記者会見
河野外務大臣会見記録
(平成30年5月8日(火曜日)9時32分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言
日露次官級協議
【河野外務大臣】5月11日,モスクワにおきまして,森健良外務審議官とモルグロフ外務次官との間で日露次官級協議を行います。
日露の二国間関係全般,北方四島での共同経済活動を含む平和条約締結問題,あるいは国際情勢等について議論が行われる予定です。
今月末の安倍総理の訪露を直前に控えて,有意義な会議にしてまいりたいと思っております。
日中韓サミット
【記者】明日,日中韓3か国サミット開かれますが,南北,米朝のちょうど間というタイミングになりました。特に北朝鮮問題について非核化に向けた進展や,それと日本などが求めているCVIDの達成,これについて共通認識が図れるというふうにお考えでしょうか。
【河野外務大臣】この日中韓サミットは,日中韓サミットとして単独開催をするようになってからちょうど10年目,開催自体は7回目ということの一つは節目の年でもありますし,2年半ぶりに開催をされるということで,日中韓3か国の交流を促進する,あるいは日中韓FTA,RCEPといった経済的な活動の促進に向けて大きな期待をかけていきたいと思っておりますし,もちろん北朝鮮問題についても首脳間で様々議論が行われることになると思っております。北朝鮮の大量破壊兵器,あるいはミサイルについてのCVIDについて様々議論がされることになろうかと思います。
【記者】非核化の道のりというか,道筋に関して歩調を合わせられるというふうにお考えでしょうか。
【河野外務大臣】まず,非核化については米朝でやることになろうかと思いますので,北朝鮮のことは様々議題にのぼり,いろいろ議論がなされると思いますが,具体的に何がということは今の段階で予断をもって申し上げるのは差し控えたいと思います。
イランの核問題に関する包括的共同作業計画
【記者】イラン核合意なんですが,近くトランプ大統領がその判断を示すとされています。様々な反応が出ていますし,トランプ大統領は不十分だと示している中で,その判断によってこれまでの日本の対応,変わることがあるのか,またその判断が,特に北朝鮮の非核化ということを目指している中で,そういったものに影響を与える可能性ということ,どういうふうにお考えでしょうか。
【河野外務大臣】日本は,このイランの核合意,JCPOAを支持するという立場をこれまでも明確にしておりますし,私(大臣)も先般,ポンペオ国務長官にお目にかかったときに,その立場を申し上げたところでございます。アメリカの政府の判断というのが近くあると思いますが,いずれにしろその決定を待ちたいと思っておりますし,日本政府としてこのJCPOAを支持するという立場に,今の時点で全く変わりはございません。
日中首脳会談
【記者】中国の国務院総理,8年ぶりの訪日ということで,今の日中関係の現状,どう見ていらっしゃるか,そして今回の日中首脳会談への日本側の期待をお聞かせください。
【河野外務大臣】8年ぶりに,前回は2010年でしたか,温家宝(おん・かほう)総理がいらっしゃって以来ということで,日中関係が様々改善をされている,ハイレベルの交流が始まりつつあるという状況になっていると思います。公賓として李克強(り・こくきょう)総理に訪問いただきますので,様々,東京そして北海道へ行かれると聞いておりますので,日本の今の姿をご覧いただいて,また日中韓サミット,あるいは日中首脳会談,前向きな二国間の議論が期待をされると思います。
男女共同参画
【記者】女性の政治参画についてお伺いしたいのですけれども,現在,男女共同参画の推進法案が審議中でありますが,世界中で,日本は193か国で159番目と,女性の議員が10%近いという世界的にも遅れた状況なんですけれども,この法案が審議されることによって女性と男性の数を両方均等にしようという法案なのですけれども,これの意義,必要性について大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
【河野外務大臣】男女ほぼ同数,日本国民の中でいるわけですから,様々な分野で男女が同じように活躍ができるという場を作っていく,そのためには最初,少し後押しをする必要はあるんだろうと思っております。
国政のみならず,都道府県政あるいは市町村,様々な場面で議員の男女比が同じようになるというのは,一つ大事なことだと思いますし,私(大臣)の地元の大磯町は,全国でも非常に珍しく女性議員の方が町議会で多いという,今,同数になっているのかもしれませんが,大磯町はそういう意味では先進的な所でありましたので,是非皆さんにも大磯議会,取材をいただいて活性化ぶりを見ていただきたいと思います。
ロシア・プーチン大統領の就任
【記者】ロシアのプーチン大統領の就任式が昨日行われ,4期目をスタートさせました。2024年までの長期政権を手に入れ,北方領土交渉を進めるための政治決断ができる環境が整ったとも考えられますが,11日のモスクワでの次官級,総理の訪露を含め,今後,領土交渉,平和条約締結交渉をどのように進めていくか,改めて教えていただけますか。
【河野外務大臣】日露の首脳がしっかりと北方四島の帰属の問題を解決し,平和条約を締結しようという決意を過去されて,様々なプロジェクトが進んできておりますので,プーチン(大統領)・安倍(総理)で平和条約の締結に向けて,総理の5月末のあり得べきロシア訪問もございますので,大きく動かせる年にしていきたいと思っております。
イランの核問題に関する包括的共同作業計画
【記者】イランの関係で重ねて伺いたいのですけれども,先日,ヨルダンのアンマンでポンペオ長官と初めて会談なさって,アメリカとしてどのように対応するのかという感触をつかみになったのかということと,最近,フランス,ドイツの首脳ですとか,イギリスのジョンソン外相もワシントンを訪問して,いろんな働きかけをしていますけれども,日本としてそのJCPOAを支持する立場からすると,ヨーロッパの努力というのをどのようにご覧になっているでしょうか。
【河野外務大臣】ヨーロッパが様々アメリカに働きかけをしているという努力は,敬意を表したいと思いますし,先般のG7でも,日本とヨーロッパはJCPOA支持ということで一致をしております。アメリカがどのような決断をするかというのは,これは私(大臣)から今予断をもって申し上げる場合ではないと思いますので,アメリカの政権の決断,発表を待ちたいと思っております。