記者会見

河野外務大臣会見記録

(平成30年9月14日(金曜日)12時22分 於:本省会見室)

河野大臣のブログ等での発言

【朝日新聞 倉重記者】初っぱなから外交政策の質問ではないので恐縮なのですが,8月,9月の大臣のニュースレターやブログで発信されている内容についてちょっと気になったので,こちらでちょっと確認したいと思ったので質問します。大臣はブログ等に霞クラブの記者は政治部に所属しているため,取材の対象が外交ではないということを指摘されていますが,これは明らかに事実誤認であるというふうに私は言いたいと思います。我々は日本外交・政策が取材対象であります。それからその中に霞クラブと特派員,国際部の連携はどうなのでしょうかと,暗に連携が取れていないのではないかと言いたいというふうにも書かれていますが,これは新聞記事を読んでいただければ,特派員と政治部の記者とコラボして我々記事を書いています。直近で言えば,日露首脳会談もそうですし,日中首脳会談もそうです。必ずそういう連携を取って多角的な報道を心掛けておりますので,そこはちょっと新聞記事を読んでいただければと思いました。それと,要は政治部の記者というのが政局の質問がやたら飛んでいると,外交については圧倒的に北朝鮮,日朝首脳会談のことばかり聞くとおっしゃっていますが,これはちょっと認識不足というか,我々は本当にどの社も同じだと思うのですが,ニュースがあればそれを取材し報道します。例えばこれは私の私見ですけれども,安倍政権の外交政策を一義的に私たちは取材しています。安倍政権が,例えば北朝鮮や日朝首脳会談よりも,例えば大臣が非常に関心を持っていらっしゃるミャンマー・ロヒンギャ難民問題,例えばイランの核合意の話もそうですが,そういったものにより重視をしていろんな日本独自の政策であるとか,方針を発信しておられるのであれば,それはちゃんと取材して記事にします。メモも含めてきちんとやります。この前大臣がハノイに行かれたときも,ミャンマーについては,その日はプーチン大統領の発言があったり,日中首脳会談という非常に紙面が狭いときだったのですが,ちゃんとフォローしてきちんと掲載しております。まずそういった記事をちゃんと見た上で発信していただきたいなと,非常に一方的に政治部の記者がどうだ,国際部の記者がどうだというレッテル貼りをされて,非常に私は心外だと思いましたので,あえてこの場でお伝えしたいと思いました。

【河野外務大臣】ありがとうございます。コメントを受け止めたいと思いますが,日経新聞が国際部から二人,霞クラブに配属することを決めてくださったことは大変うれしく思いますし,新聞を読んでいる読者が今のコメントのように受け止るようになることを,そういう日が来ることを,私(大臣)は心待ちにしたいと思います。
 一つお願いでございますが,霞クラブの方々から,外相会談の冒頭を英語でなくて日本語でやってほしいと要望がありますが,別に中国語でやる能力も私(大臣)ありませんし,ミャンマー語ができる能力もありませんが,せめて冒頭の会談,英語でやって,それを理解するぐらいの方に,是非,霞クラブ,所属をしていただきたいと思います。

【共同通信 福田記者】今の現状で,日本メディアが北朝鮮問題ばかりに関心を寄せていると,一方でラカイン州情勢とかカンボジアの総選挙とか,日本外交が立ち向かわないといけない重要な問題がきちんとフォローされてないという問題意識を大臣はお持ちということでしょうか。そこら辺を詳しく・・・。

【河野外務大臣】そういうことです。

【共同通信 福田記者】その北朝鮮報道が過剰だということは,拉致被害者の家族会,むしろ風化の方を心配されていて政府に発信の強化を求めているのですけれども,北朝鮮報道ばかりに日本メディアの関心が行くのは良くないというご認識なんでしょうか。

【河野外務大臣】それは比較の問題だと思います。北朝鮮の報道がなくなればそういうことがあるかもしれませんが,少なくとも世界は193の国連加盟国で動いているわけですから,それぞれ必要な情報発信というのが行なわれるべきだろうと思います。

平和条約締結に関するプーチン大統領発言

【読売新聞 梁田記者】おとといのロシアのプーチン大統領が,東方経済フォラームの中で行った発言に関して伺います。大統領の発言の趣旨は,今年の終わりまでに前提条件なしに日本との間で平和条約を結ぶというものだったんですが,これは現在日本がとっている共同経済活動等の信頼醸成の措置を通じて,最終的には領土問題を解決し,平和条約に結びつけるというアプローチとは逆のものなのではないかと思います。その点に関して大臣のご認識と,この状況においても共同経済活動等の現在とっているアプローチは継続すべきというのが日本の政府の方針なのか,そこを伺えればと思います。

【河野外務大臣】平和条約を早く締結しようということでは,日本とロシアは同じ方向を向いているんだろうと思います。平和条約の締結に関して,日本はこの北方四島の帰属の問題が大きなテーマでありますし,ロシアからしてみれば,日本との経済協力というのが大きなテーマになる。それぞれの国のテーマとして,思っているものは違うわけですから,その間でなるべく有利な状況でまとめたいというのは,それはお互いが思っているわけで,その駆け引きの一つなんだろうと思います。
 日本としては,しっかり共同経済活動を進めていって,北方四島の未来を共に描いていって,帰属の問題を解決し,平和条約を締結しようと考えているわけですから,それはそれとして,しっかり進めていきたいと思っておりますし,首脳会談の中でもそういう方向での議論も行われたと聞いておりますので,特に今の段階で,何か変えようというつもりはございません。

【共同通信 斎藤記者】今の平和条約の関係でお伺いします。プーチン大統領の今年中に締結したいという呼びかけ,大臣は支持しますか,それとも支持しませんか,その理由,お願いします。

【河野外務大臣】平和条約の締結というのはもう日露間の懸案でございますから,それは締結できるなら一日も早い方がいい,ただし,その時に日本側は北方四島の帰属の問題を解決をするという必要がありますし,ロシア側は経済を発展させるために,いかに日本との間で経済協力ができるかということを考えているわけですから,お互いが考えていることをしっかりと両国が納得する形で解決して,平和条約を一日も早くまとめたい,これは日本側もロシア側も同じ方向を向いているだろうと思います。

【NHK 西井記者】先ほど,安倍総理が討論会での発言ですが,安倍総理が今年11月,12月の首脳会談が大事になってくるという発言をされましたけれども,外務省としても次の首脳会談に向けて,これまで以上に,何か調整を加速するというようことはあり得るのでしょうか。

【河野外務大臣】次はEASとかG20になるのかなと,そこでバイの会談が行われるのかどうかというのは,まだこれから調整ということになりますが,プーチン大統領が年内にもまとめたいとおっしゃっているのならば,我が方としては,しっかりとその前提となるものが解決されるのであるならば,それはそれでまとめていきたいわけで,ロシア側から何かそういう提案が出てくるんであるならば,首脳会談というのは重要になろうかと思います。我々としては,共同経済活動をしっかり進めるための準備作業というものはこれまでもやってきておりますから,節目節目で首脳会談でその作業の確認をしていくということは大切だろうと思います。

韓国海洋調査院による竹島周辺の無人海洋調査

【産経新聞 大橋記者】竹島周辺で韓国の無人観測機が海洋調査を行っていたという報道が一部ありましたが,大臣のお考えをお聞かせください。

【河野外務大臣】折角,「日韓パートナーシップ宣言20周年」前向きにやろうよと言っているときに,何だか後ろ向きの話が出てきたんでは,両国とも前向きに前に進もうということにならないのではないかと思いますので,都度,そうした抗議,申し入れはしておりますが,どこかのタイミングで,20周年なんだから前向きにやろうと言うならば,お互いにそこは前向きにやろうよということを我々から申し上げなければならないかなと思っておりますし,恐らく韓国政府の中でも,前向きにやろうと思っている方はいらっしゃると思いますから,きちんとそこは10月8日,20周年の節目の日に向けて,日韓前向きに行くぞというのが打ち出せるようにしたいと思います。今朝もこの問題の日韓有識者会合を開かせていただきました。日本としても20周年に向けて,どういうことをやっていけばいいかということを,きちんと打ち出していきたいと思ってますし,韓国側のタスクフォースとも,タスクフォース同士,連携をしてもらおうと思っているわけですから,前向きに行こう,未来志向で行こうということで,何とか両国やっていきたいと思っております。

安倍総理の総裁選出馬にあたっての発言

【東京新聞 大杉記者】安倍総理が総裁選の出馬にあたって,戦後外交の総決算をするということをおっしゃっているんですけども,すごい気合いが入っているというか,大変な決断をするのかなという印象を,私自身は抱いたのですが,大臣ご自身,大変なお仕事になるかもしれませんが,何か思うところがあれば教えてください。

【河野外務大臣】日韓を前向きに進めていこうということもそうですし,ロシアとの間で平和条約を結ぼうということもあるのだろうと思います。また今のG7の状況を見ると,日本がアジアを代弁するという形になっておりますし,国連の安保理改革というのも戦後の一つの決算ということを考えれば,やらなければいけない課題は非常に多くあると思います。その中で一つでも二つでも,一つでも二つでもと言うと総理から怒られてしまうかもしれませんが,一つでも二つでも前に進められるように,しっかりそこは当たっていきたいと思います。

北朝鮮情勢(拉致問題)

【共同通信 福田記者】9月17日で日朝平壌宣言が16年を迎えます。まだ5人帰国されてから,一人の被害者の帰国も実現していない現状ですけれども,奪還に向けて,改めてご決意をお願いします。

【河野外務大臣】日朝平壌宣言に関する姿勢は,日本側としては何も変わっておりません。核・ミサイルそして拉致問題をしっかりと解決をし,国交正常化していきたいと思っております。そういう方針について変わりがないことは,これは北朝鮮もよく認識をしておりますので,今の非核化あるいはミサイルの放棄というものを北朝鮮が具体的な行動で示し,拉致問題に関しては,日朝でしっかりと向き合って解決をしていきたいと思っております。

河野大臣のブログ等での発言

【共同通信 斎藤記者】冒頭の朝日さんの発言と関連しますが,大臣が会談の冒頭で英語で発信されるという理由について,説明願いたいと思います。なぜならばこれまでの大臣,全員が全員かどうは分かりませんが,岸田さん,その前の民主党政権時代の大臣も,いずれも英語ができる方も含めて日本語で発信していました。それをなぜ英語にするのか,日本国民,母国語は日本語ですが,なぜ英語で発信するのか教えてください。

【河野外務大臣】外相会談ですから,相手との話をマスコミの皆さんに聞いていただくということになります。今,多くの外相会談は英語でやっておりますから,冒頭から英語で直接,自分の言葉を相手に聞いてもらいたいということです。

【朝日新聞 倉重記者】大臣は日本の外務大臣の資質として,英語力というのが重要だとお考えでしょうか。

【河野外務大臣】はい,そう思います。

平和条約締結に関するプーチン大統領発言

【朝日新聞 永田記者】先ほど大臣,プーチン大統領の発言について,駆け引きの一つという表現をされていました。総理も先ほど行われていた討論会で,共同経済活動についてスムーズにいっていないということをおっしゃっていましたが,そのプーチン大統領の発言が,年内という期限を区切ったこと,これは何かしらの揺さぶりをかけてきたというような認識をお持ちだということでしょうか。

【河野外務大臣】揺さぶりというよりは,年内にも平和条約を締結したいというのは,やはり相当前向きに思っているんだろうと思います。今,日露は確かに平和条約はありませんけれども,それなりに,期待しているレベルには遠いかもしれませんけれども,経済的な交流,人的な交流も行われているわけで,しかし平和条約を結ぶということは日本側から見れば北方四島の帰属を解決し,ロシア側から見れば,更なる経済交流の推進に繋がるという思惑があって,平和条約を締結しようということを言っているわけであります。ですから,そういう意味でプーチン大統領の方が,平和条約を早く締結しようという呼びかけをされるということは,やはりそこは日露で,今後色んなことをやっていこうという思いがあったからこそ,そういうことを言われているだろうと思いますので,我々としてもそれには十分応えていきたいと思っております。
 ただ,皆さんよくご存知のとおり,日本の場合は北方四島の帰属の問題を解決をするというのが前提でございますから,ロシア側としては経済の交流の拡大というのが前提なわけですから,それはお互いの前提が何らかの形でそれぞれが納得するというのが平和条約の締結に必要なんだろうと思いますので,それに向けて両国でしっかり調整していきたいと思います。

南北首脳会談

【毎日新聞 田辺記者】来週,南北首脳会談が予定されてまして,北朝鮮側は終戦宣言というのを求めているという情報も入っていますけれども,現在,非核化の進展がはっきりと見えない中で終戦宣言,そういった状況踏まえて,日本政府としては終戦宣言,どういうふうに捉えているんでしょうか。

【河野外務大臣】終戦宣言というのは時期尚早というふうに思っております。残念ながらシンガポールの会談の後,非核化に向けての進展が見られないわけですから,そこは非核化に向けて具体的な行動がしっかり取られて,その後に終戦宣言というのがあるべき姿だろうと思っております。南北の首脳会談の中で,そうしたシンガポールでも合意された非核化という道筋に向けた具体的な行動に繋がるような首脳会談が行われることを期待したいと思います。

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