記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(平成30年5月23日(水曜日)18時01分 於:米国・ワシントンD.C.)

冒頭発言

 今日は,ポンペオ国務長官と日米外相会談,それと,ボルトン大統領補佐官と会談をいたしました。その他に,上院のシェルビー歳出委員長,これは私の昔の上司ですけども,ご挨拶に伺いました。
 ポンペオ長官とはアンマン以来二度目の会談になります。また,ボルトン補佐官とは初めてお目にかかりました。お二人とも,北朝鮮の問題について,特に起こるべき,あり得べきシンガポールの米朝首脳会談に向けて,日米役割分担その他,少し突っ込んだやりとりをさせていただきました。核ミサイルのCVIDに向けた取り組み方,あるいは,拉致問題に関してこれまでの米朝のやりとりなどについて,情報交換,意見交換をいたしました。引き続き,日米で緊密に情報交換をしながら北朝鮮問題にしっかりと当たっていきたいというふうに思っております。
 また,先般ポンペオ長官からアナウンスがありましたが,イランのJCPOAに関しても,日本側の立場を説明し,今後の対応についても少し協議をさせていただきました。その他,日米の外交の責任者として,直面している課題についてもやりとりをさせていただきました。

質疑応答

【記者】非核化に向けた具体的な手法やですね,また,その期限ですね,これの考え方について日米の間で考え方,収斂できたのでしょうか。

【河野外務大臣】もともと,日米の間で,この核とミサイルの問題,このCVIDについては差がありませんでしたから,具体的にそれをどうシンガポールへ持って行くのか,シンガポールでどのような合意をその後どうしていくか,少し突っ込んだやりとりをさせていただきました。

【記者】その内容については。

【河野外務大臣】内容についても日米一致してます。

【記者】トランプ大統領がですね,米朝首脳会談の延期の可能性について言及していますけど,これについて大臣,どのように受け止めておられるのかということと,今後日本政府として,そうしたこう発言を踏まえまして,対応というのはどのようにしていくつもりでしょうか。

【河野外務大臣】恐らく,ただ会って話をするというだけでなくて,北朝鮮がなんらかの明確なコミットメントをする必要があるんだろうと思いますし,トランプ大統領がおっっしゃっているような,条件が整わなければそもそもシンガポールで会談をやる意味がないということなんだろうと思います。会談をやることが目的なのではなく,北朝鮮の核やミサイルの問題を解決する,拉致問題を解決する,それが究極の目的ですから,シンガポールの会談が行われるかどうかに拘わらず日米は緊密にこの北朝鮮問題の解決に向けてともに努力をして参ります。

【記者】また,北朝鮮がですねアメリカなどのメディアを招きまして,核実験場の廃棄を公開するとしています。こうした動きがですね,完全な非核化につながるとお考えでしょうか。

【河野外務大臣】北朝鮮が少なくとも非核化に向けて行動をしようとしているということは一歩前進だというふうに歓迎を致しますが,本来なら記者だけでなくまず専門家がきちんと核実験場をどういうふうにやっていたのか,どのように閉鎖するのか,そこはしっかりと専門家を入れて本来やるべきなんだろうというふうに思っています。この北朝鮮のせっかくの一歩がただのショーに終わらずに,非核化に向けてきちんとしたステップになることを期待したいと思います。

【記者】また,拉致問題ですけれども,拉致問題の解決に向けて,日朝首脳会談を行う必要性ですけれども,米朝首脳会談後に行われるべきだとお考えでしょうか。

【河野外務大臣】拉致問題は最終的には日朝二カ国で解決しなければならない問題だというふうに思っておりますが,別に首脳が一回会ったからといってそれで解決するという問題ではないのかもしれません。いろんなやり方はあるだろうと思いますが,まず米朝の首脳会談の結果をしっかりと見極めたいと思います。

【記者】今日ポンペオ長官,議会の公聴会でですね,今月北朝鮮を訪問した際に,金正恩委員長の方から世界各国からの体制保証を求められたと証言しました。今日そのことが外相同士の会談の中で議題になったのか,また日本政府として確約を求められた場合にどう対応するのかお聞かせください。

【河野外務大臣】どういう形で体制保証するかというのは一つの大きなテーマだというふうに思います。どういうふうに保証するかというのは,今,長官も大統領もおっしゃっていないだろうと思いますので,それはシンガポールの首脳会談,あるいはその後の発表を待ってから申し上げるべきだと思います。

【記者】先ほど大臣のお考えとして,米朝首脳会談については,会談を行うことが目的ではなく,非核化のプロセス,拉致の問題の解決につながることが重要だというお考えを示されましたが,この点はポンペオ国務長官通じてボルトン補佐官にも同様の形でお考えを直接お伝えになったのでしょうか。

【河野外務大臣】いえ,考えを伝えたというよりも,もうそうしたことはすでに日米で一致した考えです。

【記者】今回それで改めて確認は。

【河野外務大臣】いえいえ,ずーっと日米はこういう話をしてきていますから,もうそんなことは済んでる話です。

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