記者会見

河野外務大臣会見記録

(平成29年9月29日(金曜日)10時15分 於:官邸エントランスホール)

日中国交正常化45周年関連

【記者】昨夜,日中国交正常化45周年のレセプションが開かれました。北朝鮮問題で国際社会が足並みをそろえる必要がある中で,日本は中国に対してどのように呼びかけをしていくおつもりでしょうか。あと,日中関係についてもお聞かせください。

【河野外務大臣】度々,王毅(おう・き)外務大臣と会談あるいは電話会談の中で,中国も朝鮮半島の非核化が最終ゴールというところは合意をしております。また中国は国連安保理の決議に賛成をし,核実験あるいはミサイルの発射があった後,かなり早い段階で安保理の決議,あるいは議長声明といったことを出すのに中国も賛成して動いております。そういう意味で,今,国際社会は一致をして北朝鮮に対して圧力をかけ,核あるいはミサイルといったものをやめる,そういう意思表示をして対話のテーブルにつけというところは,一致をしてぶれなく来ていると思っております。
 日中関係につきましては,まず日中韓サミットの議長国として,年内に東京で日中韓をやりたいという方向で,今調整をしております。私(大臣)自身もできるだけ早い時期に訪中をしようと,今調整をしているところでございますので,日中関係,かなりこれから良くなっていくのではないかと思います。

衆議院選挙関連

【記者】希望の党についてなんですが,今朝,前原代表と小池知事が会談をしました。外交の考え方について一枚岩ではない,野合批判だというふうな話もありますが,河野大臣としての受け止めをお願いいたします。

【河野外務大臣】現在の北朝鮮の危機の中で,我々は特定秘密保護法によって守られた様々な機密情報を各国と共有しながら,情勢を分析し,判断をやっております。特定秘密保護法に反対をし,あるいは平和安全法制に反対をしてきた野党の方が,公認をもらうために賛成ですとおっしゃってもですね,じゃあ,例えば枝野さんが代表になったら,また全員反対になるのか,非常にそこは曖昧模糊としていると思います。
 特定秘密保護法なしに,今の北朝鮮情勢に立ち向かうことはできなかったと思いますし,平和安全法制によって,日本海に展開をしている米軍,米艦隊に補給活動を行うことができるようになっているわけで,平時からそういうことができない状況で,今の情勢を迎えていたらどうなっていたかというのは,たぶん多くの国民の皆さん,今,お気付きになっていると思います。
 今度の選挙の争点は,日米同盟を基礎として,戦後自民党あるいは自民党・公明党政権が築き上げてきた,この安全保障体制をしっかりと維持するのか,非常にそこが曖昧な態勢にするのか,それが問われている選挙戦だと思っています。

日中国交正常化45周年関連

【記者】日中関係について,本日,9月29日は日本と中国の国交正常化45年の記念日になります。大臣も中国側と祝電を交換したと思うのですが,先ほど訪中されたいと,その訪中されたい狙いと,そして日本側としては,今後中国と具体的にどういったビジョンがあって,中国とどういった関係を築きたいのかお聞かせください。

【河野外務大臣】なるべく早いうちに中国を訪問して,日本と中国の二国間の様々な問題を議論するということも必要だと思いますけれども,そろそろ,世界経済の2番目と3番目の大きさの日本と中国で,肩を並べて気候変動を始めとする,地球規模の問題に一緒に取り組んでいくということが非常に大事だと思っております。そうした糸口をしっかりとつけてきたいと思っております。

【記者】訪中の狙いは,もうちょっと具体的に・・・。

【河野外務大臣】今申し上げたとおり,二国間の様々な問題を議論すると同時に,日中が肩を並べてやれるような,地球規模の問題への対応の糸口を作っていきたいと思います。

衆議院選挙関連

【記者】選挙戦がいよいよ事実上始まりましたけれども,北朝鮮情勢もある中で,どう選挙態勢と危機管理を両立させていくのか,外務省はどう臨んでいくかをお聞かせください。

【河野外務大臣】官房長官と防衛大臣が期間中は在京し,万が一の時の態勢を取ることになっております。外務省としては,私(大臣)が出張していたときと同じように,副大臣と政務官が在京の態勢をしっかり取ります。私(大臣)も必要あれば戻ってくる,あるいは出先で電話会談ができるような態勢をしっかり取っておきたいと思っております。

【記者】大臣から,外務省に何か指示があれば教えてください。

【河野外務大臣】今までと同じように,北朝鮮問題を始め,様々なことが起こることが予想されておりますので,そこは気を抜くことがないように,きちんとした危機管理態勢を外務省の中でもこれまでと同様に取ってまいります。

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