記者会見

岸田外務大臣臨時会見記録

(平成29年6月29日(木曜日)16時59分 於:外務省中央玄関)

冒頭発言

【岸田外務大臣】明日,明後日の2日間,マルムストローム欧州委員が訪日することとなりました。私とマルムストローム委員との間で,日EU・EPA交渉の大枠合意に向け,大詰めの議論を行いたいと思います。同委員との間では,6月21日に電話会談を行いましたが,日EU・EPA交渉について,我々自らが政治的指導力を発揮し,必要に応じ,同委員との間で引き続き直接連絡を取り合うことで一致をしていたところです。これまで約3週間に亘りまして首席交渉官レベルで交渉を行い,日本とEUの間の立場の相違を埋めるための協力を行い,一定の進捗をみることができました。しかしながら,なお,難しい課題が残っています。いよいよ明日からは,政治レベルで交渉を行い,残された課題を克服するための大詰めの交渉を行いたいと思います。大変厳しい,そして難しい交渉になると思いますが,7月のG20の際の日EU首脳会談も念頭に置きつつ,全力を尽くしたい,このように考えております。

質疑応答

【記者】明日,明後日は両日とも会談を行うということでしょうか。

【岸田外務大臣】交渉の進み具合ではありますが,今の感触あるいは見通しとしましては,大変難しい,厳しい交渉になると思います。与えられた時間は最大限有効に使って,ぎりぎりまで交渉を行いたいと思います。

【記者】時間の制限などは特に設けていないということでしょうか。

【岸田外務大臣】特段,いつまでに結論を出すとか,それから交渉時間とかそのようなことはまだ決まっておりません。交渉次第でありますが,先方にも色々日程はあるのでしょう。与えられた時間を最大限有効に活用したいと思います。

【記者】合わせてEUはホーガン委員も来日すると思います。山本農水大臣との関わり,協議,どのようにするのでしょうか。

【岸田外務大臣】ホーガン委員が訪日することは私も承知をしております。必要に応じて会談に参加するなり,こうした協議に出席するということはあり得るとは思います。ただ,いずれにせよ交渉の進み具合だと思っています。

【記者】ホーガン委員が参加する場合は,当然山本農水大臣も協議に。

【岸田外務大臣】まだ具体的に何か決まっているものではありませんが,色々なケースは考えられますし,交渉を進める上において,最も有効な形を考えたいと思っています。

【記者】自民党からは農産品の分野などで妥協しないようにという要望もありますけど,こうした中でどのような着地点に落ち着きたいとお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】自民党の日EU経済連携本部から申し入れを受けています。また与党公明党からも申し入れを受けています。こうした関係者の声,これはしっかり受け止めたいと思います。ただ,交渉は相手がある話ですし,今の時点で何か見通すことは難しいと思っています。お互いのセンシティビティに配慮しながら,国益の観点から最大限の努力をしなければなりません。こうした申し入れも念頭に置きながら,しっかりとした交渉に臨んでいきたいと思っています。交渉の行方については大変厳しいことになると考えています。

【記者】明日,明後日,その翌日,2日日曜日は日本は都議選ですけれど,そこまではもつれ込まないというスケジュール感なんでしょうか。

【岸田外務大臣】相手の日程もありますが,とりあえず今考えているのは,明日,明後日であります。それを念頭に置きながら交渉を始めたいと思っています。

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