記者会見
岸田外務大臣臨時会見記録
(平成29年7月29日(土曜日)10時20分 於:大臣接見室前)
冒頭発言
【岸田外務大臣】本日29日午前9時半から約30分間,米国ティラソン国務長官と日米外相電話会談を実施いたしました。ティラソン国務長官との間では,28日深夜の北朝鮮によるICBM級弾道ミサイル発射を含む挑発行動は断じて容認できないとの認識を共有した上,北朝鮮に対し最大限の圧力をかけていく必要があるとの考えで改めて一致を致しました。また,私の方から28日に発表した我が国独自の対北朝鮮措置について説明し,ティラソン長官から歓迎の意が示されました。さらに,厳しい措置を含む新たな安保理決議の採択,中国やロシアへの働きかけに関し,日米韓で緊密に連携していくことを確認しました。そして,さらには北朝鮮の脅威を抑止すべく日米で防衛体制と能力向上のための具体的行動を進めることが重要であるとの認識で一致をし,米国の拡大抑止の重要性は改めて確認を致しました。この後,韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官とも電話会談を行う予定にしております。
質疑応答
【記者】2度目のICBM級の弾道ミサイル発射ということで事態の深刻さが増していると思いますが,大臣のほうからティラソン国務長官に対して,具体的にどのような言葉で事態の深刻さを伝えられたのでしょうか。
【岸田外務大臣】今回の弾道ミサイルの発射については,前回にも増してその脅威は大きくなっているという認識を昨日もぶら下がり等で申し上げましたが,そういった認識について,この具体的な今回の弾道ミサイルの発射の内容等も具申しながら,ティラソン長官に話をさせていただきました。それ以上詳しいことは控えます。
【記者】日米韓の連携部分で8月にASEANの関連外相会議がありますけれども,その際に日米韓3カ国で外相級で集まるといった,そのような話は今日ありましたでしょうか。
【岸田外務大臣】そうした具体的なところまでは,確認はしておりませんが,日米韓,既に先日首脳級も行っています。日米韓については今申し上げたとおり,私もティラソン長官に続いて,康京和(カン・ギョンファ)外交部長官とも電話会談を行うことを予定しております。米韓の間においても緊密な連携が行われているようです。平素からこういった形で日米韓の連携を確認していくことは重要であると思います。こうした積み重ねはしっかり続けていきたい,このように考えます。
【記者】大臣は昨日から防衛大臣も兼務されていますが,米国のマティス国防長官との電話会談の予定はございますか。
【岸田外務大臣】今のところは決まってはおりません。日米韓,分野ごとの突っ込んだやりとりも大事かもしれませんが,まずは基本的に外相レベルでの意思疎通を図っている,こういったことであります。
【記者】昨日稲田防衛大臣があのような形で辞任をされたことを受けての兼務ということで,今回のミサイル対応を誤れば政権が更に打撃を受ける可能性もあったと思いますが,こういった点で発射から10時間余り経ちますけれども,この間大臣はどういうふうにお考えになって対応されてきたのでしょうか。
【岸田外務大臣】むしろ安全保障に空白はあってはならないということで全力で取り組んできました。この取り組みの中にあって,何か不十分だというようなことはないと考えております。引き続き努力は続けていきたいと考えます。
【記者】韓国側とは予定されているということですけれども,今日中にもということでよろしいのでしょうか。
【岸田外務大臣】一応セットしております。本日午前中にも行いたいと思っております。
【記者】総理への報告は行うのでしょうか。
【岸田外務大臣】必要に応じて行いたいと思います。まずは次の段階の韓国と電話会談を行いたいと思います。その上で必要であれば報告もしたいと考えます。