記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成29年6月9日(金曜日)8時48分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言
(1)航空機を利用した元島民による特別墓参
4月の日露首脳会談での合意を踏まえ,鋭意調整してきた結果,天候が許せば,6月18日に日帰りで,航空機を利用して国後島及び択捉島への特別墓参を実施することとなりました。航空機を利用して北方領土への墓参を行う初めての訪問となります。
訪問団は,北方領土の元島民とその家族を中心に,計70名程度で構成される見込みです。政府同行者として,岸外務副大臣ほか外務省,内閣府の職員が参加する予定です。
ご高齢となられている元島民の方々の身体的負担を少しでも軽減するという人道的観点から調整を進め,実施することとなったものです。北方四島におけるこうした日露の協力を進めることは,平和条約締結に向けて大きなプラスになると考えています。元島民の皆様の切実な思いも胸に,着実に前進していきたいと考えます。
(2)安保理決議に基づく資産凍結追加指定
北朝鮮による累次の弾道ミサイル発射等を受けて,先週土曜日(3日)ですが,安保理において全会一致で採択された決議第2356号に基づき,本日,日本政府として,資産凍結等の措置の対象を追加指定する告示を行います。
我が国は,北朝鮮に対する圧力を更に強化すべく,この安保理決議を着実に履行し,その実効性を確保していくことを含め,引き続き,関係国と緊密に連携・協力してまいります。
北朝鮮問題
【記者】北朝鮮情勢についてお伺いいたします。ここのところ弾道ミサイルの発射が続いていたわけですが,昨日は,弾道ミサイル以外の地対艦ミサイルの発射が行われました。この狙いについてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
【岸田外務大臣】北朝鮮の挑発行動については,年明けからずっと続いております。こうした挑発行動,決して許すことはできない,このように考えます。そして北朝鮮側の狙い等については,確たることを申し上げる立場にはありませんが,引き続き,情報収集・分析には努めていかなければなりません。挑発行動については引き続き,続く可能性はあると考えております。引き続きまして,高度の警戒態勢を取りつつ,国際社会と連携をして取り組んでいきたい,このように考えます。
航空機を利用した元島民による特別墓参
【記者】今,冒頭であった墓参のことについて教えてください。北方四島に行かれるというお話でしたけれども,どこの島に行かれるのか決まっているのかということと,今回1度きりなのか,それとも来年以降も引き続き実施していくということなのか,その2点について教えてください。
【岸田外務大臣】墓参の航空機のルートについては,今回は,中標津空港から国後島,次いで択捉島に向かい,同じ経路をたどって中標津に戻るというルートを念頭に,今,最終的な詰めの作業を行っている次第です。
これは来年以降のことについては,基本的には,来年以降も,高齢化されている元島民の皆様の負担軽減という観点から続けていくべきものであると認識をしております。ロシア側との調整の状況については確認しなければなりませんが,こうした航空機による墓参,基本的には,首脳間においても確認をされていることですので,続けていくことは重要であると認識をいたします。