記者会見
河野外務大臣会見記録
(平成30年4月6日(金曜日)8時44分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言
アジア大洋州局の改編
【河野外務大臣】最近の諸課題への対応における日韓の連携の強化の必要性,北朝鮮による核・ミサイル開発の進展,拉致問題への取組の強化などの重要性が高まっていることを受け,また北朝鮮関係で担当者の業務量が異常に増えていることもあり,今般,これまで韓国及び北朝鮮の両方を所掌してきた北東アジア課を分割し,北東アジア第一課が韓国情勢,日韓協力等,北東アジア第二課が北朝鮮情勢,日朝関係等を所掌するように調整していくことにいたしました。この夏にも正式に,2課立ち上げられるように努力してまいりたいと思います。
北朝鮮情勢(北朝鮮による六者会合復帰表明)
【記者】一部報道で,先日の中朝の首脳会談が行われた際に,金正恩(キム・ジョンウン)委員長が六者協議への復帰を伝達したというものがあるのですけれども,これについて六者協議の受け止めをお願いいたします。
【河野外務大臣】発表されていないことについての報道について,いちいちお答えするのは差し控えたいと思います。北朝鮮関係については,南北,米朝の首脳会談などの様子を見ながら,内容をしっかり見ながら,最善と思える方法を国際社会で取ってまいりたいと思います。
中露外相会談
【記者】中国の王毅(おう・き)外相と,それからロシアのラヴロフ外相が会談をしまして,北朝鮮に関して金正恩委員長の言っている段階的な非核化ということに関して理解を示すようなことで一致したというように報じられています。今後,中国,ロシアがプロセスにかなり関与の度合いを深めている中で,どのように日本としては対応していきたいかということと,また北朝鮮の明確な非核化へのコミットメントを求める日本としては,同じ立場であると言える米国や韓国に改めてどのように連携していくことになるでしょうか。
【河野外務大臣】まず北朝鮮の明確な非核化へのコミットメントというのを国際社会として確認をする必要があると思います。現時点で,何ら北朝鮮から公式な発表もないわけですから,南北,米朝の首脳会談などで,この北朝鮮の明確な非核化へのコミットメントを確認する,全てはそこからスタートすることになろうかとは思います。
アジア大洋州局の改編
【記者】北東アジア課の組織改編のことなんですけれども,外務省として夏に変わるということですか。南北や米朝を控えた今日,このタイミングで発表されている狙いというのは。
【河野外務大臣】そろそろ一つの課の体制でやるのは,限界かなという状況にもなっておりますので,実際には,予算,人事,その他ありますから,すぐにというわけにはいきませんが,なるべく早く対応していきたいと思います。
北朝鮮情勢(北朝鮮による六者会合復帰表明)
【記者】六者協議についてなんですけれども,日本人拉致問題を取り上げるには,六者協議ではなくて,大臣がおっしゃっているようにアメリカを代表とした窓口で,米朝に話し合ってもらいたいという立場でしょうか。
【河野外務大臣】中身については,南北,米朝の首脳会談の内容を見ながら,様々最善な方法を国際社会として取っていきたいと思います。当然その中には,核・ミサイル,拉致問題,拘束者の問題,そうしたものが入ります。
【記者】康京和(カン・ギョンファ)さんは,拉致問題は南北で取り上げるということは明言してないんですけれども,むしろちょっと言葉を濁していると,これについて。
【河野外務大臣】南北,米朝でどういうことをどのようにやるかというのは,こちらの手の内でもありますので,そこは当然に,国際社会でしっかり連携しながら,手の内を明かさずに臨むことになろうかと思います。