記者会見
河野外務大臣会見記録
(平成30年5月29日(火曜日)9時22分 於:官邸エントランスホール)
北朝鮮情勢(米朝首脳会談関連)
【記者】米朝首脳会談に関してですが,先週,トランプ大統領が12日の中止を一旦表明してから,外交,両国の間で非常に活発な動きが見られます。こういう動きになっているのをまずどのように捉えていらっしゃいますか。
【河野外務大臣】一つ一つの動きで左右される必要は全くないと思います。国際社会として大切なのは,きちんと北朝鮮に対する国際社会の一致した圧力をかけ続けるというのが大事なことですから,これは会談があろうがなかろうが,あるいは会談が行われた後も,北朝鮮がCVIDを達成するまで,しっかり圧力をかけるというのが大事なことで,一つ一つの動きで何か物事が左右されるわけではないということをしっかり確認しておく必要があると思います。
【記者】大臣は24日の翌日のぶら下がりではですね,その当時では,北朝鮮の非核化に対するコミットメントが見られないんじゃないかと,そういう判断をアメリカがしたんじゃないかということだったんですが,この前の南北の2回目の首脳会談では,完全な非核化を表明したというあれがありましたけれど,非核化のコミットメントが進んだというふうにお考えでしょうか。
【河野外務大臣】それは,米朝のシンガポールでの会談があれば,そこである程度はっきりするだろうと思います。
【記者】米朝首脳会談というのは,日本政府としても重視している,拉致,核・ミサイルの包括的解決という意味ではですね,重視されていると思いますが,その首脳会談に対する日本政府としての関わり方なんですが,これは例えば,部隊を派遣するとか,そういったことも含めて,今どういうふうにお考えになっていますでしょうか。
【河野外務大臣】実際に行われるかどうかを最後まで見極めながら,しっかり対応するところは対応していきたいと思います。
【記者】今の米朝首脳会談に関連してなんですが,昨日の講演の中で,南北,中朝が行われて,米朝がセットされている中で,日朝がセットされていないじゃないかというコメンテーターの批判があると,それへの反論としてメキシコ,スウェーデンもセットされてないじゃないかというふうなことをおっしゃっていましたが,日朝間には何よりも大切な拉致問題があって,去年は解散の大義にまで掲げられた問題なので,日朝間でセットされてないというのと,メキシコ,スウェーデンを同列に扱うのはどうかという意見もあります。
【河野外務大臣】要するに,国際社会の中でアメリカが代表して北朝鮮と会談をする。そういうことを申し上げたわけです。
韓国国会議員の竹島上陸
【記者】日韓関係で,昨日,韓国の国会議員が竹島に上陸しました。日本政府は抗議していますが,大臣の受け止めをお願いします。
【河野外務大臣】我が国の立場と全く相容れないことですので,そこは強く抗議をいたしました。
米朝首脳会談関連
【記者】米朝首脳会談に合わせて,開かれればなんですが,大臣がシンガポールに行かれることも調整されているのでしょうか。
【河野外務大臣】承知しておりません。
ベネズエラ大統領選挙
【記者】ベネズエラの選挙についてお尋ねします。選挙に至るプロセスに問題があると言わざるを得ないというふうに,南米でご発言されましたけれども,同じように,野党を解党したりするカンボジアに対しては,違うスタンスを取っているように思います。日本,カンボジアにこれまでコミットしてきたステイクとですね,ベネズエラは違うと思いますけれども,公正な選挙と言い切れない選挙が行われるかもしれない両国に対して,態度が違うのは一貫性が問われるんじゃないかと思いますけれども,大臣のお立場はどうでしょうか。
【河野外務大臣】ベネズエラではそのまま選挙が行われましたけれども,カンボジアはまだこれからですから,日本としては,カンボジアに引き続き,きちんと国民の意思が反映された選挙をするように働きかけをしているところです。
北朝鮮情勢(会見での大臣の発言)
【記者】同じく,南米のブエノスアイレスで,大臣ぶら下がりの中で,メディアが何かあるとすぐに北朝鮮や拉致問題と書く,というようにおっしゃいました。拉致問題や北朝鮮は,日本外交の一丁目一番地でもあると思うんですけれども,改めて,大臣の報道の北朝鮮や拉致問題の割合やバランスについて,大臣のお考え,もう一度お願いします。
【河野外務大臣】中南米政策についてのスピーチをしているにもかかわらず,北朝鮮のことにしか記事が触れないということについて,私(大臣)は申し上げたわけです。