記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成29年5月19日(金曜日)8時53分 於:官邸エントランスホール)

北方四島への航空機を利用した特別墓参

【記者】北方領土での航空機を使った墓参について,来月18日から,およそ70人規模で開始で調整という一部報道がありますけれども,これについて事実関係をお願いします。

【岸田外務大臣】先日の日露首脳会談において,航空機を利用した元島民の皆さんによる特別墓参を実現すること,このことで一致をしております。6月中にも,天候条件の良い日に実施できるよう調整を行っていますが,今のところ日程は決まってはおりません。引き続き,今,元島民の皆さんの希望も踏まえながら調整を行っております。しっかりと調整を行いたいと思っています。

南シナ海問題

【記者】中国とASEANが,南シナ海の対応について行動規範の枠組みについて合意しています。これに法的拘束力が示されていませんが,これについて大臣の受け止めをお願いします。

【岸田外務大臣】その件については,中国政府はASEAN各国との間でCOCの枠組みに合意をした,こういった発表を行ったと承知をしています。ただ,現時点でこの合意が公表されているわけではない,すなわち内容が明らかになってはいないと承知をしています。我が国としては,南シナ海における法の支配の貫徹,これを一貫して支持してきました。関係国に対して国際法に基づく実効的なCOCの早期策定を求めてきているところであり,引き続き注視をしていきたい,このように思います。

日韓関係

【記者】日韓関係なんですけれども,文在寅(ムン・ジェイン)大統領の特使が来日されて,総理にですね,大統領の意向としてできるだけ早く会いたいと,なおかつシャトル外交も再開したいという意向を伝えました。これについて外務省としては,今後どのような調整を図っていくのか,それからこのタイミングでですね,昨日,竹島周辺で調査船が確認されていますけれども,こうしたタイミングでの韓国のこうした行動についてどう分析されているのか,併せてお願いします。

【岸田外務大臣】文喜相(ムン・ヒサン)大統領特使一行が来日されました。そして総理とも会っていただいたわけですが,その中で首脳会談に関しましては,早期の首脳会談を実施していく,それに向けて調整をしていく,こうしたことについて一致をいたしました。現時点で具体的に決まっているものではありませんが,今後,外交ルートを通じて調整をしていきたい,このように思っています。
 そして調査船の話でありますが,韓国側の意図は分かりません。何かこちらからお答えする立場にはないと思いますが,いずれにせよ,韓国の調査船がワイヤーのようなものを海中に投入していること,あるいは領海において漂泊をしたというようなこと,確認をされています。韓国側には外交ルートを通じて,我が国領海における漂泊は受け入れられず,またEEZにおいて我が国の事前の同意なく,海洋の科学的調査を実施するということは受け入れられない,こういったことについて申入れを行い,即時に中止すべきとの累次にわたっての強い抗議を行っている次第であります。

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