記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(平成30年2月15日(木曜日)15時25分 於:オーストリア・ウィーン)

質疑応答

【記者】OSCE,そして天野事務局長との会談がありました。まず,天野さんとの冒頭含めて,やりとりをお聞かせください。

【河野外務大臣】トーマス・グレミンガーOSCE事務総長,それから天野IAEA事務局長とお目にかかりました。OSCEは驚いたことに私が日本の外務大臣として初めてOSCEを訪問したということであります。OSCEは冷戦期に作られて信頼醸成を通じた安全保障にかなり大きな役割を果たしてきました。最近でもウクライナ,中央アジアに日本も協力をしております。OSCEでは欧州,それからアジアの安全保障環境について少し議論をして参りました。北朝鮮については,これはもう国際社会で一致結束して北朝鮮を非核化するために圧力を高めていくということをお互い確認をいたしましたし,また拉致問題の解決に向けて理解と協力を要請をいたしました。IAEAでは天野事務局長とお目にかかりまして,北朝鮮におけるIAEAのこれまでの経験や教訓について少し話をいただいた後,今後の非核化のプロセスにおいて,これはもうIAEAが中心的な役割を果たすべきだと思いますし,またそうなるというふうに思っておりますが,IAEAの北朝鮮担当部局の専門家から様々な活動,準備状況について説明を受けました。IAEAが北朝鮮のチームを作って,様々準備,あるいは活動をしていることを高く評価したいというふうに思っております。私からはIAEAが北朝鮮での活動を再開する場合の機材,あるいは人員にかかる初期コストを支援をする用意があるということを申し上げました。これは日本が基金として準備をしているものでございます。迅速に北朝鮮の活動を再開した場合に,初動が確保できるように一層緊密に連携をしていこうということでございます。それからイランの核合意についても忌憚のない意見交換をさせていただきましたが,日本はこの核合意を支持しております。IAEAの履行の検証・監視,こうした取組を評価しております。アメリカからミサイルあるいは地域の不安定要因といった声が上がっているのは理解をしておりますが,それはこの核合意の枠組みの外で対応されるべきものだというふうに思っております。また,天野事務局長がリーダーシップをとっていらっしゃる原子力の平和的利用,これは保険,医療,食料,水資源様々な分野で,日本が積極的にこのSDGsの達成にむけて支援をして参りたいというふうに思っております。平和のための利用に加えて,平和と開発のための核の利用というふうにIAEAがもっと変えましたけども,しっかりと開発に役に立つ原子力の平和利用をしてもらいたいというふうに思っております。

【記者】いま大臣のご発言の中で,天野事務局長との話の中で教訓を話してもらったというお話がありました。今まで2回騙されたという表現も使っていますけど,具体的にどのような教訓をこれからの非核化に向けたプロセスの中で生かしていけるというふうにお考えになっているのでしょうか。

【河野外務大臣】実際に北朝鮮に行かれた専門家の方からかなり詳しい説明をいただきました。これまで枠組み合意,それから六者会合,2度我々は騙されたと言ってもいいんだと思いますが,そうしたことが無いようにきちんと制裁を続け,北朝鮮が明確に意思を表示し,現実的な歩みを止めたときに,しっかりと交渉をし,このIAEAの査察のもとで非核化の動きが進むにつれて,きちんと国際社会もそれに対する対価というのを認めるということにしなければいけないというふうに思っております。IAEAがしっかりと査察ができるように実際現地に行った方は,冬,暖房が壊されていて,寝るときも大変だったという生々しい話もありましたけれども,IAEAの査察活動が円滑に行われるように,やはりしていかなければいけないと思いますし,人のトレーニング,あるいは機材の準備といったものはしっかりと進めて可能になったら即座に査察に入れる体制をしっかり作っていきたいというふうに思っております。

【記者】初期費用について日本政府として支援する用意があるというふうに表明されましたけれども,具体的にどのくらいの規模になるかとか,既に基金を作ってそこに拠出しているということなんですけど,拠出先というのは国際機関なのでしょうか。

【河野外務大臣】これはもうIAEAが機材を準備して入る,そのための初期コストというのがかかりますので,それを決まってから拠出を募るのでは時間がかかりますので,日本としてはまず初期コストをしっかりと支援をして,すぐにでもIAEAが入れる,そういう状況を準備してもらうことに協力をしていきたいと思っています。

【記者】それぞれの会談で北朝鮮問題を訴えたということですけど,明日もありますけど,ヨーロッパという場所で北朝鮮問題を訴える意義というのはどこにあるとお考えでしょうか。

【河野外務大臣】一つはやはり第二次世界大戦後のこのリベラルな国際秩序への挑戦というのが世界的に起こっている。その中の言わば安全保障面での一つの動きがこの北朝鮮だというふうに思います。それからもう一つは北朝鮮のミサイルというのは,アジア,東アジアへの脅威だけでなくて,既にヨーロッパのほとんどを含む国際的な脅威になっているということもあります。また,北朝鮮の制裁逃れが非常に巧妙化してきているということで,これは国際社会をあげて注意を払いながらやっていかなければいけませんし,キャパシティビルディングというのをお互い支援していくということは必要だと思いますので,そういう意味でヨーロッパにもかなりみなさん我が身のこととして捉えてくださっていますので,そこをしっかりと結束を固めていきたいというふうに思います。

【記者】先ほどの質問のフォローアップになるんですけど,初期に拠出する金額の大体のボリューム感というのはいくらぐらいというのを教えていただけますか。

【河野外務大臣】様々試算をお聞きしましたが,これは北朝鮮がどの程度やっているかということにも最終的にはかかってくると思いますので,ちょっと今の段階で数字を申し上げるのは控えたいと思います。

【記者】今回の外遊の一連の流れのことですが,今回明日,明後日も含めて様々なバイ会談を設定される予定だというふうに伺っております。今年に入ってから総理も欧州を初めて訪問される国も含めていらしてますけど,日本政府としてリベラルな秩序への挑戦を受けている。特に欧州がそういう状況にある中で,どのような関係を構築していきたいというふうに今回の外遊では期待されていますか。

【河野外務大臣】第二次世界大戦後のこの国際秩序の恩恵を最も受けた国の一つが日本だというふうに思っております。秩序の中で経済を繁栄をさせてきた。そういう我が国にとって今この戦後のリベラルな国際秩序への挑戦というのが続いているということは,極めてゆゆしき問題だと思っておりますし,これはやはりこの国際秩序の恩恵を受けてきた,そしてこの国際秩序を守るために努力をしてきたヨーロッパ各国ともしっかり連携をして支えていく必要があるんだろうというふうに思っております。特に日本とEUとの間のEPA,SPAというのが大きく前進をしているということもありますし,このアジア,あるいは欧州での安全保障環境が変わりつつある中で,様々なヨーロッパの国々,あるいはEU,OSCEといった国際機関としっかり連携をしていくというのは,これから非常に大切になってくるというふうに思っています。

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