記者会見

河野外務大臣会見記録

(平成30年4月13日(金曜日)8時26分 於:官邸エントランスホール)

トランプ米国大統領のTPP復帰検討指示

【記者】トランプ大統領がTPPの復帰を指示したということですが,受け止めをお願いします。

【河野外務大臣】日米で21世紀に必要な高度なルール作りをやっていこうということでございましたので,もし本当に,アメリカがTPPに復帰をしてくれるなら,非常に喜ばしいことだと思います。

文在寅韓国大統領の訪日

【記者】大臣が韓国を訪問したときに,文在寅(ムン・ジェイン)大統領の単独訪日を要請して,それに前向きだったという報道が出ていますけれども,事実関係をお願いします。

【河野外務大臣】あらゆる機会を捉えてハイレベルの相互訪問をやっていきましょうということで一致をいたしました。

【記者】単独の訪日は,事実だということでよろしいですか。

【河野外務大臣】要するに,あらゆるレベルで相互訪問をしっかりやっていきましょうということでございます。

化学兵器禁止機関(OPCW)の調査報告書

【記者】イギリスで起きたロシアの元スパイ襲撃事件をめぐって,OPCWが神経剤はロシアが開発したというイギリスの調査結果を事実上追認するような形を出しました。日本政府はこれまで真相究明が先だという立場だったと思いますけれども,今回のOPCWの結果を受けての改めて現時点でのお考えを教えていただけますか。

【河野外務大臣】化学兵器が使われたことなのだろうと思います。日本政府として,化学兵器を使用することへの敷居が下がっていることを深く憂慮し,化学兵器が使用された場合には,使用した者が厳重に処罰されねばならないと考えております。
 OPCWが物質を特定いたしましたが,誰がその物質を使ったかというところまでは至っておりませんので,早急な事実関係の解明を望みたいと思います。

王毅国務委員兼外交部長の訪日

【記者】今度,中国の王毅(おう・き)外交部長が国務委員に就任されてから初めて来日するということで,外相会談の中でどのようなことを取り上げる予定でしょうか。

【河野外務大臣】日中の外相の相互訪問が実現するのは,恐らく9年ぶりぐらいになるのでしょうか,様々二国間の懸念事項を取り上げるだけにとどまらず,日中が国際社会の中で協力してやっていくべきことについても話し合いができればいいなと思っています。

【記者】今回,日中経済対話もやるということなんですが,そこで議長としてどのようなことを取り上げるのでしょうか。

【河野外務大臣】日中の経済のハイレベル対話は,しばらく中断をしておりましたので,それを再開することができるというのは非常に喜ばしいことだと思っております。その中で気候変動の問題ですとか,あるいはそのほか様々日中が第三国において協力できるようなことについても話し合いをしたいと思っておりますし,もちろん日中間の経済分野における懸案事項についてお互いしっかり議論をしてまいりたいと思います。

【記者】パンダの要請の話はどうなったでしょうか。

【河野外務大臣】それは,恐らく環境省かなんかに聞いてもらった方がいいと思います。

【記者】国際社会の中で協力してやっていきたいことというのは,具体的にどういったことですか。

【河野外務大臣】そろそろ,日中,世界第2,第3の経済大国ですから,日中両国の問題だけを日中で話し合うだけでなく,世界的な課題,地球規模の課題について日中両国が協力してできるようなことを議題として取り上げて,日中両国で何が一緒にできるかという議論をしていきたいと思います。

【記者】北朝鮮問題についてはどうでしょうか。

【河野外務大臣】北朝鮮問題については,外相会談の中で当然議題になると思います。

【記者】方向性としてはどういう見通しですか。

【河野外務大臣】それは予断を持ってとやかく申し上げるべきではないと思います。

トランプ米国大統領のTPP復帰検討指示

【記者】TPPについてですが,トランプ大統領が今までも再交渉の上で見直して検討するというのは言っていたのですが,これまでの主張とはまた違ったものになるということですか。

【河野外務大臣】トランプ大統領が今回どのようなことでおっしゃっているかというのは分かりませんが,TPPは一部だけを取り出して再交渉というわけにもいかないと思いますし,TPP11の早期発効を目指しておりますので,まずアメリカがどう考えているのかというところを話を聞くということだろうと思います。

【記者】政府として何か把握されていることは,今のところないということでしょうか。

【河野外務大臣】何かそのような発言がされたという報道は承知しております。

化学兵器禁止機関(OPCW)の調査報告書

【記者】OPCWの件ですが,欧米諸国はロシアに対して厳しい措置を取っていますが,今回の調査結果をもって日本政府の対応というのは,なにがしか対応というのはされるおつもりなんでしょうか。

【河野外務大臣】OPCWの報告書に化学式が出ているのは拝見をいたしまして,化学兵器ということは裏付けられたのだろうと思います。誰がどのような形で使用したか,という事実関係の解明を待ちたいと思っています。

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