記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(平成29年9月3日(日曜日)19時29分 於:本省中央玄関)

冒頭発言

【河野外務大臣】先ほど17時40分からアメリカのハガティ大使におみえ頂きました。それからその後,18時から韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官,それからEUのモゲリーニ上級代表と電話会談を行いました。ハガティ駐日大使からは明確に日本に対する拡大抑止を含む安全保障のコミットメントが,これはもうアメリカ政府の統一した見解ということで,もう一度確認して頂きました。
 それから韓国の康長官とは,こういう状況で,もはや最大限の圧力をかける時期であるというところで一致を致しました。新しい国連安保理決議をしっかり,日米韓で連携をして模索をして参りたいと思います。
 それからEUのモゲリーニ上級代表とも電話で話しをして,EU並びにEU加盟国挙げて,この状況,日本を全面的にバックアップするということを言って頂きまして,EUに対してこれまでの安保理決議の抜け穴になっているものがないように,再度確認をして頂くと共に,もしそういうものがあれば,その抜け穴を潰すことにEUも協力をするということで,一致を致しました。
 私からは,それぞれ,今まで以上の規模の核実験であって,これはもう全く新しい脅威になったと言わざるを得ないということを申し上げ,米国,韓国,日本でしっかりと連携をして,中国,ロシアももはや圧力をかけて北朝鮮の非核化を目指すということは避けられないという認識だろうと思いますので,安保理決議をきちんと早期に強力なものを採択できるように,日米韓しっかり連携をして参りたいというふうに思います。私からは以上です。

質疑応答

【記者】日米韓の連携というお話しありましたけれど,ティラソン国務長官との電話会談については調整中なのでしょうか。

【河野外務大臣】アメリカと全く逆で,おそらく今頃多分,朝6時,6時半ということですので,今後しっかり調整をしていきたいと思いますが,その分ハガティ大使に来て頂いて,この安全保障に対する拡大抑止を含むコミットメントというアメリカ政府の統一した考え方を明確にして頂きました。

【記者】改めて今回の核実験に関してなのですけども,9月9日,何かあるのではないかというふうに見られる中で,今日の実験という形になりました。北朝鮮の意図については類推するしかないんですけども,大臣はどのような見方をしていらっしゃいますでしょうか。

【河野外務大臣】北朝鮮の意図については政府内で分析をしているところでございますが,あまり公の場で手の内をさらすことは避けたいと思います。

【記者】韓国,またハガティさんとの会談の中で,新たな決議の中身についてどういったやりとりをされたのでしょうか。

【河野外務大臣】今朝から申し上げているように,全てのオプションはテーブルの上にあるということです。ただ,こういう状況でその後の発表も水爆の実験というようなこともありますから,対話をする意思がないのはかなり明白なんだろうと。そのためにはしっかり強力な安保理決議をとおすことによって,北朝鮮が非核化への道を歩まざるを得なくなるような圧力をかけていく必要があると思います。

【記者】具体的にはメニューについてはまだふれていないのですか。

【河野外務大臣】今,国連の安保理で緊急会合の要請のための調整に入ったところですので,そこは国連の場でしっかり議論はしていきたいと思います。

【記者】韓国に関してなんですけれども,文大統領になってから対話の方を重視することになったということが背景としてありますが,そちらの方針について,今日の核実験の後で変わってきたというような認識でしょうか。

【河野外務大臣】康長官との電話会談の中で,今は圧力を最大限かけるという時期であって,対話を持ち出す状況ではないということは完全に一致しています。

【記者】中国とロシアに関しては,今日は韓国と,それから米国とは接触の機会があったんですけども,中国,ロシアに関しては今後どういうふうに接触を図っていきますか。

【河野外務大臣】今日,厦門(アモイ)でBRICSの会合をやっておりますので,多分,王毅さん,ラヴロフさん,そちらへ行ってらっしゃると思いますので,中露とも早い段階で意見交換をしていきたいと思いますし,国連の場で安保理の中に,中露,もちろん常任理事国で入っていますから,そこで色々な意見交換,始まると思います。

【記者】中国が大きな行事,BRICSで行事をやっている中で,核実験に踏み切ると,そう考えると,面子を潰すような行為だと思うんですけど,敢えてこういうことをやったということは,北がこういうのをきっかけとして対話に向かわざるを得ないというような国際社会にそういう雰囲気を作りたいということなのでしょうか。

【河野外務大臣】北朝鮮の意図については政府で色々分析をしておりますが,その中身についてはちょっと差し控えたいと思います。

【記者】それで中露の態度は変わると思いますか。

【河野外務大臣】中国はかなり強い,これまでにない言葉を使った声明を出していますので,さすがに圧力をかけなければならないという雰囲気になっていると思います。

【記者】今日の核実験は対話に向かうという流れとは逆行する,北の挑発ということなんでしょうか。

【河野外務大臣】今回の実験は北が対話をする意思がないということが明確になったということだと思います。

記者会見へ戻る