記者会見
河野外務大臣会見記録
(平成29年12月8日(金曜日)9時48分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言
(1)河野大臣の外遊
【河野外務大臣】諸般の事情が許せば,本日から17日まで,バーレーン,UAE,フランス,英国及び米国(ニューヨーク)を訪問いたします。
バーレーンでは,我が国の外務大臣として初めて「マナーマ対話」に出席して,中東の平和と安定の維持・強化に向け,我が国として積極的に取り組もうという考えを発信してまいりたいと思います。また,バーレーン及びUAEでは政府要人と会談し,現下の中東情勢等について意見交換を行います。
フランスは,気候変動サミットに参加をいたします。また,フランス政府関係者及びユネスコ関係者との会談に加えて,来年フランスで開催予定の「ジャポニスム2018」に向けた意見交換を行います。
英国では,日英外相会談及び第3回日英外務・防衛閣僚会合(「2+2」)を行い,日英間の安全保障・防衛協力の強化,地域情勢やグローバルな課題での連携を確認いたします。
ニューヨークは,「不拡散(北朝鮮)」をテーマとする安保理閣僚級会合が開かれますので,議長を務めます。北朝鮮に政策を変えさせるため,国際社会で一致結束して北朝鮮に対する圧力を最大限に高めるべく国際社会をリードしていきたいと思います。
(2)第11回WTO閣僚会議
【河野外務大臣】12月10日から13日まで,アルゼンチンのブエノスアイレスで第11回WTO閣僚会議が開催されます。外務省からは岡本外務大臣政務官が出席をいたします。
WTOにおいては,日本は自由貿易の旗手として,国際貿易の今日的な課題に果敢に取り組むべきとの方針の下,電子商取引の議論を主導しております。閣僚会議におけるこの議論の前進のため,日本のリーダーシップを示すべく,電子商取引等の情報通信技術(ICT)の分野で,今後3年間で330億円規模の支援を実施することといたします。
日本がICT分野における支援を行うことで,途上国の関連インフラ整備の進展と,電子商取引の効果的な活用のメリットの広がりが期待されます。これを通じて,電子商取引の国際ルールの策定への途上国の一層積極的な参画を期待したいと思います。
河野大臣の外遊
【記者】諸般の事情が許せばということですが,各国とは北朝鮮問題についてどのような話合いをしたいと思いますか。
【河野外務大臣】北朝鮮問題については,国際社会で一致結束して圧力を高めるべく,その確認をしていきたいと思います。
エルサレムに関するトランプ米大統領の発表
【記者】エルサレムの首都認定を受けて,緊急安保理会合が開かれますが,各国から非難が相次ぐ中で,議長国の日本は「二国家解決」を支持されていると思いますが,どういったスタンスで会合を進めていきたいとお考えですか。
【河野外務大臣】一応,9日の未明に開催予定ですが,安保理についての予断を持ったお答えは差し控えたいと思います。
河野大臣の外遊
【記者】外遊日程ですが,当初,中東に関してはサウジアラビアにも訪問される方向で調整されたかと思うのですが,それがなくなったのはどういう理由からでしょうか。
【河野外務大臣】現下の中東情勢で,先方の日程上の問題が生じてまいりましたので,先般,外務大臣との電話会談もやりましたので,そこは少し調整をさせていただきました。
【記者】先方からお断りと・・・。
【河野外務大臣】先方が,カイロ,ヨルダンその他で中東各国の会議が立て込むという話でしたので,そこへお邪魔するわけにもちょっといかないものですから,仕切り直しにさせていただきました。
中東情勢
【記者】それだけ現下の中東情勢というのは非常に厳しい,そういう禍難を含んでいるということですか。改めてどういうふうに,情勢についてご覧になっていますでしょうか。
【河野外務大臣】もう既に様々な所で,投石その他,いろいろな行動が始まっておりますので,少し中東情勢が悪化をする可能性はある,現にそうしたことが起きていると思います。そういう中で,これ以上の混乱が起きないように我が国としても支援するところはしっかり支援してまいりたいと思いますし,様々意見交換をしてまいりたいと思います。
【記者】どういった意見交換をすれば,その中東情勢の悪化の懸念を,述べていらっしゃったと思うんですけれども,そういったものが少しでも減るというふうにお考えでしょうか。
【河野外務大臣】今まで,米国がこの和平の仲介を努力をしてまいりましたが,この首都の認定ということで,なかなかその仲介努力というのが厳しくなってくるということは予想されます。さりとて,この和平について誰も動かないということにはならないと思いますので,それをどういう枠組みでこれからやっていったらいいのかということを少し様々意見を聞いてまいりたい,そして日本が貢献できるところはしっかりやっていきたいと思っております。
【記者】サウジは中東の盟主国というか,非常に中心的な役割を示すと思うんですが,今回,そういう意味では本当はサウジを訪れて,現下のエルサレムの状況等も含めてお話しされたかったんじゃないかと思うんですが。
【河野外務大臣】外務大臣とは既に電話会談でかなり突っ込んだ話を,エルサレムだけでなく,イエメンについてもかなり突っ込んだ意見交換をしましたので,それを本来,先方の皇太子なんなりと確認をというふうには思ってはおりましたが,外務大臣とはしっかり意見交換ができておりますので,日程がこちら側もややタイトな日程になって,気候変動サミットもありますから,あまりずらせないという中で,やむを得ないかなと思っております。必要ならどこからでも電話会談ができるような,今関係ができていますから,必要なら電話をすればいいかなと思っております。
日EU・EPA
【記者】日EU・EPAなんですけれども,今現在,どういう状況,最終合意・・・。
【河野外務大臣】既に大枠はできておりますので,年内にも交渉妥結ということにしていきたいと思っております。それは先方ともこの間電話会談で,なるべく早くやろうじゃないかという確認をしておりますので,年内にもそういう方向に持っていけたらと思っております。
フェルトマン国連政務局長の訪朝
【記者】今回の会合では,国連安保理での閣僚級の会合ですけれども,そこで国連の事務次長の訪朝に関して,何かしらの説明を受けるような,そういった形が想定できるのでしょうか。
【河野外務大臣】ブリーファー,事務総長にやっていただくことになっていますので,当然そういう話が出るのではないかと思いますが,そこについてはこれから詰めていきたいと思います。