記者会見
河野外務大臣会見記録
(平成30年2月20日(火曜日)8時38分 於:官邸エントランスホール)
気候変動に関する有識者会合
【記者】昨日ですが,気候変動に関する有識者会議から提言を受けられました。再エネ外交の日本,先頭に立つようにという内容が盛り込まれていますが,これを受けて大臣,どのような外交を取り組んで行かれるのかお願いします。
【河野外務大臣】有識者の皆様に最新の国際動向を踏まえて,かつ幅広いデータに基づいた提言をお願いしたところ,大変お忙しい方たちに毎週一回集まっていただいて,かなりのハイペースでエネルギーに関する提言をまとめていただきました。
これから政府部内でも様々な議論が行われますが,そこの参考にしたいと思っておりますし,また気候変動,国際的にも様々な場面で本当に取り上げられる大きな問題になっております。日本の外交の中にそういった視点をしっかりと盛り込んでまいりたいと思っております。
4月には気候変動全般についてのご提言を頂けるということでしたので,それも楽しみにしたいと思います。
日中外務大臣の外国訪問国数の差
【記者】大臣はよく日本と中国の外務大臣の訪問国数が圧倒的に違うというお話をされますが,日本の国会で大臣が長時間着席を強いられるということが,どの程度日本の外交に悪影響を及ぼしているかをお聞かせください。
【河野外務大臣】よく申し上げるのは,前任の岸田外務大臣と私(大臣)で5年間で110か国訪問をしている間に,中国の王毅(おう・き)外務大臣は約270か国訪問されているという,この差をやはりこのままにしておくのは好ましくないと思っております。
ただ,日本と中国は政治体制が違いますから,一概に同じように比べるわけにはいきませんが,様々効果的,効率的な外国訪問のやり方というのを考えていきたいと思っているところです。
【記者】実際に,国会によって大臣の外遊などに影響を及ぼした事例がありましたらご紹介いただけますか。
【河野外務大臣】国会で,日本外交についてきちんとご説明申し上げるというのも大切なことですから,しっかりと外交をやりながら国会でそれについてご説明を申し上げ,日本外交を動かしていきたいと思っております。
【記者】大臣の方から国会の方へ国対などへの働きかけというのは考えていらっしゃいますでしょうか。
【河野外務大臣】日本の外交,これまでと違ってODA世界一というわけでもありませんし,中国の経済力が大きくなり,様々な新興国の経済が大きくなっていく中で,これまでと少し違った外交のやり方を迫られるということになってくるのだろうとは思っております。そういう中でいかに効果的,効率的に日本の外交をやるかというのは外務省の責任者としてしっかり考えていきたいと思います。
【記者】訪問件数がかなり中国と差があるということは,具体的にどういった支障というか障壁があると思いますか。
【河野外務大臣】やはりASEAN,APECなどの会合の中で議長声明あるいは共同宣言をとりまとめる際に,やはり様々影響の違いというのは出てきていると思いますし,この間のギリシャとの外相会談は20数年ぶりというのは,さすがに外相会談が20年もないとですね,両国間の関係というのが強くならないというのは現実としてあるのだろうと思います。そういう意味でしっかりと対応できるように頑張ってまいりたいと思います。
広島県廿日市沖での米軍ヘリ訓練
【記者】昨日ですね,広島県の廿日市沖でですね,米軍ヘリが低空飛行などの訓練を行ったということで地元自治体がですね,日本政府に説明を要請しているのですけれども,それについて何かお聞きになっていらっしゃいますか。
【河野外務大臣】特にまだ聞いておりません。
【記者】地元自治体から何か抗議の声があれば,それについては政府として説明はされるという・・・。
【河野外務大臣】それは当然のことだと思います。
ミュンヘン安全保障会議関連
【記者】ミュンヘンでですね,北朝鮮の核開発について,大臣ご自身がセッションでですね,核開発の動機は南北統一の野心を達成するためだというふうにお話になりました。北朝鮮の核開発の動機について,これが日本政府の見解ということでいいのですか。体制保持のためだと巷間言われていることですが。
【河野外務大臣】体制を守るためと,こう言っておりますが,北朝鮮様々な場面で南北統一ということに触れておりますので,当然にそういう野心を持った核開発だろうと思っております。
【記者】アメリカ軍のハリス司令官も,先週,同様の見解を示されていますけれども,これはその日米が連携した見方ということでよろしいのでしょうか。
【河野外務大臣】北朝鮮の発言ぶり,報道を見ていれば,当然にそういう結論になるのだろうと思います。
気候変動に関する有識者会合
【記者】最初の気候変動の話に戻りますけれども,提言の中には,原発をベースロード電源とする考え方について過去のものとするとか,原発については高リスクで競争力がないというような,政府の方針とはちょっと違うなと思うような部分もあるのですけれども,そのことについてはどのように・・・。
【河野外務大臣】有識者に自由に現在の国際的な動向や,幅広いデータを踏まえた議論をしていただいておりますので,1から10まで政府の見解と同じにならなくても,それは当然のことだと思います。
【記者】有識者の提言を,政府と違う部分についても生かしていけるように・・・。
【河野外務大臣】それは政府の中の議論に,参考にさせていただこうと思います。