記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成29年6月6日(火曜日)9時13分 於:官邸エントランスホール)
北朝鮮問題
【記者】国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会で,北朝鮮の重要な外貨収入源になっている石炭の輸出が,4月からゼロになったという発表がありましたが,中国の制裁が着実に実行に移されているというのは,裏付けにもなると思うんですけれども,これについて大臣の受け止めをお願いします。
【岸田外務大臣】おっしゃるように,4月の北朝鮮の石炭輸出がゼロになったという,このことが国連の安保理の北朝鮮制裁委員会を通じて,明らかになったということを承知しています。
安保理決議によって,北朝鮮の石炭輸出が決議どおり制限されたとしたならば,2015年に比べて石炭輸出を通じての北朝鮮の外貨収入は,6割減少することになると承知をしています。北朝鮮の核,そして弾道ミサイル開発を抑える上において,こうした外貨収入の減少,これは大変重要であると認識をしています。引き続き,国際社会とともに北朝鮮に対する圧力をかけるべく,我が国も努力をしていきたいと思いますし,各国の動向については,引き続き注視をしていきたい,このように思っています。
【記者】日本政府の独自制裁として,日本の領海に侵入した船舶を没収できるという新法の検討に入ったという一部報道ありますが,これについて事実関係お願いします。
【岸田外務大臣】国連安保理決議における制裁対象に含まれるもののうち,船舶につきましては,我が国は特定船舶入港禁止法に基づいて,我が国の港に入港することを禁止している,こういった対応を行っています。
いずれにせよ安保理決議を踏まえて,具体的にどのような措置を講ずるのが適切なのか,こういったことについては国際社会における議論も踏まえつつ,適切に判断をしていくつもりです。それ以上のことは,今,何も決まってはおりません。
中東6か国によるカタールとの外交関係断絶
【記者】中東情勢について伺います。サウジなどアラブ5か国がですね,テロを支援しているとしてカタールとの断行を表明しました。中東というのは,エネルギー分野で日本との関係が深いと思うんですけれども,この影響についてはどのように検討されていますでしょうか。
【岸田外務大臣】5日の日に,サウジアラビア,エジプト,バーレーン,UAE,イエメン,モルディブ,6か国がカタールとの外交関係断絶を発表した,このように承知をしています。引き続き注視をしていきたいと思います。中東域内で各国が相互に協力して,テロとの戦い,あるいは中東地域の安定化に向けて取り組むこと,このことは期待したいと思います。更に言うと,カタール,そして先ほどの6か国,それぞれとの我が国の関係,これは変わらない,影響は受けないと認識をしています。