記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(平成29年12月19日(火曜日)15時03分 於:飯倉公館)

冒頭発言

【河野外務大臣】今日の12時から昼食会を含めて3時間にわたって,康京和(カン・ギョンファ)韓国外交部長官との間で,かなり率直な意見交換を行いました。康長官との間では日韓双方の安全保障を脅かす,北朝鮮の核ミサイル問題について時間を割いて集中的に議論を致しました。私からは15日の北朝鮮に関する安保理閣僚級会合における議論を紹介をし,康長官と共に問題の平和的解決に向け,北朝鮮に政策を変えさせるため,あらゆる手段を使って北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めるための国際社会の取り組みを主導していくことを議論致しました。安全保障協力,安保理での対応等,引き続き様々な面で,日韓,あるいは日韓米3カ国で緊密に連携をして参りたいと思います。また,先般の文大統領の中国訪問の話を伺うと共に,中国に更なる役割を求めていく必要があることで一致を致しました。日韓関係につきましては,両国関係には困難な問題がありますが,これを適切にマネージしつつ,日韓関係を未来志向で前に進めていけるよう,協力していくことで一致を致しました。こういう観点から,私の方から一昨年末の日韓合意が着実に実施されることが重要であるという我が方の立場を改めて強く申し入れを致しました。これに対して,康長官からは長官の下に設置されたタスクフォースの議論の現状について説明がございました。外交上のやり取りでありますので説明の内容については詳細は差し控えたいと思います。

質疑応答

【記者】まず日韓合意に関しては,大臣の方からまず意向を伺った,日本の立場を説明したという流れでよろしかったですか。

【河野外務大臣】日韓合意については,維持され,着実に実施されることが日韓の両国関係をマネージしていく上でこれは必ず必要になるので,大統領長官のリーダーシップのもと着実にやっていただきたいということを申し上げました。

【記者】それに対する長官の反応はどうですか。

【河野外務大臣】タスクフォースの議論の現状の説明をいただきました。反応その他ちょっと外交上のやり取りは,差し控えたいと思います。

【記者】文在寅大統領が中国訪問されたことについてのご紹介があったとうことですが。

【河野外務大臣】訪問のときの内容について少しご紹介をいただきました。

【記者】文在寅大統領がその訪日するという話に関しては何かお話ございましたでしょうか。

【河野外務大臣】特にありません。もちろん日韓中三カ国のサミットについては,なるべく早期に開催をしたいというところは一致しています。

【記者】タスクフォースの結論が出たらですね,たとえば相当するとかですね,あるいは検討するということですが,その後の検討については向こうから説明あったんですか。

【河野外務大臣】今の議論の現状についての説明はございました。

【記者】その後については特に言及ないという。

【河野外務大臣】まだ議論の最中なんだろうと思います。

【記者】日韓合意のその後について追加的処理を各国から求められた場合,それには応じられないということは,日本としてお伝えしたのでしょうか。

【河野外務大臣】特に追加的処置を求められていることは今回ありません。

【記者】長官言われている年末に今公表すると,タスクフォースの,日程感については今日

【河野外務大臣】特にありません。

【記者】大臣どうすれば韓国側は日韓合意について履行していただけるとお考えなのでしょうか。

【河野外務大臣】それは政府間で合意している話ですからそれはもう着実に合意してくれるものと思っております。

【記者】合意されている内容の中に慰安婦像の件があったと思いますが,その撤去について改めて今回大臣から求めたのでしょうか。

【河野外務大臣】そういうことを含めきちんと着実に合意される必要がありますということは申し上げました。

【記者】タスクフォースの内容を説明を向こう側がされたということですが,それはどういう意図で,理解してくれというそういう意味で言ってきたということですか。

【河野外務大臣】今の議論についての紹介がありました。

【記者】今日徴用工問題については,議論されたんですか。

【河野外務大臣】問題提起をいたしました。

【記者】ユネスコの産業遺産情報センターの設置等については触れたのでしょうか。

【河野外務大臣】話題としては上がりました。

【記者】日本側の立場は。

【河野外務大臣】説明いたしました。

【記者】それは日本側から提起したのですか。それともあちらから話があったのですか。

【河野外務大臣】ユネスコの話は向こう側からだったと思います。

【記者】それに対して日本側としてどんな立場を説明したんですか。

【河野外務大臣】日本側のこれまでの立場を繰り返しました。

【記者】韓国側からの問題提起,どのような文言で向こうからあったんですか。

【河野外務大臣】向こうのやり取りについては差し控えます。

【記者】問題提起はあったと。

【河野外務大臣】はい。

【記者】日本の立場というのは,2019年までに情報センターを設置するので今はまだ検討中だという立場ということですか。

【河野外務大臣】約束事項は,誠実に履行しているということを申し上げました。

【記者】韓国が表明している北朝鮮への人道支援については話題に上がりましたか。

【河野外務大臣】話題に上りました。

【記者】どのようなことを?

【河野外務大臣】内容については差し控えたいと思います。

【記者】大臣から話題にしたということでよろしいでしょうか。

【河野外務大臣】ちょっとそれはどっちだったか。すいません。どっちが先だったかはあれですが,昼食会の中で話題に上がりました。

【記者】中国の役割が重要だということで一致したというのは,さらなる圧力を高めていく上で中国の役割がというそういう理解ですか。

【河野外務大臣】北朝鮮に対する中国の働きかけというのが重要だということです。

【記者】より働きかけを進めてほしいという趣旨ですか。

【河野外務大臣】今も中国は,安保理決議を履行してくれていますが,もっと中国が出来る役割は,圧力を含めいろんな役割があるだろうと。

【記者】圧力を最大限まで高めることでは一致したんですか。

【河野外務大臣】圧力をしっかりかけていかなければいけないということは一致しました。

【記者】ユネスコの話に戻るんですけど,韓国政府はこれまで,要は強制労働があったと。強制労働の犠牲者を偲ぶための措置を速やかに講じるよう,日本政府に求めています。今日はそのラインでも同じような要請があったという理解でよろしいでしょうか。

【河野外務大臣】むこうからの話は差し控えたいと思います。

【記者】先方から平昌オリンピックについての話はありましたでしょうか。

【河野外務大臣】ありました。

【記者】どのような。

【河野外務大臣】むこうからの話は差し控えたいと思います。

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