記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(平成30年4月30日(月曜日)9時20分 於:ヨルダン・アンマン)

冒頭発言

【河野外務大臣】今朝8時10分(日本時間14時10分)からマイク・ポンペオ米国新国務長官と会談を行いました。
 私から,国務長官就任へのお祝いを述べた後,北朝鮮問題を中心に南北首脳会談など,様々な北朝鮮に関連する話題を話しましたが,前向きな動きがあることは歓迎しながらも,米朝の首脳会談への対応へ向けた今後の方針についてのすりあわせを行いました。北朝鮮のCVIDに向けての具体的な行動が大切であるということと,最大限の圧力を維持していくという方針について何ら日米間違いはございません。先般,安倍総理訪米の際に拉致問題を取り上げるということで合意したことを踏まえ,拉致問題の解決に向けて日米でどう協力していくかという話をいたしました。北朝鮮から具体的な行動を,米朝首脳会談などを通じて引き出していくために,日米韓三カ国で緊密に連携していくことでも一致いたしました。
 そのほか,中東情勢,イランなどについても話題に上りました。
 以上です。

質疑応答

【記者】ポンペオ長官は,金正恩(キム・ジョンウン)委員長と直接協議をしてきた中で,いわゆるCVIDを達成できるかどうかということに関してはどういうふうに感じていたのか,そういったやりとりはあったのでしょうか。

【河野外務大臣】ポンペオ長官の北朝鮮訪問について,あるいはその中での金正恩委員長とのやりとりについてもいろいろと話をいたしました。CVIDに向けて様々ハードルは残っているがそれを実現していかなければならないということで一致しております。

【記者】拉致問題に関連してなんですが,昨日も伺いました,金委員長が日本との対話にも前向きといわれる中で,拉致問題について,どういった協力を米朝首脳会談の中でしてもらいたいか,大臣としてはどういうふうにお考えになって,先方はどういう意向をお持ちなのでしょうか。

【河野外務大臣】拉致問題をどのように,これから北朝鮮と,米朝あるいは様々な方向でやっていくかについても話をいたしましたが,これは手の内を明かすことになりますので,差し控えます。

【記者】そもそもなんですが,ポンペオ長官は,米朝首脳会談の協議を進めている当事者なんだと思うんですが,その米朝首脳会談に対する期待感とかですね,大臣自身が新しい国務長官との関係構築に対してどのように感じられたでしょうか。

【河野外務大臣】非常に明晰に話をされる方だと思います。G20その他様々な場面でまたいろいろな話し合いをしていきましょうということになりました。米朝の会談に向けて様々リーダーシップをとっていかれると思いますが,難しい問題ではありますが前向きに取り組んでおられる様子がはっきりわかりましたので,しっかりと連携していきたいと思います。

【記者】CVIDに向けて大臣自身はタイムラインとして2020年までに実現したらどうか,というのを示されていて,他にも半年以内とか,一年以内とかいろいろな案が取りざたされています。その点について,今回の会談で一致したり,或いはこうしていこうというような方針みたいなものは何か感じられたでしょうか。

【河野外務大臣】タイムラインについてはこれまでもいろいろな話がありますが,そろそろ日米韓で収斂をしてく時期だろうと思っています。これをどう考えるか,というのは米朝でやる話ですので,それ以前に私からは申し上げるのは差し控えたいと思います。

【記者】米朝首脳会談につき,開催の場所ですとか,時期も含めてなんですけど,その辺のやりとりはあったんでしょうか。

【河野外務大臣】時期,場所については非常に機微な話ですので,申し上げるのは差し控えたいと思います。

【記者】冒頭でおっしゃいました中東情勢というのは,具体的にイスラエル,パレスチナ,或いはこの地域の和平に関する話題ということでしょうか。

【河野外務大臣】中東和平に関する話もいたしましたし,昨日のJAIPに関する4者の閣僚会合についても話をいたしました。また,イランのJCPOAについても話題になりました。

【記者】JCPOAについては大臣からどのような意向を伝えられ,タカ派と呼ばれるポンペオ長官からどういった反応があったのでしょうか。

【河野外務大臣】先方の反応については私から申し上げるべきではないと思いますが,5月12日に向けてアメリカ政府で様々な準備を進められていると認識しております。

【記者】米朝首脳会談について,トランプ大統領は,意欲は示しつつも,成果があがらないのであれば私は席を立つ,というようなことを述べています。今日のポンペオ長官との会談で,ポンペオ長官は,直接,金委員長とも会われたわけですが,首脳会談に向けての自信というのはどのように感じられましたか。

【河野外務大臣】難しい問題であると認識されていると思いますが,しっかりと前向きゴールに向けて進んでいかなければいけないと認識されているんだろうというふうに,私は感じました。

【記者】(ポンペオ長官は)直接の交渉相手として金委員長とやってこられたわけですが,言葉の信憑性とか,交渉が出来る相手として(金委員長を)見ているのか,その点についてはどのように感じられましたか。

【河野外務大臣】おそらくそういうふうに判断されていなければ,米朝首脳会談というふうに,ここまではこなかったんだろうと思います。実際にあって話をされた時の様子もうかがいましたが,これから,米朝,しっかり準備が進んでいくんだろうと思います。

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