記者会見

河野外務大臣会見記録

(平成30年10月23日(火曜日)16時43分 於:本省会見室)

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冒頭発言

(1)河野外務大臣の中国及びバーレーン訪問

【河野外務大臣】10月25日から28日にかけて,中国及びバーレーンを訪問する予定です。
 中国は,安倍総理の公式訪問に同行し,北京での日中平和友好条約締結40周年記念レセプションあるいは日中首脳会談等に同席する予定でございます。この訪問で,様々な分野で協力・交流を更に推し進め,日中関係を前へ前進していく弾みとなるよう,総理をしっかりと支えてまいりたいと思います。
 バーレーンでは,昨年に続きまして「マナーマ対話」に出席をいたします。中東の安全保障について議論をする権威ある会議でございますので,日本の中東の安定に向けた考え方をしっかりと発信をしていきたいと思います。また,参加国の要人あるいはバーレーンの要人と,現下の中東情勢について意見交換を行なっていきたいと思っております。

(2)障害者雇用

【河野外務大臣】障害者雇用に係る検証委員会の調査結果が報告されましたが,今般公表された検証委員会による調査の結果を外務省として非常に重く受け止めております。
 障害者雇用の促進に係る意識が外務省として低かったと言わざるを得ないと思います。法定雇用率の対象となる障害者の範囲などへの理解が十分でなかったことから,この対象となる障害者の計上が不適切でありまして,誠に申し訳なく,お詫び申し上げたいと思います。
 外務省といたしまして,障害者雇用班を立ち上げて,今4名,それに従事しているところでございますので,障害者雇用促進法の正しい理解に基づく法定雇用率の達成に向けた取組を速やかに進めてまいりたいと思っております。

米国によるINF全廃条約からの脱退意向表明について

【NHK 奥住記者】INFの関連でお聞きします。アメリカのトランプ大統領がINFの条約を破棄する考えを示していまして,それに対してロシア側は,国連の場で根拠がないと反論されています。このような現状の受け止めですとか,日本政府としての対応,何かあればお聞かせください。

【河野外務大臣】INF全廃条約が核軍縮ですとか,軍備管理の上で果たした役割は非常に大きいと思っております。今般,それを米国が終了するというのか,離脱をするというのか,こういう状況にならざるを得なかったという現実は,極めて残念であり,こうした状況を一刻も早く解消していかなければならないと思っております。
 米露の間で恐らく話合いが行なわれるであろうということを強く期待すると同時に,日米間でもこの問題については,しっかり協議をしていきたいと思っております。

【毎日新聞 光田記者】ボルトン氏が,日本がアメリカの姿勢を,このINFの問題で支持する可能性があるということを報道機関に対して言っているようですが,そういった見通しはあるのでしょうか。

【河野外務大臣】その前に,まずきっちりと日米間で様々協議をしたいと思います。

【日経新聞 林記者】今,日米間は連携して北朝鮮に非核化を求めている立場だと思いますけれども,このINFの破棄が北朝鮮問題に影響を与えることはあるとお考えでしょうか。

【河野外務大臣】INFの全廃条約にかかわらず,北朝鮮の核及びミサイルの開発は国連の安保理決議に違反しておりますので,INFの全廃条約云々にかかわらず,北朝鮮には早期に,北朝鮮の非核化及びあらゆる射程のミサイルの全廃を求めていきたいと思います。

【読売新聞 梁田記者】大臣,最初のご発言で,アメリカがこういう判断をせざるを得ないような状況になったことは,極めて残念というご発言をなさいました。やはりロシア側の元々の核兵器のあり方というのが問題になってこの状況が引き起こされたという,ご認識だということでしょうか。

【河野外務大臣】ロシア側の状況について日本として申し上げる状況ではございませんが,少なくともアメリカが何らかの理由でINF全廃条約から撤退するということになったということは,日本としても非常に残念ですし,このINF全廃条約が核軍縮,軍備管理に果たしてきた役割は非常に大きいものがあると思っておりますので,そこはまず,米露の間で誤解がないのか,きちっと事実関係の確認をするなり,協議をしっかりとやっていただきたいと思っております。日本としてもアメリカとしっかりとこの問題については協議をし,情報交換をしてまいりたいと思っております。

【朝日新聞 清宮記者】米側とは協議をしたいということですが,INF全廃条約への復帰を求めるという立場とは違うんでしょうか。あとアメリカ側は,中国が条約に参加していない状態で,核開発をしていることを問題視していますが,その点についての受け止めがあればお願いします。

【河野外務大臣】まずアメリカが,なぜこのような決定をするように至ったかというところをしっかり日本として,情報共有をしてもらいたいと思います。その上で,様々,日本としての判断があると思っております。中国についても,同様にアメリカの考えをまずしっかり聞いてまいりたいと思います。

日中首脳会談

【ウォールストリートジャーナル ランダース記者】今度の日中首脳会談についてですけども,この前9月末に,日米EUの間で,中国の強制技術移転政策について遺憾の意を表明しているなど,中国の経済戦略について強い懸念を示していると思いますけれども,この問題を日中首脳会談の場で,どのように取り上げる予定でしょうか。

【河野外務大臣】日中首脳会談のなかで,何をどのように取り上げるかというのは,まだこれから訪中前に詰めていかなければならない分野でございますけれども,少なくとも中国の知的財産権の問題ですとか,あるいはエクセス・キャパシティの問題ですとか,そういうことについてはこれまでも繰り返し,日本側から中国に対し問題提起をしてきておりますので,これは様々な場面でしっかりと中国に対応してもらいたいと思っております。

対中ODAの終了

【共同通信 福田記者】一部報道で,対中国ODAを,今年度の新規案件で終了するという報道がありますが,これの受け止めと,今後の日中の経済協力のあり方について所感を教えてください。

【河野外務大臣】既に,円借款並びに一般の無償協力につきましては,もう10年以上前に終了していたと思います。一部の感染症とか環境に関する「草の根無償」とか技術協力といったものがまだ続いておりましたが,今の中国の経済レベルを考えれば,恐らく必要はないと思いますので,新規の案件採択は終了するということで,引き続き,続いているものも残りの年月が終われば,そこで終了しようということだと思います。
 今後は,様々第三国に対する開発の支援ですとか,あるいは人道的支援といったことで中国と協力していくということは,他国ともやっていることと同様に,あり得ることではないかと思います。

韓国国会議員による竹島上陸

【時事通信 越後記者】大臣,昨日のぶら下がり会見で,対韓国の話題になりますけれども,韓国の議員が竹島に上陸した問題について,対応を考えるとおっしゃいました。検討状況をお聞かせください。

【河野外務大臣】検討中です。

国連での核兵器廃絶決議案の提出

【東京新聞 大杉記者】国連第一委員会に出された核廃絶決議案の関係で教えていただきたんですけれども,去年はちょっと賛同国を減らして話題になりましたけれど,今現在,改めて日本の核廃絶に向けた考え方と,あとどのように理解を求めていくかというところを教えていただきたいのと,あと合わせてこの委員会に核兵器禁止条約の推進決議案も出ているようなんですけれど,これはまたオーストリアが中心になって出たようですけれど,これについて日本としてどのような対応をされるか,この2点を教えていただけますか。

【河野外務大臣】日本の核廃絶決議案は昨年,核兵器国,非核兵器国双方から共同提案を頂いて,橋渡しとしてかなりしっかりやれたと思っております。
 今年は,少し昨年よりもこの決議案を一歩でも二歩でも前進させる方向へ持っていきたいと思っております。今,様々な国と協議をしているところでありますので,橋渡し役としての日本の役割をしっかりやっていきたいと思います。
 もう一つの核兵器禁止条約の促進についてはまだ日本として何も決めておりませんが,日本として核兵器禁止条約に署名をする考えはありませんので,そうした考えに基づいた何らかの対応になると思います。

日中首脳会談関連

(以下は英語にて発言)

【フランクフルター・アルゲマイネ ウェルター記者】中国へのODAを終了するという話がありますが,日本は中国を開発援助における対等なパートナーとして認めたということでしょうか。また,日中首脳会談では,RCEP,TPP,もしくはその他の自由貿易協定について議論されるのでしょうか。さらに自由貿易において中国は米国よりも良いパートナーだとお考えでしょうか。

(以下は英語にて発言)

【河野外務大臣】中国は世界第2位の経済大国であります。したがって中国はもはや日本からのODAは必要としていないと思います。中国は今や,他国を支援している立場でもあります。そのため,今は日中の二国間関係を次の段階に進めるべき時にきていると思います。
 先ほども申し上げましたとおり日中首脳会談での主要議題はまだ決まっておりませんが,確かにRCEPについてはこの何ヶ月もともに交渉してきたわけであります。したがって,今回日中間で,RCEP,または日中韓FTAについて協議されるのではないかと思います。また,もしTPP11の基準を中国が満たすことができれば,参加も歓迎されると思います。

サウジ人ジャーナリスト失踪事案

【テレビ朝日 安西記者】サウジアラビア記者死亡について,お聞きしたいんですけれども,大臣,今週末,マナーマ対話に行って中東和平についてもお話されると思いますが,サウジアラビアの方とはお話をされるご予定はあるんでしょうか。

【河野外務大臣】サウジの外務大臣が,今,マナーマにいらっしゃるかどうかは,まだ不明ということです。もしジュベイル外務大臣,いらっしゃるなら,当然,お目にかかりたいと思っております。

【テレビ朝日 安西記者】サウジアラビアも記者が亡くなったことについては認めていると思うですけれども,英・仏・独,それぞれ懸念を示していると思うんですけれども,日本としてはどういった立場を表明されるんでしょうか。今のご所見をお聞きしたいと思います。

【河野外務大臣】日本として,しっかりと真相の究明をやっていただきたいということと,透明性のある,かつ公正な処分というものを求めております。これはG7の外相の声明でも出しておりますので,日本として,まず真相究明がしっかり行われるように促していきたいと思います。

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