス号)

【日本テレビ 前野記者】クルーズ船のダイヤモンド・プリンセス号についてお伺いしたいんですが。イスラエルが乗客15人について速やかに下船させるようにというような要請する声明を出していますが,そういった要請についてはどのように対応するとお考えでしょうか。

【茂木外務大臣】クルーズ船,ダイヤモンド・プリンセス号には,様々な国籍の方,乗船をされております。それらの方々に対する支援につきましては,国籍を問わず,どういった形で進めるかと,こういったことを関係省庁とも連携を取りながら進めているところでありますし,また在京の大使館に対しても,外務省が国交省,厚生労働省とも連携をして,丁寧な説明をしておりますし,また,今,乗船をされている方についても個々のニーズ,聞き取りを行いまして,医療物資であったりとか様々な支援も行っているところでありまして,引き続き丁寧な対応をしていきたいと思っております。

日中関係(楊潔篪中国共産党中央政治局委員の訪日)

【共同通信 高尾記者】日中関係について伺います。中国外交担当トップの楊潔篪(よう・けつち)氏が今月末に来日するとの一部報道があります。仮に来日するならば,安倍総理や茂木大臣への表敬訪問も予想されますけれども,現在の調整状況について教えてください。

【茂木外務大臣】一部報道というか御社が報道しているんだと思うんですけれど。楊潔篪政治局員の訪日については,日程等調整中であります。

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