記者会見
河野外務大臣会見記録
(平成30年6月12日(火曜日)9時40分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言
河野大臣の韓国訪問
【河野外務大臣】今日,シンガポールで行われる米朝会談の行方によっては,明日,あさってと韓国を訪問し,日米,あるいは日韓,日米韓外相会合を調整することになろうかと思います。
米朝首脳会談関連
【記者】正にその米朝会談ですが,間もなく始まるかと思われますが,最大の懸案,非核化と言われています。その非核化について,これまでもお話しされているかと思うんですが,どういった進展,コミットメント,北朝鮮のコミットメントを望まれるか,期待されるか。
【河野外務大臣】核兵器を含む全ての大量破壊兵器,並びに全ての射程のミサイルのCVIDに向けた北朝鮮の明確なコミットメントというものを引き出せるかどうか,というのが焦点だろうかと思います。
【記者】いわゆる行程表ということですが,プロセスに関してまで話が及ぶと思われますでしょうか。
【河野外務大臣】予断をもって,今申し上げるのは避けたいと思います。
【記者】懸案の拉致問題に関しては,昨日の日米首脳電話会談の中でも100%取り上げると,そうすると最終的には日朝直接交渉になるかと思うんですが,改めて拉致問題に関する進展に対する期待,どういうふうにお考えですか。
【河野外務大臣】拉致問題について,トランプ大統領から提起していただくことにはなっておりますが,最終的には,これは日本と北朝鮮の間で話し合わなければいけない問題だと思いますので,今日の会談の状況をしっかり見極めたいと思います。
【記者】会談の状況によっては,日朝での直接交渉の進展もあるということですか。
【河野外務大臣】会談がどうなるか分かりませんので,今,何かを予断をもって申し上げるのは避けたいと思います。
【記者】改めて,今回,米朝首脳会談について日本政府としては,どのような情報収集体制を取るお考えでしょうか。
【河野外務大臣】谷内局長,金杉局長以下,派遣しておりますので,既にかなり緊密にやり取りをしているところであります。
米国からのプルトニウム削減等に関する要求
【記者】日本が保有するプルトニウムについて,原発再稼働が進まないことによってアメリカ政府から削減を求められているという指摘がありますけれども,アメリカから求められているのかという点と,日本としてどういうふうに対応するのかということですが。
【河野外務大臣】利用目的のないプルトニウムというのは,国際社会おしなべて保有しないというのが大原則でありますから,日本としても,当然そういう方針を貫くことで,これは別に,アメリから求められる,求められないにかかわらず,我が国として利用目的のないプルトニウムは持たないということは,やらなければならないと思います。
米朝首脳会談関連
【記者】米朝に絡んでなんですけれども,上海協力機構ですね,中国とロシアが参加している機構での北朝鮮問題,特に,中国とロシアが提唱している段階的な非核化というものを念頭に置いての関与というものを、この前の首脳宣言の中で言及しているのですけれども,今回,米朝首脳会談が行われて一つ山場を超えるというところで,改めて,中国とかロシアとかそういった関係国との関与,それには日米韓ではどのように対応していきたいというふうにお考えでしょうか。
【河野外務大臣】北朝鮮のCVIDが進展した後,朝鮮半島を含む北東アジアの平和構築は,恐らく中国なり,ロシアなり,というところが関わってくるということになろうかと思います。中国は,朝鮮戦争の休戦協定の署名の当事者でもありますから,朝鮮戦争について議論が行われるときには,当然に中国も当事者として関与してくることになると思います。