記者会見

岸田外務大臣臨時会見記録

(平成29年5月14日(日曜日)11時00分 於:本省大臣接見室前)

冒頭発言

【岸田外務大臣】本日の北朝鮮の弾道ミサイルの発射を受け,10時30分から15分間,尹炳世(ユン・ビョンセ)韓国外交部長官との間で日韓外相電話会談を実施いたしました。 ユン長官との間では北朝鮮による弾道ミサイルの発射に関して,情報交換を行うとともに,国連の場を含め日米,日米韓で引き続き緊密に連携していくことで一致いたしました。   また,北朝鮮とは対話のための対話では意味がなく,今は北朝鮮に圧力をかけていくことが必要であるということ,また,北朝鮮問題への対処にあたっては中国の役割が重要であり,国際社会として連携していくことを確認いたしました。
 文新政権のもとでも引き続き日韓,日米韓の間で緊密に連携をしていきたいと考えます。

質疑応答

【記者】今回このタイミングでのミサイル発射ですが,さらに制裁のレベルを引き上げるなど,具体的な方法については,今後どのような方針で取り組みたいとお考えですか。

【岸田外務大臣】尹長官とは様々なやりとりを行いましたが,今申し上げた以上の具体的なことは控えます。何れにしましても,国連の場等を通じて日韓,日米韓の連携を深めていかなければなりません。国連においても既に動きを開始しています。そのやりとりの中で具体的な結果につなげていかなければならないと思います。まずはその作業をしっかり始めたいと思います。

【記者】韓国は政権が替わったわけですけれど,そして北に対して融和的ではないかとされる中で,今日の電話会談の中では圧力強化という部分については前向きな対応は確認できたということでしょうか。

【岸田外務大臣】文政権については,北朝鮮に融和的であるといった見方があることは承知しています。しかし新政権の政策の具体的な内容が明らかになるまでには一定の時間を要すると見込まれています。また,重要なことは文新大統領の下,韓国の新政権との間で緊密な連携を図ることであると思います。このような観点から,本日の電話会談,これは有意義であると考えています。北朝鮮問題への対処にあたっては,文新政権の下でも日韓,そして日米韓での緊密な連携を図って参ります。

【記者】ぶらさがりで国連の場での米韓とのすりあわせという発言がありましたが,これは具体的には新たな制裁を含む決議について調整をしているという理解でよろしいでしょうか。

【岸田外務大臣】すりあわせを開始しました。そして,具体的な対応についてはすりあわせの結果であります。開始をし,安保理の対応ですから,安保理15カ国が緊密に連携をした上で結果を出していかなければなりません。その中で,米韓とはすりあわせを開始した,ということを申し上げました。

【記者】関連で,米韓とすり合わせをするところは理解できるのですが,日本政府としては今の段階では安保理制裁の強化が必要だというお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】これは安保理の議論の中で決まっていくものです。まずは,こうした事態が発生して,安保理の場で明確なメッセージ,対応が必要であるということは当然のことであります。その具体的な形をどうするか,ということについてすりあわせを開始したということです。是非この議論を急がせたいと考えます。

【記者】国際社会が圧力を強める中で新型と推定されるミサイルを打ってきたわけですけれども,この挑発を抑止するために具体的な手段というのはまだ残されているのですか。

【岸田外務大臣】国際社会としてやらなければならないこと,まずは今の安保理決議についても,しっかりと履行をしていかなければならない,こういった議論をずっと続けているわけです。それから各国の独自措置についても,実施を徹底するということを申し上げております。そこからして引き続きしっかりとやらなければならないことがあるわけですし,それ以上のことについても,北朝鮮の反応もしっかり見た上で何が最も効果的なのか,これは絶えず考えていかなければなりません。状況を見ながら国際社会と連携しつつ今後のついても考えていかなければならない。こうした努力はこれからも必要とされていると思っています。

【記者】ティラソン長官とかその他の国とのこの後の調整状況はいかがでしょうか。

【岸田外務大臣】日韓で外相電話会談を行ったわけですが。日韓のみならず日米韓,そして関係国との連携は重要です。意思疎通を図り,連携を図るために必要なことは,あらゆることを検討したいとは思います。ただ,状況をしっかり見ながら判断していかなければいけませんし,今まだ決まったものはないというのが現状です。

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