記者会見
河野外務大臣臨時会見記録
(平成30年9月4日(火曜日)18時37分 於:ジョージア・トビリシ)
冒頭発言
【河野外務大臣】アルメニアに引き続き,日本の外務大臣として初めてジョージア訪問いたしました。
マルグヴェラシヴィリ大統領,バフタゼ首相,ザルカリアニ外相をはじめとする要人にお目にかかり,自由,民主主義,人権,法の支配といった基本的価値を共有する重要なパートナーである,ジョージアとの間で,両国関係の更なる発展に関して,有意義な意見交換をすることができました。
また,日本の「コーカサス・イニシアティブ」について説明し,今後の両国の協力関係発展への期待を表明したところ,ジョージア側から賛同を得ることができました。
外相会談では,二国関係や地域情勢,国際場裏での協力について意見交換を行うとともに,今般,ジョージアとの間で,投資協定交渉の大枠合意に至ることができたことをうれしく思います。
外相会談終了後,円借款「東西ハイウェイ整備計画(フェイズ2)」の交換公文に署名をいたしました。アジアと欧州をつなぐゲートウェイであるコーカサス地域全体の発展のため,更なる物流の改善と発展に貢献することが期待されます。
今般の訪問を契機とし,日本とジョージアの関係が様々な分野で発展することを期待したいと思います。
明日は,日本の外務大臣として19年ぶりとなるアゼルバイジャンを訪問いたします。
質疑応答
【記者】このジョージアですけれども,特にその投資協定,円借款など経済協力の成果だと思いますが,コーカサス3カ国の中で,ジョージアとの関係を強化する意味というのは改めてどのようにお考えでしょうか。
【河野外務大臣】ジョージアというのが,コーカサスの中では一番の支点になっているようなところですので,アルメニアあるいはアゼルバイジャンとの関係の強化ということを考えても,このジョージアとの関係を発展させていくということは非常に大事だと思います。栃ノ心の活躍などで日本の皆様にもジョージアのことが広く知れ渡り,またジョージアワインをはじめとした,様々な物品も日本に入ってくるようになりましたので,今後この両国の関係を強くしていきたいと思います。
【記者】今日大統領との会談で栃ノ心の話が出ておりましたけれども,大相撲の栃ノ心の活躍というのは,この両国関係に良い影響を与えていると思われますか。
【河野外務大臣】日本でジョージアという国が広く知られるようになりましたし,ジョージアで日本の大相撲が大変広く知られるようになった。1人の活躍で両国の間が非常に近くなったのではないかなと思います。
【記者】別件で1件お伺いします。北朝鮮情勢についてですけれども,明日韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長が,大統領特使として北朝鮮を訪問いたしますけれども,米朝協議が難航する中で打開策が見いだされるかどうか,日本としての評価と期待についてお伺いします。
【河野外務大臣】この韓国の特使団の訪問が,米朝合意の具体的な履行につながる,そんな結果を引き出してくれることを期待したいと思います。
【記者】そもそもこの履行の流れというのは,南北協議の首脳会談から始まったわけですけれども,やはりこの米朝の今の膠着した状況を打開できるためには,韓国の役割というのは大きいとお考えですか。
【河野外務大臣】韓国がオリンピックから,このシンガポールでの首脳会談に向けて様々な努力をしてくださったということが,やはり大きな要因だと思います。今回の訪問が,また米朝関係をしっかりと進めるために,それぞれが約束したことを履行する,そうした動きを引き出すことにつながることを期待したいと思います。
【記者】韓国側からその後報告を受ける予定はありますでしょうか。
【河野外務大臣】韓国側とは常に緊密にやりとりをしておりますので,様々行って帰ってこられた後に,しっかり情報を把握をして,次につなげていきたいと思います。