記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(平成30年11月15日(木曜日)17時30分 於:パプアニューギニア・ポートモレスビー)

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冒頭発言

【河野外務大臣】アジア太平洋の主要の国が集まって,この域内の貿易投資の自由化について意見交換を行いました。そういう意味で今回の閣僚会合の意義は非常に大きいと思います。私からは,貿易と投資の自由化それと連結性の強化によって,この繁栄するアジア太平洋地域は,日本が目指す,自由で開かれたインド太平洋の核であるということ,自由貿易推進のため貿易投資の秩序を高い水準で広めていきたいという,日本の決意を申し上げました。このAPECの域内の貿易投資の自由化をさらに進めていくべきということと,そのためにも,この自由貿易体制の中心にある,WTOの改革が必要だということでは,各国の意見が概ね一致した,と言っていいと思います。そのことを評価したいと思います。
 それから,この閣僚会合のマージンで,バイの会談をいくつか行いました。ベトナムの副首相兼外務大臣のミンさんとは,6回目となる外相会談をやりまして,TPP11をベトナムも締結して7番目の締約国になったことを歓迎をし,ASEANの対日調整国であるベトナムと南シナ海あるいは北朝鮮情勢についてお互いの認識を共有し連携をとっていきたいということをしっかり確認しました。
 また,ベトナムから日本に大勢,今,留学生あるいは技能実習で来ていただいております。そういう希望を持って来日されるベトナムにとって,日本が好ましい環境をしっかり整備しなければならないという,その認識は普段から一致をしておりますが,悪質な仲介業者に対する対応は,在ベトナム大使館で,ホームページでそうした業者名を公表するなどしておりますが,留学生を受け入れている日本の語学学校などにも,かなり悪質なものがありますので,そういう日本側の対応をですね,しっかりととるようにということで,日本側では外務省から法務省にお願いをしておりますので,そうしたこともベトナム側にお伝えすると同時に,大勢のベトナムの方が日本で,希望に満ちた生活を送れるようにしていきたいと思います。
 チリの外務大臣とは,TPP11について,可能な限り早期に国内手続きを完了していただくよう働きかけをいたしました。また,戦略的パートナーである,というチリとの関係性についても,様々な意見交換をいたしました。
 それから,オーストラリアの外務大臣とは,明日,総理と先方の首相,モリソン首相との首脳会談もありますので,先般10月の2プラス2で様々話合いをしたこと,さらに進めるべく日豪で連携していくことを確認し,インフラでの協力,あるいは南太平洋をはじめとする地域での協力についても意見交換をいたしました。
 明日は,まずパプアニューギニアの外務大臣と会談をし,このパプアニューギニアの自由で開かれたインド太平洋の実現に対する連携の強化ということについて確認をしたいと思っております。また,北朝鮮情勢をはじめ,様々な地域情勢についても意見交換をしたいと思ってます。
 ペルーの外務大臣ともバイの会談を予定しておりますが,TPP11についての国内手続きの,完了の働きかけをすると同時に,来年,日本人移住120周年を受けて,日・ペルー交流年に向けた協力を確認をしていきたいというふうに思っているところです。
 それともう一つ,私から,国際連帯税について,今日のスピーチの中で少し申し上げました。いくつかの国から,こうした新しい提案をAPECの場で議論することは非常に好ましいというフィードバックもありましたので,少し,いろんな議論を,国際的な場で仕掛けていきたいというふうに思っております。私からは以上です。

質疑応答

【記者】冒頭のお話と少し重なる部分もありますが,今回のAPECですね,世界各地でいわゆる保護主義が台頭する中での開催となりました。そうしたことへの受け止めと,それから今日スピーチでも言及されていましたが,自由貿易体制の推進ということで,具体的に日本としてどのようにそれを推進していくかお考えを聞かせてください。

【河野外務大臣】戦後,多くの国がWTOを中心とする自由な貿易体制の中で繁栄してきたわけで様々なこの体制に対する挑戦がある中で,この今回のAPECで投資あるいは貿易の自由化をさらに進めるとともに,WTOの重要性,もちろん,WTOの現代化,改革というのは必要だ,という共通認識のもとでこのWTOの重要性を再確認できたというのは非常に喜ばしいことだと思っております。日本はTPP11の発効に向けて一生懸命旗を振って参りましたし,EUとのEPAについても合意をし,今や批准の手続きを待つばかりとなりました。こうした大きなもの,RCEPは残念ながら来年ということになろうかと思いますが,こうした大きな自由貿易に向けての交渉を進めると同時に,今我が国は,様々な小さな経済とのFTAを積極的に一つずつ拾っていこうということで,フェロー諸島などをはじめ,交渉を開始をしておりますので,そうした動きについても少しスピードアップしていきたいというふうに思っております。

【記者】冒頭の発言で言っていた国際連帯税なんですけど,会議に出席していた国の反応をもう少し詳しく教えてください。

【河野外務大臣】コーヒーブレークの中で,この話は初めて聞いたという方もいらっしゃいましたし,会議のスピーチの中で,日本の発言について触れたところもあります。そういう意味で,やはり難民・避難民の数が戦後最高になってしまったということ,あるいは気候変動の影響も大きくあるんだと思いますが,自然災害が各地で頻発し,気候変動の影響をみんなが感じている中で,非常に大きな財政ギャップ,支援を必要としている方と,ODAなりPPPで提供できている部分を考えると大きな財政のギャップがあるというのは,おそらく,みんなが感じているんだろうと思います。そういう中で,国際連帯税というのを我々は提案しましたけども,これを含めて,すこし革新的な資金の拠出方法というのを議論していこう,というのは多くの国が前向きだったと思います。

【記者】昨日の日露首脳会談で,1956年の日ソ共同宣言を基礎に,今後の平和条約交渉を加速するという方針が確認されました。この方針の意義について,大臣はどのように評価され,また今後,外務省としてどのように対応されていくのか,お考えをお聞かせください。

【河野外務大臣】プーチン大統領の方からも,平和条約の締結に向けて,非常に前向きなご発言もありましたので,平和条約の交渉を加速化しようということで両国合意をいたしました。外務省としても,しっかりと合意に至れるように努力して参りたいと思います。

【記者】関連なんですけれども,日ソ共同宣言ではですね,歯舞と色丹の二島を返すということが明記されていますけれども,二島の先行返還ということもありうる,ということなんでしょうか。

【河野外務大臣】日本の立場は四島の帰属問題を解決し,平和条約を締結するということですから,そこについては変更はございません。

【記者】共同宣言に基礎を置く,というのはですね,どのように理解したら良いのか,もう少し教えてください。

【河野外務大臣】今の日露関係は,戦後,この日ソの56年の共同宣言がスタートですから,それに基礎を置くのは当然のことだと思います。

【記者】自由貿易体制の必要性で一致したということですが,最終的な文言のとりまとめがやや難航しているというような話もあるんですが,そこらへんはやっぱり総論賛成,各論反対みたいなそういう流れというか。

【河野外務大臣】今,最終的な調整は行われていると思いますが,もうじき出るんだろうと思いますんで。中での雰囲気について,非常にみんな前向きだったということで,こういう状況で,みんなが同じ方向を向いているということが確認できたのは非常に良かったと思います。文言でも,そのような文言が出るというふうに私は期待しております。

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