記者会見

丸山外務報道官会見記録

(平成30年5月30日(水曜日)17時01分 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)最近のガザ情勢について

【丸山外務報道官】本日付で以下の報道官談話を発出します。
 我が国は,ガザ地区からイスラエルへのロケット弾や迫撃砲の発射を強く非難するとともに,ガザ地区及びその周辺において緊張が高まっていることを深く憂慮します。
 我が国は,イスラエル,パレスチナ両当事者の抱える問題は暴力によって解決されるものでは決してなく,当事者間の交渉と相互の信頼を築く努力によってのみ解決されるものと確信しています。和平交渉の再開に向けて,全ての関係者に対し,最大限の努力を払うよう促します。

(2)チャン・ダイ・クアン・ベトナム社会主義共和国主席夫妻の訪日

【丸山外務報道官】29日からチャン・ダイ・クアン・ベトナム社会主義共和国主席夫妻が国賓として訪日中です。今回の訪日では,「広範な戦略的パートナーシップ」を深化させるとともに「国民間の信頼関係の強化」,及び「自由で開かれたインド太平洋の下での連携・協力強化」を狙いとしています。
 本日は歓迎行事と天皇皇后両陛下との御会見が既に行われ,宮中晩餐が行われる予定です。河野外務大臣は,随行していますミン副首相兼外務大臣とワーキングランチ形式の日・ベトナム外相会談を行いました。明日は,日・ベトナム首脳会談が行われ,安倍総理夫妻主催の昼食会が行われる予定です。また,1日午後,クアン国家主席夫妻は,ベトナム日本外交関係樹立45周年記念レセプションに出席され,このレセプションには天皇皇后両陛下も御臨席になる予定です。翌2日午前には,天皇皇后両陛下のお別れの御訪問を受けられ,その後,帰国の途につかれます。

(3)草の根・人間の安全保障無償資金協力誕生30周年

【丸山外務報道官】平成元年(1989年)5月30日に「小規模無償」として始まった草の根・人間の安全保障無償資金協力が,本日,誕生30周年を迎えました。  草の根・人間の安全保障無償資金協力,略して草の根無償は,小規模ではありますが,現地の政府ではなく,NGOや地方公共団体等が開発上の様々なニーズに見合った支援活動を行うことをサポートする日本独自の支援制度です。
 草の根無償は,開始当初は32か国でスタートしました。30年の間に支援の枠をどんどん広げ,現在では対象となっている国・地域は140を超えています。また,実施した案件数も,3月末までで累計28,000弱に達しました。

日米首脳会談

【共同通信 鳥成記者】今日の午前中の外務委員会でも,大臣,答弁されていましたが,6月7日のワシントンでの日米首脳会談,調整中ということなんですけれども,その後にすぐ,G7サミットが控えている中で,あえて今ワシントンで首脳会談をする意味合い,それから実現すればどのような議題について話し合いたいというふうに,今考えていらっしゃるのか,その辺りをご紹介いただけますでしょうか。

【丸山外務報道官】5月28日の日米電話首脳会談において,米朝首脳会談の前に日米首脳会談を開催するということで,両首脳で認識の一致をみたところであります。従いまして,諸般の事情が許せば6月7日にワシントンD.C.で実施する方向で現在調整中であります。
 その意義ということですけれども,我々としては,現在,米朝間で米朝首脳会談実施に向けて準備が進められていると承知しておりますので,そういった米朝首脳会談において,核・ミサイル,何よりも重要な拉致問題が実質的に前進する機会になる,これが大事だと考えています。そして,問題の解決に資する会談となるように,この米朝首脳会談に向けても政府としてもしっかり対応していきたいと考えています。

日朝外相会談

【朝日新聞 田嶋記者】一部,報道で,日朝外相会談を8月に開催する検討に入って,すでに北朝鮮側に開催を打診したという報道がありましたけれども,この事実関係はどうでしょうか。

【丸山外務報道官】ご指摘の報道は承知しておりますが,現在の段階で確か報道ではASEAN関連の外相会議ということでしたが,それへの出席も含めて,何ら決まっていないということです。

【朝日新聞 田嶋記者】大臣,午前中の委員会で,誤報だと答弁してましたけれども,それは,報道官の認識とは。

【丸山外務報道官】何ら決まっていないということです。

日・ベトナム首脳会談

【毎日新聞 田辺記者】ベトナム,明日,会談ということですけども,日本にとってベトナムというのはどういうパートナーであって,今度の会談でどのようなことを期待するか,お願いします。

【丸山外務報道官】明日,首脳会談が行われますので,首脳会談の中身について,私の方から予断することは差し控えたいと思いますけれども,ベトナムとの関係では,「広範な戦略的パートナーシップ」というものを我々は結んでおり,これに基づいて,様々な関係を強化していこうということになります。
 特に,今回考えているのは,国民間の信頼関係の強化ということで,国民生活に裨益するような協力を拡大していきたいということと,人的文化交流を更に拡大していくということ,それとともに,先ほど申し上げましたが,「自由で開かれたインド・太平洋の下での連携・協力強化」を図りたいと考えております。これは更に申し上げますと,例えば安全保障とか,防衛分野における関係強化ですとか,地域の連結性強化に資する経済関係の進展ですとか,あるいは地域・国際社会における連携強化,こういったことを「広範な戦略的パートナーシップ」の下でやっていきたいと考えております。

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