記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(平成30年9月5日(水曜日)17時05分 於:アゼルバイジャン・バクー)

冒頭発言

【河野外務大臣】コーカサス3か国の最後の訪問になりました。日本の外務大臣として19年振りの訪問となりました。アゼルバイジャンでの一連の行事を終えました。
 アジア,欧州,中東のいわば結節点でありますコーカサスの自立的な発展は,国際社会全体の平和と安全にとって欠かせないものだと思います。
 コーカサス3か国はそれぞれに異なる特色を持っておりまして,地域全体をひとくくりに捉えるのは難しい側面もありますけれども,今回日本としてこの地域の自立的な発展を支援する「コーカサス・イニシアティブ」を発表し,日本の取組方針を各国それぞれでお伝えをすることができました。
 今回の訪問を日本とコーカサス3か国の関係強化の一里塚にしてまいりたいと思います。アゼルバイジャンでは,今日,アリエフ大統領,マムマドフ首相,メメディヤロフ外務大臣,3人とそれぞれお目にかかり,投資協定の正式交渉開始を決定するなど,二国間関係の今後を一層発展させるための重要な一歩となったと思います。
 今回の訪問をきっかけとして,日本とコーカサスの更なる関係発展のため,この「コーカサス・イニシアティブ」に沿って取組を強化していきたいと思います。
 明日はドイツを訪問してメルケル首相を表敬した後,マース外務大臣と会談をいたします。その他与党キリスト教民主・社会同盟院内会派の会合に出席し,東アジア情勢などについて日本の立場を申し上げるとともに,日本・ドイツ二国間の関係発展のために議論をしてまいりたいと思います。

質疑応答

【記者】まず今日のアゼルバイジャンとの会談についてお伺いしますが,エネルギー安全保障に言及されていましたが,アメリカ側のイランの制裁の話も出ているなど不安が高まる中で中東以外の産油国との関係を深める意義を改めてお願いします。

【河野外務大臣】アゼルバイジャンにつきましては,日本の企業が権益を一部持っているところもございます。この権益については延長が決定されました。またここからヨーロッパに対してエネルギーの供給がおこなわれておりますが,この供給がきちんと行われるということは世界全体のエネルギーの安定供給に大きな影響を及ぼすと思います。それからもうひとつ,カスピ海について周辺国が合意をいたしましたのでトルクメニスタンを始めカスピ海のいわば横断するパイプラインの建設がこれから進んでいくことになれば,さらに世界全体のエネルギーの安定供給に資するというふうに考えておりますので,このアゼルバイジャンの位置づけというのは世界全体を考えた上で非常に重要な位置づけになると思っております。

【記者】エネルギー問題に関連してお伺いしますが,イラン制裁の期限が11月に迫っておりますが,改めてになりますが日本政府としてアメリカ政府の要求についてどのように対応されておりますでしょうか。

【河野外務大臣】なるべく日本企業に対する悪影響が拡大しないようにアメリカときっちり議論して参りたいというふうに考えています。

【記者】別件で昨日に続いてお伺いしますけれども,韓国の特使,金正恩委員長と会談したということで内容は明日記者会見をするという風に報じられていますけれども,金委員長とも会ったわけですが成果として期待できるかどうかお願いします。

【河野外務大臣】こうした南北の動きが米朝の首脳会談で合意された北朝鮮の非核化に関してしっかりとした行動につながることを期待をしていきたいと思っております。韓国側からはしっかり情報を共有していただいて日本としても今後の対応を考えていきたいと思います。

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