記者会見
河野外務大臣臨時会見記録
(平成29年9月1日(金曜日)21時04分 於:本省中央玄関)
冒頭発言
【河野外務大臣】今日,日中,日露の外相の電話会談を行いました。まず,王毅さんとは40分間中国と日本と(の間で),朝鮮半島の非核化がゴールであるということは一致を致しました。私から北朝鮮に対して少し国際社会の圧力を強めていく必要があるのではないかというようなことを申し上げて,日中,アプローチは少し差がありますけども,朝鮮半島の非核化がゴールであるというところは一致を致しました。出来るだけ早い機会を見つけて,私が訪中して少し北朝鮮問題だけでなく,日中の問題,あるいは日本と中国がこれから建設的にやっていくということを議論できればいいなというふうに思っております。
それからラヴロフ外務大臣とは,やはり電話で25分間会談を致しました。やはり朝鮮半島の非核化をするというのが両国のゴールであるということは一致を致しました。ロシアがこれから米露をはじめ,色々議論をするということですので,またその結果を聞きながら,今度の国連の場などで,緊密に協議をしていきたいということを申し上げました。それと,日露,協力をして安保理決議をしっかりと,これまでの安保理決議をしっかりと履行していこうというところも一致をいたしました。とりあえず私からは以上です。
質疑応答
【記者】日中からお伺いしたいのですけども,アプローチの違いという言葉をお使いになりましたけど,圧力強化について大臣が求められたのに対して,中国側はそれには応じなかったという理解でよろしいでしょうか。
【河野外務大臣】王毅さんとはかなり率直に色々な意見交換をさせて頂きました。話の中身については,ちょっと外交上の機微なことなので差し控えたいと思いますが,アプローチが多少違うところがあるというのはそのとおりですけども,朝鮮半島の非核化が必要だというゴールは日中完全に一致していると思います。
【記者】日露については圧力強化の話はされたのでしょうか。
【河野外務大臣】日露の間でもですね,今後北朝鮮あるいは朝鮮半島を非核化しなければいけないというところで,まずゴールが一致したというところと,それからこれまでの安保理決議を日露で協力して完全に国際社会が履行していくようにしなければいけないというところまでは一致を致しました。その先は多少やはりアプローチの違うところはありますけども,一致点も多く見出せましたし,これから日露少し緊密に連携していきましょうという話にもなりましたので,出来れば,あんまり欲張ってもいけませんけど,早い段階にロシアを訪問して,少し議論が出来たらなというふうに思っております。
【記者】ミサイル発射から3日経っての電話会談ということですけども,日韓や日米とはちょっと時間が空いての会談ですけども,時間が空いているというのは。
【河野外務大臣】ラヴロフさんが出張されていてというところもありましたし,日米はこれまでも大分早い段階で電話会談をやっておりました。日中,日露もそう時間はかからずに早い段階で出来たのではないかと思っていますし,これからも連絡を取り合っていこうということですので,スタートとしては良かったなと思っています。
【河野外務大臣】具体的にはちょっと差し控えたいと思いますが,いずれにしろゴールを共有し,安保理決議をしっかりやっていこうというところも完全に一致しておりますので,道は色々あるかも知れませんけど,日本も中国もたどり着こうと思っている先は一緒だというところはお互い確認が出来たというところです。
【記者】先月の制裁決議の完全履行ということは一致しているのでしょうか。
【河野外務大臣】そこは完全に一致しています。
【記者】大臣が圧力を強めていく必要があると提起されたのは,安保理の新制裁,制裁の新たな決議に対する協力を求めたという理解でよろしいでしょうか。
【河野外務大臣】色々なことを含めてやっていく必要があるだろうというふうに申し上げました。
【記者】色々なことで新制裁決議も含めてという理解でいいんですか。
【河野外務大臣】色々なことですから,何をテーブルから外しているということは特には申し上げませんでした。
【記者】中国,ロシアとの会談の中で石油という単語は出たのでしょうか。
【河野外務大臣】中身についてはちょっと差し控えたいと思います。
【記者】中国への訪問,出来るだけ早い時期にと,大体いつ頃を考えていらっしゃいますか。
【河野外務大臣】色々な日程もありますし,まだ決まってない日程もありますから,出来るだけ早くというところまでしか今は申し上げられません。もう少し色々なことが決まってきたら少し調整をしっかりやっていきたいと思います。
【記者】東方経済フォーラムについて,今,大臣は出張で行かれて参加を検討されていると思いますが,そこでのラヴロフ外相との会談というのはあるのでしょうか。
【河野外務大臣】ラヴロフ外務大臣は多分プーチン大統領とほぼ同一行動になるだろうと思いますので,東方経済フォーラム,もし私が行けたとしてもですね,ちょっとそこでプーチン大統領とラヴロフ外務大臣が離れる時間があるかどうかというのはちょっとまだ分からないところがあります。出来ればやるということはあると思いますが,ほぼプーチン大統領にずっと付き添っているというような状況のようなので,首脳会談にもし私が行って同席をするなら,対面に座るのかも知れませんけど,ちょっとそこから先は,ウラジオストクはよく分からないというのが現実です。
【記者】中国は対話による平和的解決を従来から主張していますが,今回の会談でもそのような主張があったのでしょうか。
【河野外務大臣】中身については差し控えますが,両国が目指しているゴールは一緒ですし,安保理決議を履行しなければいけないということで一致しています。
【記者】今回北朝鮮のミサイル発射を受けて,ロシアと会談をするのは初めてだということでよろしいでしょうか。
【河野外務大臣】電話会談は初めてです。
【記者】フィリピンのマニラで王毅外相と外相会談をやったときは激しい応酬があったようですが,今回の電話会談でもそのようなやりとりはあったのでしょうか。
【河野外務大臣】王毅さんとは駐日大使以来の古い友達のようなものですし,そういう意味では率直にお互いに意見をは言えるけどもというところであるかなと思います。
【記者】今回の会談をうけて六者協議の必要性について大臣のお考えが変わった部分はおありでしょうか。
【河野外務大臣】まだまだその段階ではないんじゃないでしょうか。