記者会見

河野外務大臣会見記録

(平成30年10月30日(火曜日)13時35分 於:本省会見室)

日中首脳会談関連

【共同通信 福田記者】先の日中首脳会談で,日本側から三原則という文言は使われたのでしょうか。

【河野外務大臣】その件については,西村官房副長官が午前中に丁寧にご説明されたと聞いておりますので,それを参照ください。

慰安婦問題

【産経新聞 力武記者】今月24日に,韓国の陳善美(チン・ソンミ)女性家族大臣が慰安婦財団について,韓国の記者団との懇談なのですけれども,その解散に向けて最終的な作業に入っているというふうに述べたようなのですが,この件について日本側にどのような通知が来ているのかということと,また,政府としてどのように対応されるのかということについてお聞かせください。

【河野外務大臣】日韓の首脳会談の中で,日韓合意について韓国側は堅持するというお話が,文在寅(ムン・ジェイン)大統領からありましたので,そのとおりだと思っております。

「徴用工」裁判関連

【朝日新聞 清宮記者】この後,韓国の最高裁の方で徴用工に関する判決の言渡しがあると思うのですけれども,内容,これからだと思うのですが,韓国政府にどのような対応を求められるかと,判決を受けて日本政府としてはどのように対応されるか,今の時点でお考えがあればお願いします。

【河野外務大臣】韓国政府がこの件については,全て対応されるものと承知をしております。

【日経新聞 林記者】これまで大臣と康京和(カン・ギョンファ)さんとの間では,徴用工問題をめぐってどういったやり取りをされてきたんでしょうか。

【河野外務大臣】何度か話をしたかもしれませんが,詳細,記憶が今,ありません。

日印首脳会談

(以下は英語にて発言)

【ザ・ディプロマット ハースト記者】日印関係についてお聞きします。この数日間,日本とインドは防衛・安全保障面での緊密な協力,また閣僚級での「2+2」について合意しました。大臣は,これらの合意の重要性についてどのように見られているでしょうか。また2点目として,日本とインドは「一帯一路」について共通の認識を持っているとお考えですか。

(以下は英語にて発言)

【河野外務大臣】「一帯一路」に関してはよく分かりませんが,日本とインドは民主主義,法の支配,基本的人権といった共通の価値観を共有しています。したがってこの両国が共に,そして両国の外務大臣と防衛大臣が一緒になって地域の問題やグローバルイシューについて議論することは良いことであり,良いスタートを切れたのではないかと思います。また,日本とインドはACSAについての交渉も開始しようとしており,インドとはこれからも緊密に協力していくことになると思います。そしてこの日印の協力は,インド太平洋の安定にも資すると考えております。

TICAD7関連

【毎日新聞 秋山記者】来年のTICADのサミットに向けてなんですけれども,西サハラの扱いを,来年の会議ではどのようにするのが適切であると,今,大臣はお考えでしょうか。

【河野外務大臣】西サハラを日本として,国家承認をするつもりは全くございません。西サハラをTICADに招待するということも全く考えておりません。

ドイツ情勢

【時事通信 越後記者】ドイツ政局について2点伺います。1点はドイツのメルケル首相が党首の退任を先日表明されまして,EUの盟主たるドイツの混乱が,今後,欧州の不安定化について影響するのではないかと懸念されますけれども,その点どのようにご覧になっているかということが1点と,もう1点が,世界的に右派,ポピュリスト勢力が伸長している中で,日本の今後の役割というのはどういったところにあるとお考えでしょうか。

【河野外務大臣】メルケル首相は党首としての地位は退くけれども,首相としては任期を全うするとうかがっておりますので,引き続き,EUの中でリーダー的な存在であり続けるのではないかと思っております。相当長い,恐らくドイツの戦後最長なのではないかと思いますが,そうしたドイツの長期政権がヨーロッパの安定をもたらせてきたこと,あるいはそのために果たしてきた役割というのは,しっかり評価をしなければならないと思っております。
 安倍政権も恐らく,G7の中ではメルケルさんに次いで,安倍総理,長い期間,G7にも参加されていると思いますので,そうした中でこれまでの自由貿易ですとか,あるいはG7が掲げているそれこそ,民主主義,法の支配といったものをしっかりと世界の中に普遍的な価値として広めていく,そういう中でのリーダーシップを日本として取っていかなければならないと思いますし,様々政権が変わるときに,それぞれの政権の政策というのは,多少,最初は出たり引っ込んだりというところはあろうかと思いますが,G7の中で,あるいはG20の中で,我々がこれまで国際協調,あるいはリベラルな世界秩序の中で受けてきた利益というものを考えれば,このシステムをしっかりと維持していく,一部,近代化していかなければいけない,現代化していかなければいけないというところはあろうかと思いますが,それを維持できるように,しっかり日本としてもリーダーシップ的な役割を果たす時期に来ているのかなと思います。

「徴用工」裁判関連

【東亜日報 金記者】徴用工判決について,韓国の政府に具体的にどんな対応を求めるのですか。そして昨日,発言について,新日鉄の勝利を確信していますかと伺いたいです。

【河野外務大臣】この問題はもう既に,請求権協定で全て解決済みでございますので,韓国が適切に対応される,国際社会の一員として,韓国政府が適切に対応されるものと日本は信じております。

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