記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(平成29年9月18日(月曜日)16時19分 於:米国・ニューヨーク)

冒頭発言

【河野外務大臣】まず,今朝の日米印外相会談は,8時53分から約30分間行いました。北朝鮮の問題につきましては,安保理決議を完全に履行しようということ,それから,制裁の抜け穴防止に向けた取り組みを議論いたしました。北朝鮮に対して,従来にない新たな段階の圧力をかけていくということで一致いたしました。また,先週の総理のインド訪問の成果を踏まえまして,基本的な価値と戦略的な利益を共有する日米印三カ国で自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて連携をしていこうということで完全に一致をいたしました。
 その後,日露外相会談を,15時から32分間,ラヴロフ外務大臣との間で行いました。まず,私の方から,北朝鮮に対して影響力を持っているロシアが,北朝鮮に対してしっかりと働きかけをしてくださいということを申し上げました。安保理を含め北朝鮮の問題を緊密に連携していこうというところで一致をしました。朝鮮半島の非核化がゴールである。
 平和条約締結問題につきましては,共同経済活動の進展,それから元島民のための人道的措置の議論の進捗を確認しました。まず,共同経済活動につきましては,5件のプロジェクトを具体化するために10月の初めに追加的な調査を行いますが,これを充実したものにしようということで認識を共有いたしました。局長級の作業部会,次官級協議の早期開催,11月の首脳会談でその結果がきちんと報告できるようにしようということでございます。それから,いよいよ9月23日を軸に航空機による元島民の墓参が行われることになります。天候が気になりますが,天候が許せばしっかり行いたいと思います。
 11月のAPEC首脳会議,それから具体的な日程は調整しますが,11月から12月にかけて私がロシアを訪問して政府間委員会を開催するなど,日露緊密にやって参りたいと思っております。
 それから,先ほど,トランプ大統領主催の国連改革の会議がありましたが,その後,ヘイリー国連大使とお話を少しさせていただきました。北朝鮮問題についてヘイリー大使のこれまでのリーダーシップに感謝申し上げると同時に,少し突っ込んで北朝鮮の今後について議論をいたしました。また,オーストラリアのビショップ外務大臣,バングラデシュの外務大臣とも外相会談を行いまして,北朝鮮問題について安保理決議の完全な履行,それから今後しっかり連携していこうということを確認致しました。

質疑応答

【問】日露関係でいいますと,北朝鮮に関する大臣の呼びかけに対して,ラヴロフ外相はどのように反応されたのでしょうか。

【河野外務大臣】】これから少し日露連携を緊密にしてやっていこうという話でしたので,そこはしっかりそうしましょうと。安保理でも非常に今連携がうまくいっているという話がでしたので,安保理,日本の議席がまだ12月までございますが,12月まで緊密に連絡をとっていこうということであります。

【問】共同経済活動の追加的な調査なんですけど,具体的な日付に合意したということはありますでしょうか。

【河野外務大臣】これからまさにその辺の調整はやっていきたいと思いますが,10月はじめにしっかり調査をやろうということです。

【問】日露外相会談について伺いたいんですが,安保理決議の完全かつ迅速な履行にはロシアの協力が不可欠だと思うんですが,その辺の手応えは。

【河野外務大臣】ロシアも先般の電話会談の中,その他のラヴロフ大臣との話の中で,朝鮮半島の非核化がロシアにとっても最終的なゴールというところは完全に一致しておりますし,ロシアはこれまでの安保理決議に賛成して採択をしてきていますので,安保理決議の完全な履行はロシアにとっても当然のことであるという話ですので,そこはしっかり連携をしていきたいと思います。

【問】先ほどヘイリー大使と突っ込んだ議論をされたということですが,具体的にはどういった議論をされたのでしょうか。

【河野外務大臣】中身は差し控えます。

【問】その後にトランプ大統領と言葉を交わされたように見えたのですが。

【河野外務大臣】トランプ大統領とは会合が終わったところで,ちょっと一言,二言ですね。中身は差し控えます。

【問】どんな印象を持たれましたか。

【河野外務大臣】テレビで見るのと同じだな,ちょっとネクタイがかぶったな,と。(笑)

【問】ヘイリー大使とはどのくらいの時間会談されたのですか。

【河野外務大臣】10分ぐらいかな。座って。ちょっと場所を移して。

【問】今,大臣はラヴロフ外相との会談の中で北朝鮮の制裁について,完全履行はロシアにとっても当然のことといわれましたが,ラヴロフ外相からおっしゃったということでしょうか。

【河野外務大臣】ラヴロフ外相とは,電話会談の中でも非核化が最終ゴールだし,当然に決議については履行するものだ,という話はずっとしていますから。日本側もロシア側も認識は全く一緒だと思います。

【問】今日もそういう話があったということですか。

【河野外務大臣】今日もそんな話をしました。

【問】先日の電話会談の直後のぶら下がりでは,アプローチの違いはあるということを仰ってましたが,今日そのあたりについてはどういった印象を持たれましたか。

【河野外務大臣】今日は具体的なアプローチについては話は特にありませんでしたが,緊密に安保理で連携しているという話はありましたので,しっかりやっていきたいと思います。

【問】総理大臣が衆議院解散の決議を固めたということがありますけど,北朝鮮等の問題等が山積している中で,外交に対する影響というのは何かありますでしょうか。

【河野外務大臣】北朝鮮が何かやっているから日本が手足縛られることはないと思いますし,あってはならないと思います。

【問】日露外相会談の中で,ラヴロフ外相は対話の重要性を強調したりしませんでしたでしょうか。

【河野外務大臣】特にないです。

【問】ラヴロフ外相の態度が少しずつ変わってきているなという印象は受けましたか。

【河野外務大臣】電話会談にしても,マニラでも,非常に会談はほんわかしたムードで行われてきましたので,特に変わったというか,割と初対面の時からいい関係で会談はできていると思います。人間関係は非常にうまくいってるのかなと,自分のひいき目かもしれませんが。

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