記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成29年7月28日(金曜日)10時24分 於:官邸エントランスホール)

冒頭発言

北朝鮮に対する独自制裁

【岸田外務大臣】北朝鮮は,7月4日にICBM級の弾道ミサイルを発射するなど,その脅威は増しています。また,安倍政権の最重要課題である拉致問題についても,北朝鮮からは,解決に向けた具体的な動きが示されてはいません。
 今は北朝鮮との意味ある対話は期待できず,北朝鮮が非核化に向けた行動を示すよう圧力強化が重要です。また,7月6日の日米韓首脳会談においても,日米韓で連携して圧力強化に向けた措置を検討していくことで一致をしております。こうした中,我が国は,米国を始めとする関係国と連携しながら,更なる独自の措置として,中国の2団体を含む5団体,9個人を資産凍結等の対象に追加指定することを,本日閣議了解いたしました。
 我が国としては,「対話と圧力」,「行動対行動」という一貫した方針の下,核,ミサイル,そして引き続き,最重要課題である拉致問題といった諸課題に関し,北朝鮮が問題解決に向けて具体的行動を取るよう強く求めてまいります。

北朝鮮に対する独自制裁

【記者】追加制裁について,中国2団体も含まれるというご紹介でしたが,具体的な団体名はお伺いできますでしょうか。

【岸田外務大臣】このあとの手続として,告示が行われることになります。その中で明らかにすることになります。

稲田防衛大臣の辞意表明関連

【記者】昨日,稲田大臣がですね,防衛大臣を辞任される意向を固められました。稲田大臣をめぐっては,与党からも責任を求める声,高まっておりましたが,改造前の辞任のタイミング等ですね,安倍内閣の一員としてどのように思われるかお願いします。

【岸田外務大臣】辞任は残念なことでありますが,こうした事態を受けて内閣の一員として,改めて心引き締めて対応しなければならないと考えます。引き続き,緊張感を持って対応していきたいと考えます。

【記者】一部報道でですね,稲田大臣の後任の防衛大臣に,岸田さんが兼務されるという報道があるのですが,事実関係をお願いします。

【岸田外務大臣】従来から,人事についてはノーコメントとさせていただいています。人事権者は総理でありますので,私(大臣)が,今の段階で何か申し上げるのは控えなければならないと考えます。

【記者】日報隠し問題をめぐって,閉会中審査をする必要があるというふうに野党が求めていますが,これについて大臣としてどのようにお考えですか。

【岸田外務大臣】それは国会の運営の問題ですので,内閣の中にいる私(大臣)が国会の運営について,何か申し上げるのは適切ではないと存じます。議運,国対を始め,国会の中でご判断いただく問題ではないかと考えます。

民進党蓮舫代表の辞任

【記者】民進党の蓮舫代表が辞任されました。この受け止めと,代表戦やるかどうかまだ決まっていないようですけども,今後どのような論戦を期待されますでしょうか。

【岸田外務大臣】基本的にご指摘の点は,他の政党の中での話しですので,私(大臣)の立場から,何かそれについてコメントするのは控えたいと思います。

稲田防衛大臣の辞意表明関連

【記者】稲田大臣のこれまでの説明ぶり,日報の観察の進め方等々についてどのように見ていらっしゃいますか。お考えをお聞かせください。

【岸田外務大臣】大臣あるいは防衛省としては,しっかり説明責任を果たすよう努力を続けてきたと思います。しかし,様々な指摘があります。こうした指摘は謙虚に受け止めながら,今後とも説明責任を果たしていくことが重要なのではないか,このように考えます。

【記者】北朝鮮の情勢が緊張している中で,こういった防衛面でのゴタゴタというかですね,こういった状態が続いているということについてはどのようにお考えですか。

【岸田外務大臣】北朝鮮の情勢については,引き続き情報収集・分析に全力で取り組んでいるところです。状況についての判断は,こうした場で公にすることはできませんが,引き続き国民の命や暮らしを守るために,高度の警戒態勢を維持していかなければならないと考えますし,あらゆる事態に対応できるように,万全の体制を続けていかなければなりません。
 政府の中における様々な動きについては,ご指摘等,謙虚に受け止めながら対応していかなければなりませんが,今申し上げました国民の命や暮らしを守るための備えや対応,これは片時も,一瞬たりとも怠ることはできません。政府あげて,引き続き緊張感を持って対応していきたいと考えます。

【記者】防衛大臣の辞任でも影響はないという…。

【岸田外務大臣】あってはならないと考えます。

【記者】その意味では,早く,ポストが空白の状態がもし続くのは良くないと思いませんか。

【岸田外務大臣】その辺も含めて,総理を中心に,政府全体としてしっかり対応していかなければならないと考えます。

中国における邦人拘束

【記者】昨日,中国で拘束されていた4人が解放された件ですけれども,中国系メディアでは詳細が報道されていますけれども,日本政府に対して中国政府からとんな説明があったんでしょうか。

【岸田外務大臣】27日,今年3月に山東省及び海南省で拘束された邦人男性6名のうち,それぞれ2名,合計4名が帰国していること,これを確認しています。
 中国当局とは必要な連絡を取っておりますが,まだ,拘束されている方がおられる,こういったことも踏まえて,これ以上の詳細についてはコメントすることは控えたいと思います。

記者会見へ戻る