記者会見
河野外務大臣臨時会見記録
(平成30年3月29日(木曜日)15時54分 於:大臣接見室前)
冒頭発言
【河野外務大臣】ただいま,賢人会議の白石座長から,11月,それから今週の月曜日,火曜日,御議論を頂いてとりまとめを頂きました賢人会議の提言を頂戴をいたしました。北朝鮮の核問題,イランのJCPOAの問題,あるいはアメリカの新しいNPR,ロシアの核戦力の増強,あるいは中国の不透明な核戦力のあり方といった様々な核にまつわる問題がある中での御議論を頂きました。政府としては国際的な安全保障環境が悪化をする中で,また核軍縮を巡るそれぞれの国の立場が異なっている中で,この賢人会議を開催をし,政府として核兵器国と非核兵器国の間の橋渡し,あるいは非核兵器国の間も様々分かれている,差がある中で,そうした国の間の橋渡しをしっかりしていきたいということで,広島で被爆の実相に委員の皆さんに触れて頂き,また東京の議論の時にはワーキングディナーに私も出席をして,意見交換をさせて頂きました。今回の提案をですね,賢人会議の皆様から頂きましたので,核の無い世界の実現に向けて,異なるアプローチをどう収斂していったらいいか,そういう中での提言で,一つには礼節をもった議論をやろうというのが少し目につきますが,そういう中でこの提言を参考にして,日本政府としても次の4月のNPT準備会合の第2回委員会に事情が許せば私も出席をして,日本の立場をしっかりと国際社会に訴え,国際社会の賛同を得られるようにして参りたいというふうに思っております。委員の皆様には改めて感謝を申し上げるともに,ハードクエスチョンといわれるような,中長期の課題もまだ残っておりますので,引き続きこの賢人会議を開催させて頂いて,次の議論もお願いをしたいというところでございます。
質疑応答
【記者】今回の提言を受けて,非核化に向けてどのように日本として主導権を発揮していこうとお考えでしょうか。
【河野外務大臣】今日頂いた提言をまずしっかり理解をし,日本の政府としての立場というものを作っていきたいというふうに思っております。NPTのプロセスが大切だということは,賢人会議の委員の皆様も広く共有されていたところでございますので,今度のNPTのプロセスに日本としてもしっかり参画をして参りたいというふうに思います。
【記者】非核化という流れの中で,南北首脳会談が4月27日に行われることで合意されました。大臣としてはどのような議論を期待されますか。
【河野外務大臣】日米韓しっかり連携をしながら北朝鮮の非核化,朝鮮半島の非核化に向けて,現実的な北朝鮮の行動が生み出されるようなことに,この南北の首脳会談,そして米朝の首脳会談がつながっていくように,国際社会でしっかり連携をして参りたいと思います。
【記者】信頼醸成ということが提言の中でされていますけれど,大臣ご自身としてその信頼醸成に向けて具体的にどういう行動をとられるかということを教えてください。
【河野外務大臣】やはりしっかりと現実を直視し,礼節ある対話,議論というのが大事なのだと思います。それぞれ立場が相当にこの賢人会議の委員の皆様の中でも,立場が異なっている方がいらっしゃいましたが,座長が時折弱音を吐かれていたこともありましたけども,それでもしっかりとこういう提言をまとめて頂いたというのは,これは賢人会議の人数が少なかったからまとまったというのではなくて,やはり核兵器の無い世界をみんなが見据えてしっかりと議論をしていく中で,立場は違っても議論を収斂することが出来るということだと思いますので,これは賢人会議だけでなく,国際社会でもやはりきちんと議論をしていくというのが大事だというふうに思います。