記者会見
河野外務大臣臨時会見記録
(令和元年8月2日(金曜日)21時10分 於:タイ・バンコク)
冒頭発言
【河野外務大臣】今日はEAS及びARFの閣僚会合がございました。地域の安全保障上の課題に関して,我が国の立場を強く訴え,関係国との連携強化を図りました。
北朝鮮の問題につきましては,北朝鮮による弾道ミサイルの発射は遺憾であり,ASEAN各国とともに,すべての大量破壊兵器,そしてあらゆる射程の弾道ミサイルのCVIDにむけて,米朝プロセスをしっかりと後押ししていきたいということと,また,瀬取り対策を含め,安保理決議の完全な履行を維持していくことが不可欠であることを強調いたしました。
ARFでは日朝国交正常化に向け,拉致問題を含め,日朝間の懸案の解決のために尽力したいということも併せて申し上げました。
海洋の安全保障については,悪化する東シナ海および南シナ海の現場における状況に関して,参加国と深刻な懸念を共有いたしました。私からは,一方的な現状変更の試み,あるいは他国に対する威圧に強い反対を表明し,非軍事化及び紛争の平和的解決を要請いたしました。
また,南シナ海における行動規範について,第三者の利益およびすべての国の国際法の下での権利と自由を侵害してはならないことを強調いたしました。
また,ASEANが採択したインド太平洋に関するASEANアウトルックを歓迎し,質の高いインフラ投資に関するG20原則で確認された国際的スタンダードにしたがって,具体的な協力を前進させていきたいという呼びかけを行いました。
ASEAN+3の外相会議の中で,韓国の康京和(カンギョンファ)長官から,日本の輸出管理に関する閣議決定について韓国側の立場の表明がありましたので,私からは日本の立場を説明いたしました。
このほか,5件のバイ会談および日米韓の外相会談を行い,各国との緊密な連携を確認したところでございます。日米韓の外相会談の中では,北朝鮮を巡る情勢について最近の動きを含め,意見交換を行うとともに,今後の方針をすりあわせ,日米韓三カ国での引き続きの連携を確認いたしました。私からは以上です。