記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成29年7月14日(金曜日)10時19分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言
NY出張
【岸田外務大臣】7月16日から19日まで,持続可能な開発のための国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)に参加するため,ニューヨークを訪問いたします。
17日には,国連の会議でプレゼンテーションを行い,「誰一人取り残さない」多様性と包摂性のある社会の実現に向けた日本の取組についてアピールしたいと思います。
その中で,日本の進める官民パートナーシップ(Public Private Action for Partnership:PPAP)や次世代(子ども・若者)に焦点を当てた施策を重視する姿勢について発信したいと思います。
さらに17日の晩には,レセプションを開催し,ピコ太郎氏の参加も得て,持続可能な開発のための官民パートナーシップをさらに拡大・強化する機会にしたいと考えています。
劉暁波氏の死去
【記者】中国の民主化の象徴的存在だった劉暁波(りゅう・ぎょうは)さんが亡くなりました。受け止めをお願いします。
【岸田外務大臣】自由と民主の追求に人生を捧げられた,ノーベル平和賞を受賞された劉暁波氏の御逝去の報に接し,心から哀悼の意を表したいと思います。
これまで一貫して述べてきているとおり,自由,基本的人権の尊重,法の支配は,国際社会における普遍的価値であり,これらが中国においても保証されることが重要であると考えています。引き続き高い関心を持って,中国の人権状況を注視していきたいと考えます。
また,夫人についても,このような観点から適切な対応がなされるべきであると考えております。
【記者】適切な対応ということは,夫人について解放を求める考えは,日本政府としてあるのでしょうか。
【岸田外務大臣】自由,基本的人権の尊重,法の支配,こういった国際社会における普遍的な価値の観点から,適切な対応がなされるべき,このように申し上げています。
【記者】劉暁波さんの関係なんですけれども,容態悪化後も自由に治療を受けることを認めさせなかった中国政府に対して,欧米諸国などは中国政府を強く批判しているわけですけれども,その観点についてからは,中国政府の対応について,どのようにお考えになりますでしょうか。
【岸田外務大臣】様々なルートで日本政府の考え方,中国に伝達していますが,詳細については控えたいと思います。
日米「2+2」の開催時期
【記者】アメリカとの間で早期開催に向けて調整されている「2+2」なんですが,一部の報道で8月中旬にもという報道もありました。現在の調整状況,お願いします。
【岸田外務大臣】「2+2」の早期開催は重要であるということについては,日米の外相電話会談等においてもたびたび確認をしているところです。早期開催に向けて調整を引き続き行っております。ただ,今の時点では具体的な日程は決まってはおりません。引き続き,早期開催に向けて努力を続けたいと考えます。
内閣改造関連
【記者】昨日,総理と20分間面会されましたけれども,「政権を全力で支える」という考えを伝えたというふうに一部で報道されていますが,こうしたやり取りあったのでしょうか。
【岸田外務大臣】昨日から申し上げているように,昨日,総理にお会いした際には,外交案件について,総理のお考え等を伺うということを行いました。外交案件であります。
【記者】昨日の派閥の会合でも「政権を全力で支える」という考え,表明されていますけれども,これはあくまでも閣内にとどまって支えていくというお考えなんですか。
【岸田外務大臣】昨日は,派閥の会合において,派閥として全力で支えていく,こういったことを申し上げました。それ以上のことは申しておりません。
【記者】派閥の中にも,入閣適齢期という方,何人かいらっしゃるわけですけれども,大臣,宏池会の会長という立場では今回の改選にどう臨まれますか。
【岸田外務大臣】私たちの派閥,宏池会においては,優秀な人材はたくさん存在いたします。是非,適材適所の観点からそれぞれ活躍してもらいたいと思います。内閣改造,人事については総理の判断ではありますが,是非,この人事の中にあっても,宏池会の優秀な人材が活用されることは期待したいと思っています。
ハガティ駐日米国大使の承認
【記者】アメリカの駐日大使,ハガティさん決まりましたけれども,それの受け止めお願いします。
【岸田外務大臣】米国時間13日,ウィリアム・ハガティ氏が,上院本会議において,駐日米国大使として承認されたと承知をしています。
日本政府として,トランプ大統領の信任が非常に厚いハガティ氏が駐日大使として承認されたこと,これを歓迎したいと思います。今般の承認を受け,私(大臣)からハガティ大使に対し,日米同盟は日本の外交・安全保障の基軸であり,揺るぎない日米の絆を更に強化していきたいとの決意を伝える祝辞を送らせていただきました。
今後,ハガティ大使が早期に日本に着任され,日米同盟の更なる強化に共に取り組むことを,これを楽しみにしております。
劉暁波氏の死去
【記者】劉暁波さんの死去の関連で,アメリカのティラソン長官が,劉さんの奥さんの出国を認めるようにというようなことを,声明を出していますけれども,アメリカとのそういった方針というのは,日本も歩調を合わせているというような理解でよろしいのでしょうか。
【岸田外務大臣】アメリカとは様々な課題について,緊密に意思疎通を図っていますが,詳細については控えます。いずれにしましても,ご夫人につきましても,先ほど申し上げた自由や,基本的人権の尊重,法の支配,そういった観点から適切に対応がなされるべきであると我々は考えています。