記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(平成29年12月2日(土曜日)16時05分 於:外務省沖縄事務所)

冒頭発言

【河野外務大臣】外務大臣に就任して初めて沖縄を訪問させていただきました。外務大臣としては初めてでしたので,平和祈念公園で献花をさせていただきました。その前に県内の企業の皆様からご意見を伺い,それから県内の市長さん,それから県知事と意見交換をさせていただきまして,厳しいご指摘も市長さんからはいただきました。ニコルソン四軍調整官ともお目にかかって,こういう北朝鮮の危機の状況の中で,日米同盟の抑止力・対応力を強化すると同時に地元の負担軽減というのが大切だということを申し上げ,地元の負担軽減のためにしっかり意見交換をしていくことを申し上げました。首長さん,経済同友会の皆様,それから県知事をはじめ皆様に,少し外務省として沖縄の国際化に対応できる人材育成に外務省として積極的に貢献をしてまいりたいということを申し上げまして,ひとつはTOFUプログラム「Think of Okinawa’s future in the United States」,外務省の若手が考えた(あれ)のですが,略してTOFU,沖縄から毎年20名の高校生・大学生をアメリカへ派遣をして,沖縄からアメリカに行ってもらう。あるいはアメリカで色んな意見交換をしていただくということを,これ毎年20名続けていきたいと思っています。それから,沖縄に今あります実は英語で教える学校というのが沖縄にありますし,基地の中には大学もございます。それから基地の子どもたちのための学校もあります。こういうリソースを使ってですね,あるいは沖縄の自治体に英語で教える小学校・中学校というのを作ってもらって,そこへアメリカの子どもたちも日本の子どもたちも一緒に通う,そういうことが出来るのではないか,色んなやり方を少し模索をしていきたいと思っております。そういう形で沖縄は観光も大分伸びてまいりましたし,元々アジアの交流の拠点地域だった訳ですから,少なくとも言葉が壁になるということではなくて,英語を流暢に普通にしゃべって世界へ出て行ける,そういう沖縄の若い世代の人材育成を外務省も率先して協力をしてまいりたいというふうに思います。私からは以上です。

質疑応答

【記者】会談の中身の話なんですが,ニコルソン司令官との会談の中でこれまで起きている事故のことも踏まえた再発防止などをお伝えになったのでしょうか。

【河野外務大臣】昨日判決が出た事件,それから飲酒運転その他の事件も本来起きてはいけないことでございますので,そこについてしっかり対応していくというのが,在日米軍の安定的な駐留のためには不可欠であるということは申し上げました。また,現在の状況に対応しながらも地元の負担軽減ということはやらなければいけないことで,日本側ともよく事前に前広に調整しながらやっていってほしいということを申し上げました。

【記者】知事との会談の中で冒頭のやりとり以外にどういうやりとりがあったかという点と,大臣が先ほどお伝えした国際化に向けた支援が,負担軽減にどういう効果をうむとお考えですか。

【河野外務大臣】知事とはいろんな話をさせて頂きましたが,緊密に連絡を取っていこうと,できることは一つずつしっかり実現していきたいというようなことを申し上げました。人材の国際化というのは負担軽減とは全く別の話で,少なくとも沖縄の未来を考えた時に沖縄の若い世代,せっかくアジアの交流拠点の沖縄に生まれ育った人材が日本の中だけに留まるのではなくて積極的に沖縄から打って出て行ける,そういう人材を是非作ってもらいたいと思いますし,それが沖縄県以外の若者のロールモデルにもなるのではないかと思いますので,そこは一生懸命応援していきたいと思います。

【記者】先程基地負担の話が出たんですけど,米軍側が事件事故相次ぐ中で再発防止策,綱紀粛正策というのが何度も裏切られてきてその効果が疑問視されているというのが県民の中にはあります。この点翁長知事が日米地位協定の抜本的見直しということを先程求められていましたが,それに対して大臣はどのようにお考えかという点と,日米同盟を強化するためには訓練の激化というのがあると思いますが,地元の住民に対する負担の増加ということも懸念されるにですが,その点についてはどうお考えですか。

【河野外務大臣】今,北朝鮮情勢をはじめ様々対処が必要な事態がありますが,その対処をやると同時に,この負担軽減というのはやらなければいけないことですから,どちらかということではなく,両立をさせなくてはいけないということで,ニコルソン調整官も同じご意見でした。そこはしっかり日本側と米軍と連携を取っていきたいと思います。地位協定については,相当昔からこの地位協定の話は取り組んでまいりましたので,しかも神奈川県選出ということもあり,いろんなことをやってまいりましたが,やはり大事なのは様々なことに一つずつ確実に対処していくことが大事なんだろうと思っております。やれることは確実になるべく早くやる,方法を問わずやっていきたいと思います。

【記者】方法を問わずと仰ったのはは翁長知事が求めたような抜本的な見直しも視野に入れた…

【河野外務大臣】色々な方法があると思いますから,問題を解決するのに何が確実に一番早くできるかということを考えていきたいと思います。

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