記者会見
河野外務大臣会見記録
(平成30年2月9日(金曜日)8時49分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言
河野大臣のブルネイ及びシンガポール訪問
【河野外務大臣】2月10日から12日まで,ブルネイ及びシンガポールを訪問いたします。
ブルネイはASEANの中で,対日調整国を務めていただいておりますが,外務大臣に当たります第二外務貿易大臣が代わられて,新たなエルマン大臣と外相会談を行うほか,ブルネイの港に寄港する日本の海上自衛隊の外洋練習航海部隊の視察を行います。
ASEAN議長国であるシンガポールでは,バラクリシュナン外務大臣と外相会談を行うほか,リー・シェンロン首相を表敬いたします。
両国において,二国間関係に加えて,北朝鮮問題への対応,あるいは自由で開かれたインド太平洋戦略の実現に向けた協力,自由貿易の推進(含むTPP11)について意見交換すると同時に,今年の日本とASEANの協力の進め方について意見交換をしてまいりたいと思います。
両国とも外務大臣が日本から行くのは5年ぶりと聞いておりますので,しっかりやってまいりたいと思います。
平昌オリンピック関連
【記者】昨日,韓国で芸術団が,韓国が独島(ドクト)と呼んで領有権を主張する島根県の竹島について,公演の中で独島という表現を使う場面がありました。日韓の連携にくさびを打つというか,崩すような狙いがあるとみられますが,大臣,どのようにお考えになられますか。
【河野外務大臣】北朝鮮が,このオリンピックをさんざん政治利用しているような雰囲気がありますので,日韓,ならびに日米韓,しっかり連携をしてまいりたいと思います。オリンピック・パラリンピック終了後,米韓の軍事演習も再開されると承知をしておりますので,北朝鮮に対して緩みなく圧力をかけてまいりたいと思います。
【記者】こうした中,南北の融和ムードが広がる中ですね,今日,総理が訪韓して開会式出席と会談ありますけれども,どのような成果を期待されますでしょうか。
【河野外務大臣】日本の選手団,非常に頑張ってくれると思いますので,日本の選手団,総理も激励に行かれると承知をしておりますが,選手の皆さんには大いに頑張って,持てる力を出し切ってやっていただきたいと思います。
【記者】会談については・・・。
【河野外務大臣】日韓の首脳会談が行われる予定になっておりますが,日韓の連携をしっかり高めていっていただきたいと思います。
【記者】韓国メディアが流していたのですが,金正恩(キム・ジョンウン)氏の妹の金与正(キム・ヨジョン)氏らの代表団が文在寅(ムン・ジェイン)大統領と10日に面会するということなんですが,これは今まで南北は平昌オリンピックに向けて対話を重ねてきたと思うんですけれども,ちょっとまた違った対話のフェーズに入ってしまうじゃないかという懸念もありますでしょうか。
【河野外務大臣】文在寅大統領からは北朝鮮に対して,きちんとしたメッセージを送り出していただきたいと期待をしております。
【記者】きちんとしたメッセージというのは,具体的どのようなことを期待されていますか。
【河野外務大臣】朝鮮半島の非核化を進めるような,しっかりとしたメッセージを出してもらいたいと思います。
米韓軍事演習
【記者】軍事演習の再開というのは,アメリカから連絡があったのですか。
【河野外務大臣】外交上のやり取りについては差し控えます。
核態勢の見直し(NPR)
【記者】昨日の予算委員会での発言に関してなんですが,NPRをめぐる発言で,大臣,核が世界の不安定化をもたらしているのはアメリカではなくロシアだと発言したことに関して,ロシアの外務省が反発していると,要するに平和条約交渉に否定的な動きじゃないかというふうな見解を示していますが,その発言の真意と,その受け止めについてどういうふうに・・・。
【河野外務大臣】NPRがそのように述べていることを紹介したのであって,それはアメリカに対してロシアが言っていただきたいと思います。私(大臣)に言われても私(大臣)がNPRの作成に関与しているわけではありません。
南北融和に関する韓国国内の反応
【記者】韓国国内には,今回の融和ムードに対してアメリカなり日本がですね,余計な干渉をしてくるなというふうな,そういった論調もあるやに伝えられているんですけれども,日本として,また韓国政府としても圧力をかけつづけると言っている一方で,そういった声が根強く残っていることについて,大臣,どのようにお考えですか。
【河野外務大臣】韓国の一部の声だと思っております。韓国の政府,日米韓の連携をしっかりやろうということは,ペンス副大統領との会談でも確認をしていると思いますので,しっかりと北朝鮮に対して圧力をかけつづけてまいりたいと思います。