記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成29年5月30日(火曜日)9時08分 於:官邸エントランスホール)
楊潔篪中国国務委員の訪日
【記者】中国の楊潔篪(よう・けっち)国務委員,来日されています。今日,大臣とも会談される予定だと思いますけれども,北朝鮮に対する圧力という点,それからですね,今後の日中関係についてどういった成果を期待されるのか,大臣のお考えをお願いいたします。
【岸田外務大臣】楊潔篪国務委員との会談においては,おっしゃるように北朝鮮問題,そして今後の日中関係,こういったことについて是非,率直な意見交換を行いたいと思っています。
北朝鮮問題については,まず,国連安保理の常任理事国であり,六者会合の議長国であり,北朝鮮との貿易の9割を占める中国の役割,大変重要であります。六者会合メンバーとしては,朝鮮半島の非核化,これを共通の目標として掲げています。今年に入って2月,4月,2回,王毅(おう・き)外交部長と日中外相会合を行っていますが,その際にも中国の役割の重要性,積極的な役割を果たすこと,こういったことについて働きかけを行ってきています。今日の楊潔篪国務委員との間においても,そういった議論を行い,何よりも北朝鮮問題において日中でしっかり連携すること,こうしたことを確認できればと思っています。
そして日中関係については,今年,日中国交正常化45周年,そして来年,日中平和友好条約40周年,こうした大きな節目を迎えるわけですが,戦略的互恵関係に則り,大局的観点から懸案事項については適切に処理をし,そして肯定的な側面についてはできるだけ拡大をしながら,両国関係を安定化させ,そして是非,ハイレベルな対話を通じて両国関係を改善していく,こうした今後の道筋を考えていきたいと思っていますが,これについても王毅部長との間で議論をしてきました。今日も楊潔篪国務委員との間において,今年から来年にかけての日中の関係改善に向けての取組方,進め方,こういったものについて意見交換ができればと期待をしています。
【記者】大臣から楊潔篪さんに対して,圧力強化を要請するという理解でよろしいでしょうか。
【岸田外務大臣】国際社会と協調して,今は圧力が重要であるということ,これについては我が国,あるいは日米の間でも一致をしています。是非その際に,中国の役割というのは大変大きいということですので,中国にこうしたしっかりとした役割を果たしてもらうよう働きかけを行っていきたい,このように思っています。
共同経済活動に関する官民調査団の派遣
【記者】今日,北方領土の共同経済活動の官民調査団がサハリンに向かって出発します。大臣としてどのような成果を期待されますでしょうか。
【岸田外務大臣】おっしゃるように,長谷川総理補佐官を団長として,30名規模の調査団がサハリンに出発をいたします。聞いているところによると,サハリン州知事を始め,先方の関係者との会談も行うということであります。この目標としては,6月の後半になると申し上げたと思いますが,四島における現地調査団の調査が行われることが予定されていますが,この現地調査がより充実したものになるために,意義ある意見交換や調査になることを期待しております。